冒険者 24 カラハンの騎士 その4
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奴隷商人たちは、エルフ二人と数人の奴隷を闇ルートで売りさばくため、ひそかにパンタールに向かう途中だった。
他の奴隷たちは鎖でつながれていたけれど、エルフの、特に子供は、傷つかないように絹の紐でつなぐだけでも、すぐ衰弱してしまうらしい。金属の鎖なんて、問題外。
なので木製の檻に入れられてたので、馬車が横転した時檻が壊れて、逃げ出したんだって。
騎士たちが相当荒っぽい止め方をしたらしく、捕らえられている奴隷商人とその護衛はぼこぼこ。
流血騒ぎを起こしたうえ、大嫌いな金属の鎧を着てるので、騎士たちはエルフ二人に危ない連中だときらわれちゃったらしい。
あなたたちを助けてくれたんだよ、と言っても、ふるふる。
野生の小動物みたいな二人だ。
そういえば、捕まえるとショックで死んじゃうから、見てるだけって生き物がなんかいたなぁ。
熊の団長さんに依頼されたので、私は二人の世話係として直った馬車に乗り込んだ。
奴隷商人たちは、馬車の後ろに数珠繋ぎ。
馬車に乗るのは、他に捕まっていた奴隷たち、女性四人。
しかし・・・。女性の一人は明らかにどっか良いとこの、高飛車なお姫様タイプ。
二人は、ボン・キュッ・ボンのあっち向けのためってはっきりわかる美人。
最後の一人は凄く気難しそうなお婆さん。
なんか、こわい構成なんですけど・・・。
今まではみんな拘束されてたけど、自由に動けるようになって、パンタールの街まで、一つの馬車に乗り込んで・・・。
『何か、先が思いやられるのぉ』
帽子がため息をついた。




