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13、ユウマのとある一日

本日は2話投稿。こんなこともたまにはあります。たまにですが……

 †



 AM10:00 ガンファの家前


 今日は運が良いわい。早朝から森に入ったら、良い型の女鹿を仕留められた。家の前まで運んでくるのに一苦労したが、嬉しい誤算だわい。

 ふぅ……解体も終わったし、鹿の生レバーを当てに、酒でも飲もうか。……ん?あれは……


 ユウマのようじゃな。

 ん?なんじゃ?その服。新しくアイリに作ってもらった?なかなか上手くできておるな。

 で、どうした?服を見せに来ただけではないじゃろ?もう薬草摘みは終わったのか?

 なに!?ポーション作りまで既に終わったのか!?どれほど作ったんじゃ?

 は?……えーと、もう一度言うてくれんか?  えっ?マジで?  本当に? えっ?しつこい?

 ユウマの奴、20本もの通常ポーションを作り終えたらしい。普通は、5人の熟練の薬師が作るほどの量じゃというに……だんだんと人間離れしてきたの。ん?うるさい?聞こえておったか。

 で、ワシに何か用か? 何?戦い方を教えてほしいと? なら、ワシの事は大先生と呼び……

 おいおいおい!どこへ行くんじゃ!!  冗談じゃ!冗談!!心の狭い奴……

 待て待て待て!行くな!行かないで……待ってください。

 ごほん、戦い方な……ワシはボウガンを使うから、弩術ということになるが、これはボウガンの仕組みや整備などなかなか曲者なんじゃ。初心者向けとはいえんからな……。

 ユウマはどんな得物が得意なんじゃ? 特にないと……剣術なんかどうじゃ?ワシは使えんが……

 ん?何をズッコケておる。 まぁまぁ、そう怒るな。村の中で剣術を使えるやつを紹介してやろう。


 ユウマが知っている者で、候補をあげるなら、獣人のアゴラ。奴は弓の腕前に隠れておるが、剣の腕もなかなかのもんじゃ。妹のペギーも短剣を使っておるのを見たことがある。他は、元兵士のカインツじゃな。やつもそこそこ剣の扱いは上手かったと思うぞ。


 いやいや、礼などいらんわ。気色悪い。気にするな。


 なに?話は変わるけど?サフィーナちゃんがワシの呼び方を?それは本当か!?

 デレとらんわい!!ま、まぁ、そう呼ぶのを許してやらんでもないかの♪ キモいゆーなっ!

 ん?もう行くのか? そうか、まぁー頑張ってこい!


 ガンファおじいちゃん……悪くないの。



 †



 AM10:30 山猫獣人アゴラ&ペギーの解体小屋前


 今朝の兄は、一段とすごかったな。あのビックボアの眉間を一矢で射抜いてた。私では力がないからあんな深くまで刺さらない。やっぱり兄はすごい。

 あ、兄、解体終わったか? そうか。今日はもう仕事は終わりだな。じゃあ、あとは日向ぼっこしてご飯まで寝てるか……ん?兄、ユウマが来た。


 ユウマ、どうした? お、いつも悪いな。お前のくれるポーションよく利く。で、何か用か?

 なに、兄に剣を教わりたい?……いいか?兄。……うんうん。ユウマ、ヒマな時ならいいらしいぞ。

 兄の言ってることよく解るなって?当たり前だ。私と兄、家族だからな。今、ヒマかって?まぁ、ヒマだぞ。

 ユウマ、兄の剣、すごいぞ。とても早くて強い。ユウマも鍛えてもらえ。


 兄とユウマ、素振りしてる。ユウマ、下手っぴ。腰が引けてる。

 ……むぅ、私、ヒマだ。つまらない。


 兄、ユウマのこと頼んだ。私、日向ぼっこしてくる。今日はいい天気。絶好の昼寝日和。

 ふぁー、眠い……



 ふにゃ……ん?寝てしまったか?


 あれ?兄、ユウマはどうした?なに?途中で帰った?

 なんなんだ、ユウマ。せっかくの兄の稽古なのに。兄の稽古そんなに厳しかったか?

 ……うんうん。剣の振り方を色々教えようとしたけど、上手く話せなかったのか?

