9、エルフと行商人と不良冒険者
視点が何度が移動します。
※後半、すこし残酷な描写があります。苦手な方は飛ばしてください。
†
ガラハド大森林帯に伸びる街道は、お世辞にも整備されているとはいいがたい。貴重な素材や物資の宝庫である森と人間の街をつなぐ生命線とも言うべき街道であるはずなのに、人間の王はそれを整備する金をケチって、放蕩にふけっているに違いないのだ。何とも救いようのない種族だな。人間という奴は。
4台の荷馬車が街道をガラハド方面に向かって進んでいる。荷台には様々品を満載させて。
ガタンッ
これで35回目である。荷馬車の車輪が大きな石に乗り上げ、激しく私の尻を打つのは……
「まったく、これだから、人間は―――。」
私、ザハル・クリークはもう14度目になる愚痴を呟く。
私は、偉大なるエルフの大集落、エルドランの民。そして、今回、初めて近隣の村々への使者として抜擢された。これまで人間の街エイラムに遊学中だったが、急遽の抜擢だった。私の父が、次期集落長となることからも、当然の人事だといえよう。
ただ、納得いかないのが、付き人が一人もいないことである。いるのは人間の行商人とその従業員、御者たち。それから護衛の冒険者どもだけだ。しかも、どいつもこいつも人間か獣人と来ている。これまで3度の野営をしているが、毎回出される食事とも言えない物に、辟易している。
「おい、ウリリ。あとどれくらいでガート村に到着する?」
ウリリと呼ばれた人間の行商人は、常に笑顔で話し方が癪に障る小太りの女だった。一応、こんなのでも、この商隊の主らしい。
「今回は魔物とも会いませんでしたのでぇ、明日のお昼前には到着できるかと思いますぅ。ただ、残念ながらここからは宿営地などがございませんのでぇ、また野営となりますがぁ……」
「ちっ……」
また、あの固い肉を齧らねばならんのか……忌々しい。
イライラとしながら、ふっと後ろに積まれている荷が目に留まる。
それは、一際豪華な衣装箱だ。思わず、笑みがこぼれてしまう。これはエイラムの街でも最上級の店で購入した物だ。きっとアイリーンも喜びに打ち震え、私を惚れ直すに違いない。
日が傾きウリリ含め、人間どもが野営の準備を始める。たき火が焚かれ、冒険者たちが見張りに立つ。行商人たちは荷の確認と馬の世話をしている。
ふん……私への労いの言葉もないとは、常識のない奴らめ。だが、私は身の回りのことが自分でできないほど、無能ではない。鞄から木製のコップを出す。
「万物の母 清らかなる水よ 我が手に 『ウォータ―ボール』」
ふぅ……うまい。どうだ人間ども。偉大なる水魔術の使い手である私は、このようなことも造作にないことなのだ。ふん……羨ましそうに獣人の冒険者の男がこちらを見ている。卑しいやつめ。
†
ガート村まで後もう一歩ですねぇ。ここまで何事もなくて何よりですぅ。もし、魔物になんて襲われたらと思うと怖くて怖くて……。それを皆さんに行ったらぁ、冒険者さんたちに笑われてしまいましたぁ。あはははははぁ。本当に怖いんだけどなぁ……。
おっと、自己紹介が遅れましたぁ。行商人のウリリと申しますぅ。シャール王国出身でガラハド大森林帯周辺の村々との交易で口を糊しておりますぅ。見てくれは決して良いものではありません。お腹だってぷにぷにですしぃ、喋りがトロいって言われますしぃ、23歳にもなって彼氏がいたこともないですしぃ……。あぁ、だんだんと悲しくなってきましたぁ。
「ライキさぁん、リーグさぁん、積荷のチェックが終わったらぁ、こっちへ来て、夕食の準備をお願いしますぅ。馬の世話は私がやっておきますからぁ、御者さんたちもぉ、ゆっくりして下さいねぇ。」
この従業員の二人は、本当によく働いてくれますぅ。この行商が終わったら、給料アップを考えましょうかしらぁ。
「ウリリさん。これからの進路について話があるんだが、ちょっといいか?」
