43/138
聖女 42 脱出
42
「ふん、おかしな手応えだ。
『幻惑』は発動しているはずなのに」
「腕が落ちたか、トルマリン。
どけ。私がこの上から『魅了』をかけてみよう」
「えー、魅了されたこれに迫られてもいいの?
豪傑だね、チャーミング」
巻き毛のアンジェロが笑った。
「ロリコンのお前に言われたくないわっ」
と、目の前に迫って来た、金髪王子。
「アルカ」
やけに甘ったるい声を出す。
【『魅了』発動感知】
「君は素敵な人だ、アルカ。
その黒い衣装も、きつい化粧も、なんと君によく似あっている事か。
さあ、僕を受け入れて。
僕たちと一緒に、世界を回ろう」
うーん・・・どうしよう・・・。
体は少し治ってきたようだけど、ちゃんと動けないし・・・ここは魔法にかかったふりして様子見しようか・・・。
しかしこの金髪王子の、どアップが・・・。
「アルカ。僕の素敵な人・・・」
・・・ちょっと・・・生理的に・・・。
「絶対に君を大切にするよ。
さあ、約束の印の口づけを」
うわーーーだめーーーっ!
「断るーーーっ!」
私は叫んで、金髪を思い切り突き飛ばした。