 そうか。兄は悪くない。まぁ、ユウマも悪くないかな?今度ユウマと稽古するときは私も付き合う。

 

 私も兄に追いつけるように、鍛えないと。


 でも、いい天気、もう一回昼寝してこよう。




 †



 PM1:30 カインツの馬小屋前


 今日も最高だったよ。セシリー♪君のお尻の肉付きはとってもセクシーだね。

 おいおい、ジュリア拗ねちゃだめだよ。君だってその素敵な瞳とスタイルは誰にも負けてないよ♪

 ルビー、君はまだ子供だからね。もう少し大きくなったら一緒に楽しもうね♪


 幸せな時間はこんなにも早く終わってしまうんだね。とっても寂しいけど、また明日ね。

 ん?君は、『幼女誘拐犯』のユウマじゃないか。えっ?違う?あ、容疑者だったか。それも違うって?

 何でそのことを知ってるかって?マールさんから聞いたんだよ。誰にも言うなってね。


 まぁまぁ、泣くなよ。ほら、ハンカチ。あ……鼻かむな!え、いいよ。それ、ユウマにあげるから。

 で、今、何してるかって?あぁ、この子たちのお手入れをしてたんだよ。美人だろ?この子たち。

 ん?馬だから美人かどうかわからないって!?ユウマの目は節穴かっ!!

 で、何の用だい?剣を教えてほしい?どうしようかな……うちの子たちを理解しないような奴には……

 ん?そうだろう♪すごい綺麗な足だろう!なかなか見る目があるじゃないか!ユウマ。

 いいよ。もちろんじゃないか。ちょっと待ってね。この子たちの食事とベッドの準備があるから。

 良かったら手伝ってくれないかい?この飼葉にあの袋に入ってある飼料を混ぜて、あそこに入れて。

 そうそう。それから、一人一人好みの配合があるから、気をつけてね。

 まずは、セシリーはヘルシー志向だから……ジュリアは病み上がりだから……カーラムは……

 スイフトは………

 ・

 ・

 ・

 ……ってことでさっき言った配合で頼むよ。その間にこの子たちのベッドメイクしてくるから。

 

 

 ふぅ…これで、あの子たちはフカフカの藁で眠れるぞ!ユウマはちゃんとやってるかな?

 ん?ユウマ、どうしたんだい?まだ終わってない?いいよいいよ。あとは、やっておくから。

 どうしたの?そんなに大変だった?そんなことないよね?楽しかったよね?

 なんたってこの子たちは……だし、それに、………この間なんてね、セシリーが………

 ・

 ・

     ……それが傑作なんだよ!ルビーなんてね………

 ・

 ・

 ………の素晴らしい輝きといったら、もう………

 ・

 ・

                       ん?あれ?そんなに疲れたのかい?

 え?これから剣を教えるけど?あ、もう帰るの?そうかい。いつでも歓迎するから。

 あぁ、行っちゃったか。どうしたんだろう。体調でも悪かったのかな?


 ユウマとあんなに話が合うとは思わなかったな。これなら、うちの子に乗ってもらっても構わないな。


 あ、もう夕方か。うーん♪今日はなかなか有意義な一日だったな。




 †



 PM4:50 魔術師マールの家


 ハァ、ハァ、ハァ……なんてカワイイのかしら♪サフィーナちゃんがクッキーを食べてる。

 まるで子リスが木の実を食べてるみたい、慌てなくてもたくさんあるわよ?

 ん?どうしたの?サフィーナちゃん。窓の外?あら、あれはユウマくんね。お迎えに来たのかしら?

 うわっ……アイリーン様、い、いやアイリ。そんなすごい勢いで窓に張り付かなくても……

 あ、サフィーナちゃん?もう、勝手に外に出ちゃだめじゃない。待ってぇーサフィーナちゃん♪


 いらっしゃい。ユウマくん。来てくれなくても全然良かったのに……。

 で、何?その状況、羨ま…じゃなかった、色々と問題があると思うわよ。

 サフィーナちゃんもユウマくんをよじ登って、肩車なんて……あぁ……あんな嬉しそうな顔して……

 まぁ、このまま眺めているのも、これはこれで……ん?なにかしら?目がヤバい?

 な、何を言っているの?私はサフィーナちゃんが心配ダッタダケダヨー。

 あぁー、もう連れて行っちゃうの!?もうちょっと、もうちょっとだけ……一舐めだけでも……

 へっ!?な、舐めないわよ?え、えーと……ここら辺のことわざ……カシラネ?

 あ、アイリ……そんな速攻で、否定しないでも……あぁ、アイリも昔は小さくてカワイかったなぁ……

 デヘ……デヘ、デヘヘ…… あんっ 二人して、そんな高速で距離を置かないでぇーー!!

 

 あ、そうだっ!!大切なことを伝えてなかったわ。

 サフィーナちゃんだけど、今日だけで、精霊魔法の初歩使えるようになったからー。

 えっ?そんな大事なことはもっと先に言え?

