忠犬?
「くーん」
現在、トーヤは狼?の群れに囲まれていた。
「トーヤさーん!大丈夫ですかー?」
レイナは心配そうに数十メートル離れた位置から声をかけている。
「トーヤ......あれだ......諦めろ」
ゴーキは一歩引いた位置で哀れみの目をむけていた。
「なんか、羨ましいのだ!」
コウは今にも狼の群れに飛び込みそうなほど興奮している。
「お前らな......少しは助けようとしろよ!」
「えっと、でもですね......」
「トーヤ、見てみろよ」
「「だってこんなに純粋でカワイイ目をしてるじゃない」」
「限度があるだろ!」
「「「ハッハッハッ!!!」」」
「おすわり!」
「「「オン!」」」
「さすがトーヤ。もう手なずけてるな」
「......どうしてこうなった......」
時を少し遡ること十数分前のこと。四人は、山を越えるために歩いていた。
「さすがに疲れたな、コウ、あとどのくらいだ?」
「このペースなら明日の昼には山を越えられるのだ」
「けっこうありますね。私、あまり自信がありません」
「...止まれ」
トーヤが、三人を止めた。
「どうしたんですか?」
「集団でなにかが近づいてくる」
「ちっ、めんどくさそうだな」
「しかし、妙だな。この気配、敵意がまるでない。一体なにが......」
トーヤがそこまで呟くと、その正体の影か見えてきた。
「あれは...まずいのだ!シャドウウルフなのだ!」
「なんだ?それは」
「自分よりも強い魔物や人間の命令を聞いて行動する魔物なのだ!知性が高くて命令は絶対に逆らわないからよく暗殺に使われる魔物なのだ!」
「ふーん、で、あいつらが自分よりも強いってどうやって判断するんだ?」
「実際に戦うか、見た目の雰囲気とからしいのだ。この山にいるなんて知らないのだ」
「もうそこまできてますよ!」
そしてシャドウウルフが五匹ほどトーヤに飛びかかった。
「おっと!」
トーヤは耐えきれずに尻餅をついた。
そしてシャドウウルフはトーヤに近づいてーーー顔をなめた。
「ま、まて!」
トーヤがそう言うとシャドウウルフの動きが止まり、舌を出して待っている。
「......誰か説明をしてくれ...」
トーヤは左手で頭を押さえた。




