聖女 23 王都ナンドール その5
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古着だけど、ちゃんとしたチュニックとズボンにブーツ。
食べ物の値段と比べると、結構高め。
ギリシャのトーガ風の布でも堂々と着こなしていたヨミは、小市民風の古着でも、普通の人に見えない。
背が高くって、油断なさそうで、なんだかとっても・・・危なそう。なぜだ?
「お腹がすいてない?何か食べる?」
馬車のカーテンはマントのポケットに突っ込み[結構かさばるものだったけど、するりと中に消えてしまった。ほんとに異次元収納がついたのか・・・後で調べてみないと]腕を取って聞くと、ヨミはあたりの屋台を見回し、ちよっと鼻にしわを寄せた。
やがて屋台の一つを指さす。
「あれを」
近づいてみると、売っているのはクレープみたいなものだった。
七輪のような道具に鉄板を乗せ、薄い生地を焼いて、くるくると何かを巻いて渡してくれる。
二つ買って、一つずつ。
あ、これ、美味い。
そば粉みたいな雑穀の粉に、炒めた細切りの肉は味は薄めだがしっかりハーブが効いている。
虎の嗅覚でおいしいものって探せるのかな。
なら、便利だなーと思って食べながらゆっくり歩いていると、ヨミが小声できいた。
「俺は・・・仲間で、いいのか?」
アンドレアの態度が気になったのだろう。
子爵と言えば、緊張した面持ちで、後ろをついてくる。
「いいも何も・・・それしかないよ?」
私が勝手に連れて来ちゃった人。




