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第15話

 皆のステータスを一通り確認した後、自分のステータスも、やはり気になって、一応確認してみる。


 期待半分、期待を裏切られ、ガッカリしない様に、


「どうせ、俺だけ【レベル】1なんだろうなぁ……」


 などと、予防線を張るのも半分。


 いや、あの時、虹の光の中で移譲された知識が確かなら、相当良いステータスになっていないと、おかしい……筈。


 躊躇いつつも、ステータスをオープンする。




□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


【名前】ルイ・アリス

【年齢】0歳

【種族】亜$種・人$

【称号】ダンジョンマスター・ランクF(ダンジョンランクA【レベル】2000)

【レベル】100

【スキル】モンスター創造・浮遊魔法・念動魔法・限定転移魔法・意思疎通能力・ダンジョン改変


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■




 今回も、突っ込みどころの多いステータスだ。


 ダンジョンランクA【レベル】2000、これはいい。

 移譲された知識と同じだ。

 魂の融合が、完全に終了した為、俺の一部であるダンジョンの、レベルと、ランクも表示されている。


 でも、$って何? 読めないよ……?


 あと、ダンジョンマスターとダンジョンの、ランクとレベルは、一緒のはずでしょ?

 俺の中では、そういう知識になってるけど?

 虹色の玉(ダンジョンコア)が、俺に知識を移譲した時、間違ったの?


 だって、

【ダンジョンレベルは、ダンジョンマスターのレベルと同等である】

【なぜなら、ダンジョンはダンジョンマスターの一部と解されるからである】

 って、言ってたよね?

 その後だって、ランクや、領域に関する説明を長々と聞いた時、ランクは同じだって聞いたぞ!

 聞いたぞ!

 俺は、クレーマーでは、決してない!

 だって、本当に、聞いたんだ。


 しかも、$ってなんだ?

 繰り返すが、読めないぞ!

 【種族】亜$種・人$って何なんだ?


 ふざけてるの?

 責任者呼べ!

 いや、呼ばなくていい。

 ゴメンナサイ。

 神様が責任者で、わがままクレーマーには天誅とか、ノーセンキュウで。


 しかし、推測の域を出ないが、俺も、眷属同様に新種族なのだろう。

 たぶん、基が人間で、ダンジョンマスターになった者の種族かな?

 亜神の魂も入っているし$とは、神様語かな?

 まあ、害は無いのだろう。

 良いや。気にしない。気にしない。




 ……でも。

 ランクと、レベルの方は?


 何故、俺とダンジョンの、ランクやレベルが違うのか?

 魂の融合は終わっているのに……。

 なぜなら、虹色の玉(ダンジョンコア)が光の中で【ただいま魂の融合が終了しました。全ての能力、その他一切あらゆるものは、移譲されました。これより、魂と肉体のシンクロを行います】と言っていたから間違いない。

 その言葉の後、急に不思議な力が俺の中に流れ込んで来て、その力が、じんわりと俺の中に広がって行ったのだ。


 しかし、考えてみれば、僅かばかり、原因に心当たりがある。

 ウツボモンスターのカルーバだ。

 あのカルーバのせいで、魂と肉体のシンクロを途中で邪魔されたからだ。

 あの時、ものすごい衝撃で、突然眠りからか叩き起こされた様な感覚があった。

 魂の融合は完全に完了したが、まだ上手く身体に馴染んでいないのだろう。


 恐らく、あの痺れた様な、麻痺の感覚は、その為だろう。

 途中で、強引にシンクロを止められて、副作用的にあの様な状態になったのだろう。

 それならば、カルーバに毒性が無いことも、得心が行く。


 ダンジョンのランクとレベルが正常。

 魂の融合は完了して、虹色の玉(ダンジョンコア)から、その力はすべて移譲を受けている。

 この事実から、本来の俺のランクとレベルは、ダンジョンと同じで、まだ引き出されていない力が、身体の中に眠っていると言う事だろうか。


 しかし、それが事実だったとして、どうすれば良いと言うんだ?


 医者に相談でもするのか?


「あのぉ、俺のステータス、レベルとランクが、ダンジョンのそれとは違うのですが……」


 現実的ではない。

 頭がおかしいと思われて、笑われて終われば、僥倖。

 下手すりゃ、入院、監禁コース。

 さすがに、この世界でそれは無いのかな?

 いや、逆に有るのか?


 ……しかし、困ったものだ。

 単純に、俺とダンジョンのレベル差を、数字上から見ても、力の二十分の一ほどしか、解放されていないのだろう。

 だからと言って、良い解決策もなし。




 ……。




 しかし、考えてみれば、特に不自由している現状では無いし。

 ……まあ、良いか。


 先送り、決定としよう。そうしよう。




□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■




 俺が、ステータスを見て、一人悶々としている間に、眷属たちは、服と装備を身に着け終えていた。


 俺が皆の所に近づいて行くと、すぐさま跪く。

 おお、似合っているではないか、などと声をかけ様と思ったところでボーンが、


「我が至神たる天帝様。発言をよろしいでしょうか」


 と発言の許可を求めてきた。


「許す」


 俺は鷹揚に応じるが、この場合、許さなかったら、どうなるのだろう?

