聖女 10 ギフト
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「じゃ、私自身についたギフトってなに?」
『おお、聖女にふさわしいものが揃っとるぞ。
全光属性魔法、支援魔法、生活魔法。
薬師、調合、緑の指、園芸、裁縫、料理・・・』
めっちゃ地味っ!
『まあ、そう言うな。
状態異常無効など
防御の面はけっこう充実させたからな。
そういえば、その茶と菓子に浄化をかけておくがいい。
そなたには効かんだろうが、睡眠薬と媚薬入りじゃ』
もおーっ!なんなのよ、この国ーっ!
でも・・・その数の一致。
「九十九のギフトって・・・」
『さよう。すべて対価が持っていたものじゃ』
私はさっとヨミを見た。
ヨミは無表情のまま。
ああ、記憶がないんだっけ・・・。
百人の対価の中で、たった一人生き残った、というか、生き返ったヨミ。
対価の中には、仲間や友人もいたかもしれないのに。
「じゃ、ヨミのギフトは?」
『何か持っとるが、儂には読めんな。
条件が揃わんと、発動しないもののようじゃ
こやつは一度死んどるからの。
すべてリセットされてレベル1になっとる』
「え。
じゃ、ヨミは弱いの?」
『こやつはもともとが熟練の戦士。
体で覚えたことは忘れるものではない。
このままでも、そんじょの低レベルの兵士などよりずっと強かろうよ。
何よりこやつは虎に変化する戦いに特化した種族じゃ。
戦えばすぐにレベルは上がっていくであろ』