なんでしょう?冒険者のリーダーさんが私を呼んでますぅ。この冒険者さんたちも、本当に頼りになりますぅ。皆さんが目を光らせていたおかげでぇ、魔物にも襲われずに済みましたぁ。本当に感謝ですぅ。
「はいはぁい、なんでしょうかぁ?すぐ行きますからぁ。」
「おい。ウリリ。そんなことより、ちょっと来い。まさか、また野営の食事は干し肉なんじゃないだろうな?あれは、もはや食べ物とはいえん!ゴミだっ!顎を鍛えるならその辺の石にでも齧りついた方がましというものだっ!!他の物を用意しろっ!!」
はぁ……また、ザハルさんが無茶な要求を……従業員のライキとリーグが無言で応援してくれてますぅ。まぁ、うちの商隊と一緒にガート村まで一緒に行きたいといった時はぁ、ついでだからと引き受けましたがぁ、少額のお金しかもらってませんしぃ、文句が多いしぃ、本当に困った人ですぅ。
「は、はぁい! リーダーさん、ごめんなさいぃ。ザハルさんがお呼びなのでぇ、それが終わってから行きますぅ。本当に、ごめんなさいぃ。」
丸いからだをポヨポヨと揺らしながら、ザハルさんと所まで走りますぅ。だって、走っていかないと怒るんですもん。あと人ぉ。
「ウリリ!早くしろっ!いつまで私を待たせればいいと思っているっ!!」
「は、はいぃ!!今行きますぅ。走っていきますからぁ……。はぁ……。」
この人、とっても苦手ですぅ。
†
野営の準備は順調に終わった。俺たち冒険者は、人目を気にしながら集まっていた。幸い、ウリリたちは忌々しいクソエルフに振り回されており、こちらを気にする様子はない。
「リーダーっ!!もう許せませんって!あのエルフっ!!もういいでしょ?殺っても!!」
猫獣人の男、ジャジャは声を荒立て、俺に詰め寄る。
「声を落とせ。もう少しだ。もう少しだけ待てば、好きにしていいぞ!」
「あの野郎、オレに見せつけるように魔法で水を出しやがった。オレたちに獣人が魔法を使えないからって見下しやがって……」
「あぁ、自分もそろそろ我慢の限界だ。まぁ、行商のウリリには悪いことだと思うが……。」
普段温厚な人間の斧使いバートンも不満を口にする。
「皆、落ち着け。日が完全に暮れてから決行だ。まずは、ウリリをこちらで抑える。その後は、あの従業員2人と御者4人、それからエルフをやれ。まぁ、今までの恨みを晴らすならやってもいいが、相手は腐ってもエルフだ。魔法には気をつけろよ。」
「解ってるって、リーダー。今、他の連中の監視はオーオンがやってる。日が早く沈まないか待ち遠しいぜっ!!」
ジャジャが不敵な笑みを見せている。
もう俺たちは引き返せねぇ……潮時って奴だ。思えば、若いころ調子に乗って無茶やって……そのまま粋がって、冒険者始めちまった。
その日が面白けりゃそれでよかった。はぁ……もうちょっと将来の事とか、考えるんだったよな。
クソっ!もう日も落ちやがった。いよいよ俺たちは冒険者を辞めるんだ。これでもう……。
「おーい、ウリリさん。もうそろそろ明日以降の打ち合わせをしたんだが、こっちに来てもらえるか?」
俺は、上ずりそうになる声を抑えて、ウリリを呼ぶ。
「す、すみませんっ!もうちょっと、待ってて下さいねぇ。ザハルさんがまたお呼びなのでぇ……」
ちっ……あのクソエルフめっ!どうせ干し肉が固いと訳の分からない言いがかりをつけてるに違いない。
「い、いいですよ。そっちが終わったらこっちに来てください。安全に関わることなんで、我々も早く打ち合わせしたいところですが……」
ま、まぁいい。焦ることはない。まだまだ夜は長いんだ。
「り、リーダー……押し、弱くないっすか?」
ジャジャが苦笑して俺を見てる。
「うるせぇ……」
俺は、何とかそれだけ言葉を吐き出せた。
『なんだこれはっ!!干し肉以外のモノというのはこれかーーっ!!なんだこれは――パ、パン!?
