表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
33/43

いこーる、私の後輩!


「お腹いっぱーい!」


 苦しそうでいて、楽しげに。笑う由美子さんに同じくですと頷いて、膨れたお腹に手を当てる。


「食べすぎましたね」

「でも、満足だわ!」


 キリっとした回答をいただいて、それにもまた頷いた。

 グラタンに、オムライス。半分こゆえにどちらも美味しくいただいて。調子に乗った私たちは、デザートにも手を出した。


 濃厚で甘すぎないチョコが美味しい、チョコレートのムース。

 ふわっふわのマスカルポーネに、少しビターなココアの粉をのせて少しお酒の効いたティラミス。

 たっぷりな生クリームを米粉のもちもちしたスポンジで巻いた、ロールケーキ。

 あったかーい焼きたてのパイの上にアイスを乗せて、少し溶けたところを一緒に食べるのが美味しいアップルパイ。


 今日のラインナップがこの四つで。

 これも由美子さんと二人でどうしようかと悩みながら、チョコレートのムースとロールケーキに決めると。当然のことながら、どちらもとっても美味しくて。

 やっぱりここに来て良かったと心から思って、お店を出る。


 ランチセットに、デザートが一つずつ。

 お会計自体はぴったり同額だったので、難しいことはなくお支払いを済ませたのだけど。


 紘太先輩の後輩いこーる、私の後輩! とか、無理やり相席にしてもらったから、とか。

 クッキー貰ったから! 私が払うわ! なんて。

 なんだかやけに、だからおごらせてと言ってくる由美子さんとは、ひと悶着はあった。


 どうにかこうにかご遠慮させてもらったけれど、代わりに由美子さんとお店をめぐることになり。私たちは駅前へと向かうことにした。


 ◇◇◇


「めいちゃんは、いつもはどんな洋服きているの?」

「えっと、あまり派手な物じゃなくて。シンプルな物ばかりです」

「あ、これなんか似合いそう」


 午前中の内に一度入った服屋さんに、今度は二人で入る。

 一人ではなく、誰かと話しながら見て回るのはやっぱり違って。

 一人でゆっくり見られるのもいいけれど、誰かと一緒に見て回るのも楽しさがあった。


 ぱらぱらと掛けられた服たちを流し見ている由美子さんが、不意に手に取ったのはラッフルスカート。

 甘すぎないピンクベージュ色に大きめのひだ飾り。素材がシフォンなのでひらひらと風に揺れる裾が大人っぽく見えて、素敵だなと思ったけれどやめていた物だった。


 由美子さんには子供過ぎるかもしれないけれど、私には大人っぽすぎるように感じてしまう。

 なので、率直に不安に思っている事を伝えてみる。


「素敵だなって、思うんですけど。着こなす自信がないです」

「そう? 意外とラッフルスカートって何のトップスでも合うし、めいちゃんに似合うと思うんだけど……」


 首を傾げてスカートを見ている由美子さんに、私もまた首を傾げながら、こっちも見てくださいと今度は私が見つけた服を見てもらう。


「これはどうですか? 由美子さんに似合いそう」 

「あら本当。可愛いし、いいわね」


 喫茶店で話していて分かったのだけれど、私たちは好みが似ていて。お勧めするのも、されたのも。どちらも二人の気に入るような物だった。


 今日持ってきたシュシュもそう。料理が来る前に髪を結ばせてもらっていたら、可愛いって言ってもらえて。

 そこで二人の趣味が似ていると分かって、話が弾むきっかけになっていた。


 朱莉ちゃんとも、さっちゃんとも買い物はするけれど。

それぞれ好きな系統が違うから、私が似合いそうだなぁと相手に思う物でも相手の好みとは限らなくて。

 それはそれで楽しいのだけれど、こんな風に好みが被った人と買い物するのは、いつもとはまた違った楽しさがある。


 その後も、色々と二人で見て回って。

 由美子さんは私のおすすめしたカットソーと、由美子さん自身で見つけたスカート数点をお買い上げ。

 私はとくに買う物もなかったので、お店の外へ出て待つことにする。


 ご飯も食べたし、買い物も十分楽しめた。

 後は帰るだけなのだけど、由美子さんも実家。つまり紘太先輩の家へと行くつもりだという事なので、送っていってくれるそう。

 悪いなぁと思うけれど、由美子さんと一緒にいるのは楽しかったから、素直に嬉しくも感じて。甘えさせてもらう事にした。


 お店を出て通路へと向かうと、自然と目に入ったのは、お向かいの雑貨屋さん。

 そこももう、今日既に入ったお店なのだけれど……。


「あ」


 そうだと思いついて、店の中の由美子さんを振り返ると、まだお会計中。

 少し悩んだけれど、交換済みのアドレスにメッセージを送って、少しこの場所を離れさせてもらう。


 すぐにもどってきます!


 急いで送り、走らないまでも速足で歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