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死なない魔女の日常譚  作者: 夕張時雨
十四章 家を増築します
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家を広げることにしました

アヴァロンから帰ってきて一週間ほどたった頃。

「そーいえば、レイラって自分の部屋要らないの?」

突然、師匠がレイラちゃんにそんなことを聞いていました。

「うーん……今のままでも困ってないし、別にいいわ」

「そっかー……ならいいや」

「何かあったんですか、師匠?」

「え?いや、そろそろこの家も増築しようかなぁ……って。レイラって、来てからずっとクエルの部屋で寝てるでしょ?」

あと、単純にもう少しスペースが欲しい。

と、付け足していました。

「私はいいと思いますよ?広くなるのは嬉しいですし」

(レイラちゃん、たまに夜中寝ぼけて私の魔力吸ってるし……)

「で、でも……広いと掃除とか大変だし……」

「あれあれー?もしかして、一人で寝るのが怖い……とか?」

ビクっ、とわかりやすく反応するレイラちゃん。

「そ、そそそそんな訳ないじゃない。何を言っているのかしら?」

動揺してるのがバレバレだよ……。

「ふーん……じゃあ、問題ないね。ということで、今日から増築していこっか」

ニヤニヤしながらレイラちゃんをいじっている師匠を見て、変わらないなぁ……と思いました。

「で、増築はどうやっとするんですか?材料とか、作り方とか……」

「材料は森から取ってくればいいし、作りかたなんてただ木を組んでいけばいいだけでしょ?」

雑極まりない……そんなので、本当にいいのか……

「ね、ねぇ……増築するのなら、そういう人に頼んだ方がいいんじゃないかしら?」

「そうかなー?現にこの家も二人で(・・・)建てたしなー」

二人……アスモさんとかかな?

でも、それを聞くのはなんだかいけないような気がして、結局聞けなかった。

「でも、建ててる間どこに泊まるんですか?まさか野宿とか言い出すんじゃ……」

「え?クエル野宿がいいの?もー、しょうがないなー。弟子の願いだし、しなきゃいけないなー」

うっ……露骨な棒読みやめてくださいよ……

「えー、あたしはイヤよ?外で寝るなんて。ましてや、二、三日程度じゃないんでしょ?」

「うーん……じゃあ、村の宿屋しばらく借りる?」

「あたしはそっちの方がいいわ」

「私は……たまには、外でってのもいいと思います」

「まぁ、そんなに長い時間は要らないと思うからね。たまには、そういうことをしてみるのも楽しそうだね……と、いうことになったけどレイラはどう?」

「あ、あたしは……それでもいいわよ。というか、この状況で嫌って言えないじゃない……」

少し目を背けて、照れながら言うレイラちゃんはすごく可愛いです。

「じゃ、明日は材料とか取りに行こうか。もちろん、建ててくれる人は私の方から頼んでおくよ」

その日のご飯は、少しだけ豪華にしました。

なんだかんだで、優勝祝いしてませんでしたからね。


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