こんな歯が折れそうなパンがどこにあるっ!!もっとフワフワなパンを寄越せーっ!!』
ウリリがこちらに来るまで、まだ時間がかかりそうだ。どこかホッとしている自分がいた。
†
今、俺は荷台の上に陣取り、見張りと称して、行商の連中を監視している。そろそろ、決行の時間のはずだ。ちっ……リーダー何してんだ!?連中の監視なんてつまんねぇ仕事を押し付けやがって。男は殺して、女は奴隷ってか♪いいねぇ~♪待てよ……女はあのウリリっていうデブな女しかいねぇじゃねぇかよっ!あんなもん売れるのかね……。
この辺りはガラハド大森林帯の外輪部にギリギリ入り込んでいる。今までと違って魔物に襲われる危険も上がってるっていうのに……はぁ、ついてくリーダー間違ったかねぇ……これで俺たちも盗賊かぁ……冒険者になって10年、全く稼げなかったからなぁ……
ん?今、あっちの木が揺れたか?……良く見えねぇな。たき火しか明りがないから仕方ねぇか。ランタンをつけるにも油が勿体ねぇしな。あっ……また、揺れたか?気のせいじゃないみたいだな。一応、リーダーに報告しておくか。
「リーダ……」
ザクッ
あ、あれ?視界が回転して るぞ……
荷台から 落ちた か? 目の前に
ゴブ リ ン
最後に見たのが、ゴブリンって……ついてねぇな。
†
最初に、異変に気付いたのは馬だった。落ち着きなく地面を蹴り込む。4頭の荷馬が嘶き、御者たちが宥めに行く。しかし、御者たちは何が起きているか全く理解できていなかった。
Gegyagya!! Gegyaaaa!!!
野営地の周囲から醜悪な声が響き渡る。
次に、パラパラと貧弱ながら矢が襲い掛かり、野営地は騒然となる。
ウリリとザハルはその時、丁度、荷馬車の荷台で何か食べ物を探していた。それがこの2人の運命を変えることになる。
「ゴブリンの襲撃だーーーっ!!多いぞっ!!」
これは冒険者のリーダーの声だ。
勇敢にもゴブリンの群れを迎え撃っている。他の冒険者も同様だった。
しかし、他の御者や、従業員たちは違った。混乱する戦場。逃げ惑い、ゴブリンの矢に、粗末な短剣に、その身を貫かれ、倒れていく。冒険者たちも奮闘し。2匹3匹とゴブリンが倒されるが、相手の勢いは止まる気配はない。冒険者1人に対し、ゴブリンたちは3匹、4匹で囲んで、狡猾にも死角から少しずつ攻撃を仕掛けていく。
「クソがーっ!!ゴブリン風情にっ!!痛っ!!クソっ!オーオンっ!!無事かーっ!!」
山猫獣人のジャジャの声が薄暗い野営地にこだまし、すでにこと切れている仲間の名を呼ぶ。
「逃げろっ!!お前らっ!!近くの荷馬車に乗れっ!!村の方向は解ってんだ!逃げるぞっ!!」
リーダーが近くの荷馬車の御者席に乗り込み、馬にムチを入れる。
竿立ちになりそうになる馬を必死に抑えて、リーダーが馬車を急発進させていく。
「リーダーっ!!待って!!痛ぇ…痛ぇよ……」
「おいっ!!ジャジャ!こっちへ来いっ!そっちの荷馬車は馬が死んでる!!生き残ってる他の者!
