聖女 9 魔女の帽子
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私の力作の魔女のとんがり帽子があっ!
なんでなんで某学園の口裂け帽子みたいになってんの!
『そなたの記憶の中にそのしゃべる帽子とか言うイメージがあったからじゃ、馬鹿者。
せっかくイメージどおりに儂が心話の能力をつけたというのに。
なんなら裂いて口をつけるか?』
やめてえっ、そのサテン高かったのよっ。
『ふむ。ではマントがしゃべった方が良かったか?』
どっちもこわいっ!
「だから、なんでしゃべるんだってばっ」
帽子はすぽっと私の頭から抜けて、すーっと眼の前の卓に乗っかった。
空飛ぶ帽子にも、なっちゃったのっ?
『そなた、この帽子とマントに相当思い入れがあったであろ?』
そりゃそうですよ。手作りですもの。
帽子は丈高すぎてバランスが悪くて苦労したし、先端の曲げ具合に気を使ったし。
たっぷり布を使えてほくほくしたマントは、その分デザインに凝りすぎて縫製に手間がかかって。
止め金具一つにもこだわって探し回ったし。
ハロウィン前の三日間はほとんど徹夜に近かったんだから。
『ふむ。
あの狭間の世界では、心を込めたものには、意識が宿ることがある。
日本でいう、付喪神のような形でな。
あの慌て者の狭間の神女めは、そなたを転移させる前に、九十九のギフトの中から、聖女にふさわしいものだけをいくつか選びだして、そなたに与えるはずだったのだ。
だがあやつが選択を忘れたため、全部のギフトがそなたの中に流れ込むこととなった。
人の身では受けきれず、精神崩壊してしまうほどの量がな』
えーっ!
『だから、意識に目覚めた儂とマントが、ギフトの一部を引き受け、適正な量だけをそなたに渡して、惨事を防いだのだ』
ギフト・・・って、あのテンプレのチート能力みたいな?
『身もふたもない言い方をするのう。
だが、そのとおりじゃ』
えー、あれが使えるんだ、私!
じゃあ、じゃあ、憧れの!
「ステータス鑑定」
『儂が持っとる』
「異次元収納」
『マントの裏ポケットじゃ』
「アイテム鑑定っ」
『儂じゃ』
「マッピングっ」
『それも儂じゃな』
「魔法防御っ」
『マントについとる
ああ、それぞれの属性防御を重ねたので、全属性完全防御に統一されとるな』
がっくり・・・
・・・欲しかったチート能力全部持っていかれた気がする・・・
ていうか、私、もうこの帽子とマント脱げないじゃない!




