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死なない魔女の日常譚  作者: 夕張時雨
三章 初めての帝都へ
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箒に乗ってみます!

前回のつづきですよー


次の日、私が起きてリビングに出てくると、

「ふぁぁ……あれ?師匠、おはようございます。今日は早いですね」

「あ、クエルおはよう。今日から始めるよ」

始めるってなにを…

「なんでキョトンとした顔してるの?言ったでしょ、練習するよって」

「あぁ、そうでしたね。ではさっそく……」

私が言いかけたところで、師匠のお腹からぐぅぅぅぅーと、気の抜けた音が響いてきた。

「そ、その前にまずごはん……作って……」

「はいはい、ちょっと待っててくださいね」

私はマルマル鳥の卵を使ったオムレツを作ると、椅子にちょこんと座っている師匠の元へ持っていった。お人形みたいですごく可愛いです。

「やっぱり、クエルのご飯は美味しいねー」

無邪気な笑顔を私に向けながら、師匠は着々と食べ進めていた。

(これで五百歳……なのかぁ……)

師匠というより、妹みたいな感じで愛でたくなるんですよねぇ……。

程なくして、師匠が食べ終わった。

「ごちそうさまでしたっと…それじゃ、おやすみー」

「って、ちょっと待ってくださいよ!箒に乗る練習は!?」

私は、ソファーにごろ寝している師匠に聞いた。

「あー…そんな話してたような…してないような…」

「してましたよ!さぁ、早くやりましょう?」

私は、渋る師匠を無理やり外へ引っ張って行った。

「まず、乗ってみな。それで使えたら終わり、無理だったらみっちり修行。それでいいでしょ?」

と、気怠げに言ってきた。さっきまでの勢いはどこへいったのか…

「…で、肝心の箒はどこですか?」

私は当たりを見回したが、箒はどこにも無かった。

「ふっふっふ、それはねぇー……」

師匠が指を鳴らした瞬間、虚空から一本の箒が現れた。すごいだろ!と言わんばかりのどや顔で箒をわtらしてくる。

「それ、普通に持ってきた方が早いですよね?」

「だって、こっちの方がカッコイイじゃん!そんな事いいから、とりあえず乗ってみてよ」

私は、師匠に言われるままに箒に跨る。体の周りにふわっとする空気の流れを感じ、すごく不思議な気分になってしまう。

「でね、そのまま地面を思いっきり蹴ると飛べるよ……たぶん」

私は、言われた通りに思いっきり地面を蹴った。

少しだけふわっとした浮遊感が体全体を包んだが、すぐに地面についてしまった。

「ふむぅ……単純な魔力量はオッケーっと。あとは、魔力の制御と循環に少しだけ違和感あり……か」

なんだか師匠が難しい顔をしていると、ついからかいたくなってしまう。普段ちゃらんぽらんだからだろうか。

「師匠が考えことしてるなんて……珍しいですね」

驚いたような声でそう言う。

「んなっ!そんなことないよ!私だって、たまには考え事ぐらいするんだからね!」

(あ、自分でたまにはって言っちゃうんだ……)

「とにかく!その箒貸して、少しだけ調節してくるから!」

そう言うと、家の中に戻ってしまった。怒らせてしまっただろうか。

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