生き延びたかったら、こっちへ来いっ!!脱出するぞっ!!」
斧使いのバートンが呼びかける。しかし、動いているのは忌々しいゴブリンの群れとジャジャのみ。
何とか二人は荷馬車に乗り込み、ムチを入れる。
急発進する荷馬車。
残されたその場には多くの死体が横たわり、ゴブリンたちがその死肉をあさっている。その地獄絵図のような惨状をたき火の炎だけが照らしだしている。
「はぁ……はぁ……バートン……助かったぜっ……はぁ……はぁ……」
「ジャジャ、どこかやられたか?顔色が悪いぞ。」
荷馬車を走らせるバートンはちらりとジャジャの様子を見る。
腹からは何度も短剣で抉られたのか、どす黒い血が御者台を濡らしている。その背にも2本の矢が突き刺さっている。すでに、ジャジャの顔は土気色をしており、すぐに手当をしないと手遅れになるだろう。しかし、ここにはそんな都合のいいものはない。
「痛ぇ……クソ……ゴブリンめ……今度会ったら殺してやる……」
「ジャジャ……もう、喋るな。後ろの荷台に行って横になってろ。村に着いたら起こしてやる。」
「す、すまねぇ……バートン」
よろよろと荷台に移動するジャジャ。バートンも薄々気づいていた。もう長く持たないだろうと。
「うぐっ……」
後ろから、ジャジャが呻くような声の後、横になったのかドサっと音が鳴る。
暗闇の森の中、馬車がかけていく。それも、明りもなしに……。
いくら街道があるからといっても、それは困難な作業だった。
バートンはしばらく馬車を走らせた後、脇に停める。ランタンの明りをつけるためだ。
ここまで来れば、ゴブリンたちも追ってきてはいないと信じて……。
「ジャジャ。もうちょっとの辛抱――。」
ランタンを取り出すために御者台から荷台の方を振り向いた。
そこには、赤く光る眼が4つ。
次の瞬間、喉が焼けるように熱くなる。気付くと、喉から短剣の柄が生えていた。
肺にゴポゴポと血が入り込み、悲鳴も上げられない。息が吸えないようだ。
バートンは崩れ落ちる。
目の前にあったもの。それは惨たらしく殺されたジャジャの死体だった。
†
「クソっ!!クソっ!!クソーーーーっ!!!」
悪い事というのは、運がない奴に続いて起こるらしい。俺は、馬車を走らせながら、森の中をさまよっていた。ようやくゴブリンの襲撃から逃げ出せたと思ったら、現在地が解らくなっていたのだ。それは、そうだろう。夜の森を明りもなく、荷馬車を飛ばしていたのだから。
暗い森の中、馬車を止める。荷台の方で、物音がしたからだ。
まさか、ゴブリンが乗り込んでるのか!?
「おい!!そこにいやがるのはゴブリンか!?でてきやがれっ!!」
俺は暗闇の中の荷台に向けて、必死に声を張り上げる。
「ひひぃぃ……ごめんなさいぃ。ごめんなさいぃ。殺さないでぇ…殺さないでくださいぃ……」
出てきたのは行商のウリリと――
「ふ、ふん!!ご、ゴブリン風情に遅れを取りおって……。」
クソエルフだった。
ゴブリンじゃなかったことは行幸だったが、どうするか……こいつら。
「おい。ウリリ!ランタンを出せ。荷馬車を走らせたが迷った。ここがどこか解るか?」
もう丁寧な口調で話してる余裕はない。
「あ、あのぉ、リーダーさん。ランタンはそこに掛かっていますぅ。油も詰め替えてるので大丈夫なはずですぅ。」
「冒険者のくせに、ゴブリンなんぞに――。」
「うるせぇっ!!クソエルフ!!少しは黙れっ!!」
しつこく愚痴るクソエルフに、ついにブチギレる。いや、殴り殺さなかった俺は、まだ温厚だろう。
「なっ!?だ、誰に向かってっ!だ、だれに……」
「あ、あのぉ……ザハルさんもぉ、リーダーさんもぉ、お、落ち着いてぇ。
ここはぁ、たぶんですけどぉ、ガート村の近くまで来てると思いますぅ。
街道からは大分外れちゃってますけどぉ……立ち木に注意してぇ、あの大きな木の右側を目指せばガート村のはずですぅ。」
さすがに何度もこの辺りを行き来している行商だけある。こんな森の真ん中でも、位置を把握できるらしい。頼りない喋り方だが、人間見た目ではわからないもんだ。
それに比べて、あのクソエルフはなんだ!?森の民が森で役に立たないなんぞ、笑えねぇ……。
俺は大きく深呼吸して、ランタンの明りを灯し、ウリリに道案内をさせる。
クソエルフは――無視だ!無視っ!!
