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聖女 16 聖騎士 その3
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「姉が、対価だったのです」
お姉さん?ならこの国の人だよね?
「対価って、囚人や奴隷じゃなかったの?」
「今回の対価たちの中には、ふさわしい聖魔法を持つ者がいなかったのです。
ですから、光の神殿の巫女だった姉が選ばれて」
ちょっと待って、そんな身分の人まで対価・・・って、私のために殺されたのっ!
「・・・聖女様のお力になれればと・・・姉は・・・喜んで・・・」
冗談じゃないっ!
そんな腐った事をしてるのか、この国はっ!
神殿の巫女なんて、何の罪もない普通の人でしょうっ!
欲しい能力を持ってる人たちを殺して、それを私に押し付けて!
この国にとって、自分たちにとって、都合のいい聖女を勝手に造り上げてるのかっ!
「・・・やだ」
「は」
「こんな国の聖女になるのなんか、私、絶対嫌だから!」




