聖女 38 たくらみ
38
美形四人組のその1、金髪王子が、にこやかにわたしの手を取った。
「おかえりなさい、アルカ様。
我らの都はいかがでした?」
・・・チクッ。
【『毒物』感・・・知・・・・
暗転。
・・・・・・・・・。
『・・・なんで『状態異常無効』が発動しないんじゃ。
わけがわからん。
おーい、主!』
・・・帽子?
『早く起きんと大変なことになるぞい。
まったく、回復系魔法をすべてお前様に渡したのは失敗じゃったわ』
私は無理やり目を開けた。
すると、目の前にあったのは、美形四人組のその2、銀髪紫眼の銀縁眼鏡。
「大丈夫ですよ、アルカ様。さあ、これを」
と、口にカップが押し付けられ・・・。
『おい、主!しっかりせいっ!飲むんじゃないっ!』
しかし口にあふれる甘ったるい液体。
拒否しようとしたけど、いきなり背中を叩かれ、ごっくん。
あ、飲んじゃった・・・。
「たわいもない。これでも魔女か」
「あれだけ警戒したのに。あっさりと」
「虎は?使い魔の虎はどうした?姿がないぞ」
そんな声を聴きながら、私はくにゃっと地面に崩れた。