 もちろん、ボーンが黙って、ハイッ終了。だろうな。


 眷属が発言の許可を求める時、意味の無い事など、無いのだろうと思う。

 特にこのボーンはそんな感じがする。

 であれば、理由も無く発言を止めさせるのは、愚か者のすることだ。

 そして俺は、愚か者ではない! ……たぶん。


 ボーンは、俺から下賜された物が、いかに価値ある物か。

 そして、その様な価値ある物を下賜された、感謝の気持ち。

 更に、その価値ある物が、いかに優れているかを、俺に、報告したかった様だ。

 

 その為か、事細かに効用、付属する装飾まで、俺に説明して来る。

 最初は俺も興味があったから、「なるほど」「そうか」「ほうっ」などと相槌を打っていたが、あまりにも細かい説明で、だんだんと面倒になってきた。


 思わず。

「説明は、適当でよい」

 と言いそうになる。


 しかしここで、ふと日本で経験した思い出が、頭をよぎって思い止まった。


 嫌な思い出だ。

 そう、嫌な思いで代表、あのブラック企業。




 ある日、重要なプロジェクトだったので仕事に万全を期そうと、俺が、上司に懸案部分の処理方法について最終確認に行くと、

 面倒くさそうに、

「それぐらい適当にやれよ! 解るだろ、それくらい!」

「見て解るだろうが! いま忙しいんだよ!」

 そう言って俺を追い返した。

 忙しい理由は、キャバクラのお姉ちゃんに電話をかける為。

 そして、俺に適当にやれと言っておいて、その後、問題が発生すると、

「なに勝手な事やってんだよ! 解んなきゃ相談しろ! クズがっ!」

 と言っていた上司を思い出した。

 もっともその時も、問題となった部分は、上司の受け持ち部分のミスだったのだが。




 報告は、きちんと最後まで聞いてやるべきだろう。

 相手に誠実さを求めるのであれば、当然のことだ。


 そう思い直して、俺は、ボーンの報告を真面目に聞く事とした。

 何が変わる事もなかったが、姿勢の問題なのだろう。

 誰かと関わる時の、姿勢の問題。

 立場が違えばこうも違うものか。

 あの時、ああいう経験をして良かったのかもしれない。

 だからこそ、いまの俺があるのだから。


 まあ、あの上司に感謝などしないが!


 取り敢えず、眷属たるボーンの誠実な姿勢と、その忠誠心を大切にしようと思う。

 それは、当然、他の眷属たちに対しても、言えることでは有る。


 それにしても、様々なマジックアイテムを装着して、仕立ての良い大きなローブを羽織り、自信の背丈よりも長い杖を持つボーンは、前にも増して、迫力がある。


 禍々しい空気が十割り増しだ。


 ちなみに、他の皆の装備は、


 エルフのロンドは、肩が出ていて、首元で服の前部分を合わせるデザインの、下に行くほどゆったりした白い服。

 胸から腰まではピッタリとして、身体のラインが良く解る。

 腰の付け根までスリットが入っていて、太ももや白い下着がチラチラ見える。


 見てないよ? たまたま、視界に入っただけ……。


 ちなみに背中は開いている。

 そして、胸の前では、青い宝玉が浮いていて、その宝玉から、胸、二の腕、背中をグルリと一周する、帯状の青白い光が三本浮いている。

 その他にも、指輪などのアイテムが多数。

 芸術品としても通用する、翡翠色の弓を装備している。




 ダブルエルフのシルバが、黒い首輪のような襟と一体型の、ネックビキニで、首元から胸まで編み目になっている。

 二の腕と手首には、金の腕輪をつけている。足首にも大きな金の輪がある。

 Tバックに近いデザインの、ビキニパンツと透けるほど薄い生地の前垂れ。

 前垂れと同じ生地で、前が開いた、大きめの腰巻スカート。

 乳房下部とパンツ部分は、華麗な細工の金属で補強がなされている。

 太ももまでの黒い網タイツを穿いており、網には魔力を通すと、高い効果があるらしい。

 そして、ヒール部分が高い、黒と金のヒールブーツ。

 剣身の中心が赤い、自らの身長よりも大きい黒剣を背中に装備している。


 まるで、ビキニアーマーの様だな……。

 シルバの場合は、エロくない……俺にとっては、ちょっと怖い。




 翼人のエルが、白と金の、ファンタジーに出て来るような、大きな神官風帽子と、ゆったりした神官風の服。


 服は、たしか、アルバとカズラと言うのだったかな?


 先端に大きな宝玉の浮いたスタイリッシュな杖を装備している。




 チーター人獣のスピードが、前を開けた臍までのベストに、肘から指先までの手甲。

 黒い膝下までブカブカの忍者風ズボンに、不思議な光を放つ金属を張り重ねた、ブーツを履いている。

 背中には二本の太刀をクロスさせて装備している。


 スピードは何気にカッコイイ枠か?




 ドワーフのビアードが、蒼く輝くアックスに、白銀の騎士風、全身甲冑と盾の装備。


 一番盾役っぽい。

 ……一度不採用にした案だけど、どうしようか?




 鬼人の鬼丸が、赤と黒の武士風甲冑。

 そして、鬼丸の背丈より、長く、先端のヘッド部分が巨大なメイスの装備。


 メイスが、昔話に出て来る、鬼の棍棒にかぶるな。

 金属製のメイスだから、鬼に金棒が近いかな?

 鬼丸は、期待を裏切らないな。




 金獅子のレオが、……特に無し。


 ちょっと、しょんぼりして見えるのは気のせいか?

 いや、気のせいでは無いだろう。

 レオと繋がっている意識から、明らかに、しょんぼりが、伝わってくる。

 しかし、獅子の装備など、思いつかない。

 ……可哀想だが、保留にしておこう。




 こんな感じだろうか?

 細かくはもっと色々あるのだが、見ても良く解らない。

 聞いても覚え切れない。

 そして、記憶力の限界的に把握しきれない。


 ……まあ、いいか。



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