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死なない魔女の日常譚  作者: 夕張時雨
五章 吸血鬼と森の中で会いました
14/45

とりあえず、家に連れて帰りました

一旦、レイラちゃんを家へ連れてきたのはいいものの……

「と、とりあえずなにか飲む?」

「……………………」

機嫌を損ねてしまったのか話すらしてくれません。

「あれー?クエル、お客さん?」

師匠が起きてきた瞬間、レイラちゃんが目にも留まらぬ速さで師匠に近づきカプリ、と首筋に噛みつき、そのまま血を吸い始めます。

チュウチュウ……チュウチュウ……

「ふぅ…危なかった。その…なんて言うか…ありがと」

と、ボソッとレイラちゃんは師匠にお礼を言ったが、当の本人は倒れていた。吸われ過ぎによる貧血だろうか。

「うわぁー!師匠、大丈夫ですか?生きてますか?」

「な、なんとか……ただ少し休ませて……」

師匠をベッドに寝かせ、そのまま話を続ける。

「まぁ、そんなことは置いといて……この子は誰?」

「あぁ、この子はレイラちゃんで森の中で迷子になってる所を拾いました」

「だから、迷子になんてなってないってば!散歩してただけだって!」

頑なに認めないなぁ……そんなに迷子ってことを認めたくないのかな。

「じゃあ、なんでレイラちゃんは森の中を散歩してたの?」

「うっ……そ、それは……その、家を追い出されちゃって……」

えっ!それって、捨て子?になるのか分からないけど、ダメじゃない?

などと考えていると、私の思考を察したように師匠が声をかけてきた。

「まぁまぁ、クエル落ち着いて。どうして、レイラちゃんは家を追い出されたの?」

「だから、子供扱いしないでってば!貴女も、どうせアタシより年下何でしょ!」

あ、聞いちゃいましたね…

「え?逆にレイラちゃんは何歳なの?八歳ぐらいかな?」

「んなっ!百歳よ、ひゃくさい!見た目だけで判断しないで!」

「そっかー、じゃあ私の方が年上だねー。私は五百歳なんだよー。見た目じゃ年齢は分からないねー」

と、師匠はニヤニヤしながら言っていた。我が師匠ながら、性格の悪いことだ……。

「それで、もう一回聞くけどレイラちゃんはなんでお家を追い出されたの?」

「そ、それは……」

「それはぁ?」

「…………から」

「え?聞こえないよー?」

そのくらいにして上げましょうよ……師匠

「女の人の魔力しか受け付けないから……」

意外にもすごく重い理由でした。

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