 サフィーナちゃんのカワイさに比べたらそんなこと小さなことよ♪

 

 あ、本当に帰っちゃうのね……悲しいわ。マール悲しい……あ、こっち見てない。本当に哭くわよ。

 サフィーナちゃーん!!ばいばーい!!また、明日、お勉強しましょうねー♪

 

 はぅん♪ い、今……サフィーナちゃんが  サフィーナちゃんが   ばいばいって……

 ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……サフィーナちゃん、これで私、明日も生きていけるわっ!!


 うーん♪今日もたっぷり幼女成分補給できたわ♪お肌もツヤツヤ♪やっぱ、幼女いいわぁ~~。




 †




 PM6:30 ガンファの家 ダイニング


 あぁ……この村、いろいろとヤバすぎるよな。結局、剣術スキルも中途半端にしか身につかなかったし……

 アゴラ、最初は良かったけど、途中からものすごく睨みながら殺気まき散らしてたからな……あのまま続けてたら間違いなく殺されてたぞ。俺、なんかアイツに嫌われるようなことしたっけな。


 「あ、アイリ。スープお替り!」


 しかも、全く喋んないから、見様見真似で剣振ってただけだったな。

 見て盗め的な感じの指導法なんだろうけど、現代っ子舐めるなよ!

 こちとら、詳しい解説書とかHow to本とかから入るタイプなんだよっ!!まったく……

 まぁ、疲れてるところ、無理やり教えろなんて、いきなり押しかけたから怒ってたんだろうな。

 うんうん。謙虚に……謙虚に……今度は、ご機嫌伺いしてから頼んでみるか。

 でも、ある意味、あんな短時間で【剣術/Fランク】習得はすごいけどな。


「このスープ旨いな♪このお肉の出汁が特にいい!これ、何の肉?」


 それにしても、カインツだ!!アイツ、この前の救出隊の時は、普通の奴だと思ってたがあんな曲者だったとは……なんだあの馬オタクは!?

 いや、それは百歩譲って良しとしよう。アイツ、話が長いんだよっ!お願いする立場だから、話を聞いていたが、セシリーのお尻が…とか、ジュリアが可愛いとか…もう、正直、興味ないんだよっ!!

 なんだよ!馬の便秘が治ったんだ!って、どうやって返したらいいんだよ!!

 ジャパニーズサラリーマンの能力をフルに生かして、笑顔で頷いてスルーしたけど……

 あの時の俺、スゲーよ。本当に!!


「へー、これが鹿肉か。結構いけるな。」


 で!!食事の準備って!!普通そんなデリケートなことド素人の俺に任せるなよーー!!

 それ、馬飼う人だったら一番気にするところじゃねぇのかよっ!!それに、配合が細かすぎるって!

 なんでだ?……まさか、俺が話を合わせて、うんうん言ってたから、勘違いされたか!?

 なんというトラップ!!俺にどうしろっていうんだっ!誰か模範解答をよこせーーー!!!


「ガンファが朝に仕留めたんだ。新鮮な肉って、初めて食べたかも。旨いな。」


 で、マールさん。……もう、村一番の変態じゃないか!サフィーナ連れていくの本気で考えるぞ!

 悔しいがガンファがまともに見えてしまうぞ!

 アイリも小さい頃、マールさん……いや、マールからあんな目で見られていたってことか!?

 アイリ……もしかして、すでにマールの毒牙にかかって……


「ん?アイリ、何でもないよ。」


 いや、もう……深く考えるのはやよう。でも、これは本格的に強くなる必要があるようだな。

 具体的には、マールからサフィーナを守るために!!


 あれ?当初の趣旨からかなりズレてる気がするな。


 今日一日、俺、何やってたんだろう……

 いや、着実に成長してるんだ。それも普通よりも何倍もの速さで。


――――――――――――


■ステータス

名前/有村 悠真

Lv.4

種族/人間   年齢/18歳  職業/ポーション職人

HP  80/80

MP  10/160

腕力   80

体力   80

敏捷度  80

器用度  80

知力  160

精神力 240

加護:神祖(しんそ)の大いなる加護

称号:転生者 封印されし称号その1 封印されし称号その2 封印されし称号その3

装備:厚手の服 ショートソード

スキル

-EXスキル【教育者】【学習者】【超健康体】【ステータス倍化/Lv.UP】【限界突破】

-ユニークスキル【極運】【ファミリア】【看破】【隠ぺい/Cランク】

-スキル【薬草術/Dランク】【気配察知】【気配消失】【剣術/Fランク】

-魔物スキル【鋼糸/Cランク】【毒牙/Cランク】


――――――――――――

 

 ……。ステータスにツッコむのは、また今度にしよう。



最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

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