「これから、ガート村へ向かう。もしかしたら、他の奴らが生きているかもしれねぇ。
村の奴らに助けを請う。それでいいな。ウリリ。」
「は、はいぃ。そ、それでいいと思いますぅ。リーダーさん。」
「は、早く村へ連れていけっ!私をこんな危険に晒していいと思っているのかっ!!」
あぁ……無理、無視できねぇ……
「うるせぇ!!積荷は黙ってろっ!!俺の雇主はウリリだ。お前は積荷でしかねぇんだよっ!!
気に入らねぇなら、今すぐ降りろっ!!落ちた荷物まで守る契約はしてねぇからなっ!!」
「なっ!?なっ!?何を言っているっ!!不愉快だっ!私は不愉快だぞっ!!!ウリリに言って解雇してもらうぞっ!!それでもいいのだなっ!!」
「もうっ!!いい加減にしてくださいぃぃぃ!!!」
耳がキーンとなる。予想以上の大声だった。
ついにキレたウリリが絶叫したのだ。
「ザハルさん。今、リーダーさんが居なくなったらどうするんですか?
今度魔物に襲われたら逃げられるんですか?
今だって、リーダーさんのおかげでここまで来られたんですよ?
ザハルさんの魔法でなんとかなるんですか?
なら、ゴブリンたちが襲って来た時何してました?
私と一緒に震えてましたよね?そうですよね?私見てましたから。
それに、ザハルさんは格安でガート村にまで乗せていってあげてるんですよ?解ってます?
相場では500Gの所を、なんだかんだで半額にまでにしてるんです。
それで文句を言うとか、どんな神経してるんですか?
それに、食事の時もそうです。本当は、野営の食事は各自用意するんです。
それなのに、その準備すらせず、こちらの好意で分けてあげたら干し肉が固い。パンが固いと。
干し肉や乾パンが固いのは当たり前です。もう意味が解りません!!
どうせエイラムへ遊学といっても、親のお金で遊んでただけでしょ?
何もできないのに、そんな生活をして自分が偉いとか勘違いして。恥ずかしくないんですか?
と・に・か・く!!これ以上、何か言うのはやめてください。いいですね?
本当に、ここに置いていきますからねっ!!」
おおぅ……俺が言われたら、泣くかもしれん。完全に目が据わってるぞ。
「りょ、了解した……」
クソエルフは、涙目でそれだけを絞り出すと静かになった。
「あ、あの……リーダーさん。ごめんなさいぃ。わ、私ぃ、ちょっと熱くなっちゃいましてぇ……」
急に、自分のやったことを振り返り、あわあわしている。
「い、いや、すっきりしたよ。ウリリさん。
俺の名前は、エギルだ。リーダーさんってのはやめてくれ。
それに、さっきの大声で魔物が寄ってこないとも限らない。今すぐ出発しよう。」
「わ、解りましたぁ。エギルさん。すいませんですぅ。」
俺たちは、急いで荷馬車に乗り込み、ガート村を目指した。
最後まで読んでくださってありがとうございます。