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死なない魔女の日常譚  作者: 夕張時雨
六章 師匠が料理を作るそうです
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ローリスの行き先

今、私は魔族の国「アヴァロン」にいます。

「はぁ……で、話ってなんなの?アスモ。こんなに朝早くから呼び出して……しょうもない内容だったら怒るよ?」

「そうじゃな、アヴァロンの一大事……と言っても過言ではない事じゃ」

当の私は、アスモから朝早くに呼び出しがかかって御機嫌斜めだけどね。朝は苦手だって言ってるのに。

「国の一大事……ねぇ。どうせ、あいつ(・・・)が風邪ひいたーとかそんな感じでしょ?」

「……………なんで分かったんじゃ?」

はい、私の思った通りでした。

「だと思ったよ、最近呼び出し来ないからおかしいと思ってたら……ちょっと待ってて、薬箱取ってくるから。あと、クエルとレイラも連れてくる。せっかくの機会だしね」

「ほぅ……今度はレイラちゃんという子が住み着いたのか。ほんとにお人好しじゃの、ローリスは」

ケラケラ笑いながらそう言ってくるアスモに、私は笑ってこう返した。

「そそ、吸血鬼の子なんだよ。私より身長が低くてかわいいんだよ。生意気だけど」

「そうかそうか、それはよかったのう。しかし、こうしてみると本当に変わらんな。ローリスは」

「まぁ、これでも不老不死だからね」

こんな見た目でも500年生きてきたのだ。いろんな経験もしている。

「あの頃は本当に大変だったのう……」

「……そう、だね。あの大戦(・・・・)ではたくさんの大切なものを失ったから」

そう、本当に大切だったものすら守れなかった自分が恨めしい。憎い。不老不死の魔女でも、一度死んでしまった人は助けられない。それ以上に彼女(・・)がいない日常が寂しくて辛かった。

「ま、そんな悲しい顔をするでないぞ。お主は今を生きているんだからの」

「うん……そうだね、とりあえず一旦帰るね。またすぐ向かうから」

私は、手を体の前に突き出すとそこに真っ黒な空間を開き、そこに入った。




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