聖女 22 王都ナンドール その4
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現代日本の食品衛生観念とか、すごいもんだったのよねぇ。
ここじゃ自分で気を付けないと、なんか変なものも出てきそうだわ。
それでもみんなはおいしそうに食べてるし、子供たちが笑いながら小銭を握って走っていく。
お目当ては・・・茹でた串団子みたいなものを、糖蜜みたいな得体のしれないものにどぶっと浸けたの。
横の火鉢でさっとあぶって、焦げ目と甘い香りがたったのを渡してやってる。
うん、子供はどこでも同じだね。
子爵の手を離して、一人でよそ見していたら、急いで走って来た子供が横からとん、とぶつかってきて、ちょっとよろめいた。
すかさず支えてくれた手がある。
振り向くと、銀のメッシュの入った黒髪の・・・。
「あ、ありがとう。あれ?ヨミ?」
馬車で待っているのが嫌になったのか、馬車のカーテンらしい生地を身に纏った人型のヨミが、静かに私を見おろしていた。
「ありがとヨミ。いつから傍にいたの?」
「しばらく前から」
わ、全然気づかなかった。
「ヨミ?あの虎のことか?」
アンドレアが、顔色を変えて剣の柄に手をかけた。
「きさま、使い魔ではなくシェイプシフターだな!?」
かってに使い魔だって思い込んでたのはそっちでしょうが!
「止めて!ヨミは私の仲間よ!」
「仲間?奴隷でもないのですか?この獣人は!
馬車の中で待てと言ったあなたの命令に背いたのでしょう!」
むかー・・・。
帽子、昨日聞いた、シェイプシフターを忌み嫌う国って・・・。
『あー、この国もそのようじゃの』
獣人だの、奴隷だの、もっと嫌になりそう、この国。
「ヨミは、私の仲間。奴隷じゃない。
待っていてと言ったのは、お願いであって、強制じゃない」
記憶がなくて不安なはずのヨミを一人にしてしまった、私のミスだ。
私はしっかりとヨミと腕を組んだ。
「ヨミ、似合いそうな服と履物を買おう。
そして一緒に食べ歩こう」




