聖女 28 ナンドール南教会 その2
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少し通りを進むと、あたりの様子が変わった。
建物は中世風の、同じ二階建ての木造だが、古びて手入れが悪くなってきた。
人々の服装も地味になり、その表情も、暗い。
ヨミが一緒で良かった、と思うような、眼付きの悪い男たちも目立つ。
ぼろを着た痩せた子供たちが、通りを走っていく。
古着を着たヨミは良いけど、子爵の軍服と私の黒いローブが、場違いで目立つようになってきた。
そっと帽子に言って、帽子とローブの色をくすませ、目立たないようにさせる。
あたりはだんだんスラムっぽくなってきた。
「王都ナンドールには、中央の大聖堂の他に、東西南北に四つの教会があります。
姉が属していたのは、この先の南教会。
都でも、一番貧しい地域にあります」
なるほど。
ここらは聖女様御一行の観光ルートから、外れているのね。
美形四人組と一緒だったら、案内されなかっただろう。
豊かなドア・ナンドールの恩恵を受けていない部分だ。
投げ捨てられたごみ。得体の知れない臭い、うずくまる老人たち。
そんな間を過ぎていき、水の涸れた噴水のある広場に出ると、こぢんまりした教会があった。
池の水は涸れているけれど、あたりはごみもなく、頻繁に手入れされていることがわかる。
アンドレアはとんとん、と扉につけられたノッカーを叩いた。
「教母様、アンドレアです」




