表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死なない魔女の日常譚  作者: 夕張時雨
五章 吸血鬼と森の中で会いました
13/45

森の中で誰かに襲われました(物理的に)

私が、箒をもらってから一ヶ月程経ちました。まだ少し操縦に不慣れなこともあり、ふらついてしまいますがそこそこには乗れるようになってきました。

その日も日課の森で薬草を取るということをしています。

「ふぅ……今日もたくさん取れましたね。やっぱり、平和が一番ですね……」

私がそう言った瞬間、視界が反転しなにがなんだかわからないなにかに押し倒されていました。正体不明のなにかは二本の小さい牙で私にかみついて来ようとしてきます。

「えっ!?ちょっ、どいてください!」

私が必死で抵抗すると、割りと簡単に抜け出せた。意外と力はなかったのかな。

「はぁはぁ……ちょっと!いきなり何するの!びっくりしたじゃない!」

私が顔をあげると、そこには闇蝙蝠のような小さい翼の生えた六歳ぐらいの女の子が立っていました。着ている黒と白のモノクロ調のワンピースも、森の中では違和感でしかない。

「ふ、ふん!折角、お姉さんの血を吸ってあげようと思ったのに…いいもん!」

私の血を……?ってことはこの子吸血鬼なのかな?

「ちょ、ちょっと待って!あなた、こんなところで一人なの?あ、もしかして迷子?」

「そ、そんなのじゃないわ!てか、子供扱いするのやめてよ!これでも百年は生きてるんだから!」

吸血鬼ちゃんは私より年上のようです。

「で、お名前は?私はクエル、あなたは?」

「あ、アタシは……レイラ=ネプリス。高貴なるネプリス家の吸血鬼よ」

どうやら、この子は魔界でも有名な血筋らしい。魔界のことはさっぱりわからないけど、アスモデウスさんに聞いたら教えてくれるのだろうか。

「そっか、じゃあレイラちゃんはどうしてここで迷子になってたの?行くとこないなら、うちに来なよ」

「だから、子供扱いしないでってば!それに迷子じゃないもん……ただちょっと散歩してただけ!」

と、涙目でレイラちゃんは言っていた。魔族がこんなところにくるわけないし、十中八九迷子なのだろう。

そう判断した私は、一旦レイラちゃんを家に連れていくことにしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