冒険者 26 馬車の旅 その2
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水の補給が出来る小川を見つけて、野営のために馬車が止まったのは、まだ陽があるうち。
馬車を固定し、馬たちの装備を外して餌と水を与え、竈を組んで食事の支度をし、寝る場所を確保し、捕虜たちをまとめて縛り・・・。
明るいうちに全部やらなきゃならないから、大変。
女たちは馬車に居ろって言われたけど、とーっても気詰まりだったんで竈の番を申し出に行ったら、食事当番がヨハン君だった。一緒にお茶を沸かしてご飯の用意をする。
保存食の乾パンと干し肉で済ませるっていうから、うん、鍋でスープでも作るか。
手抜きはいかんよ、ヨハン君。
馬車に積んであった大鍋と野菜を持ち出し、マントから猪肉と香辛料を取り出すと、ヨハン君に「収納持ちですか」とうらやましがられた。
「これでも『冒険者』ですからねー。おほほほ」
ただの役立たずじゃないですよーだ。
ところでエルフって同じご飯でいいの?
菜食主義じゃなかったっけ?
「翠」と「碧」ちゃんに聞いても「ごはん?」と首を傾げる。
お肉を食べる?と聞いても、ふるふる。
「商人たちが何か与えとったぞ」と教えてくれたのは、むっつり顔のお婆さん。
「そうなんだ、ありがとう」
縛られた商人たちは馬たちのそばでひと繋ぎになっている。
ヨミと二人で近づくと、見張りの騎士が緊張して身構えた。
変なことする気はないの、エルフたちのご飯について聞きたいだけよ。
すみません、現実の仕事の方に追いつかれてしまいました。
申し訳ありませんが、しばらくの間不定期投稿にさせていただきます。




