聖女 41 たくらみ その4
41
「私の声が聞こえますか、アルカ様」
銀髪眼鏡がぐったりした私の手を取った。
【『幻惑』発動感知・・・】
なんだか、息苦しくなってきた。
美形四人組は強そうだし、魔導師たちが周りを囲んでいるし、どうにも逃げられない。
「聞こえますか、アルカ様。
光の女神のお導きにより、ようやくあなたが顕現された。
あなたは我々が待ち望んだ聖女。
全世界を救う使命を帯びて、このドア・ナンドールに降臨なされた聖女。
ナンドール聖騎士団を率いて、瘴気を浄化し、魔獣を退治する事こそ、あなたに与えられた役割」
【『幻惑』発動中・・・】
なんか洗脳とか、されてるみたいなんだけど・・・。
言葉は心に響かず、右から左へ耳を抜けていく。
【発動中・・・】
手足が温かくなり、ちょっとチリチリした感じになって来た。
薬の効果が薄れてきたらしい。
「あなたは女神に選ばれた、特別な、神聖な存在なのです。
さあ、我々と共に、旅立ちましょう。民人を救う、聖なる巡礼に!」
【発動中・・・】
美形のアップはいいけれど、あまりの歯が浮くようなセリフに、反発して鳥肌が立ってきた。
「どうした、術がかからんのか」
「いや、これほどの魔力を注いでいるのだ。
反応が少しおかしいが・・・しっかり『幻惑』されているはず」
あのー、されてないんですけど・・・。




