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7 高度魔法化都市記念祭

 午後から始まるという記念祭は、大いに盛り上がる予定らしい。

 すでにメインイベントの準備は完了していたようで、早速その第一弾が始まることとなった。

 中央広場において、一般市民による自由参加の魔法技能披露会である。


「うおおおお! どうかその目でしかと見てくれ! ワシが五十年間ずっと鍛えに鍛え抜いてきたこの素晴らしい筋肉美をっ!」


「どこが鍛えぬいた筋肉美だ! おっさんは健康促進魔法で血色をよくしているだけだろうが! 色艶はいいけど見るからにガリガリじゃないか!」


「何を言うか若造! このワシの威光あるポーズが見えぬのかぁ!」


「あはは! おいちゃん、かっくいい!」


「よく言った少年! そうじゃぞ、まだまだワシは現役なんじゃい!」


「ヒュー、ヒュー!」


 などと、広場は集まった人々の熱気に包まれていた。

 魔法技能の披露会というわりには、いささか庶民的な気がしたけれど、実に楽しそうだ。


「ニック、どうせお前も暇だろ? 歌や踊りを披露してみるか?」


「僕は警備の騎士だよ! 遊んでる暇はないんだから、絶対に披露しないよ!」


「チッ」


「あっ! 今、サツキ君は僕に向かって舌打ちしたね? つまらない奴だなぁという顔をしたよね!」


 そんな感じで言い合って、サツキさんとニックは相変わらず仲良しだ。

 軽口をたたき合えるのって意外と相性がいいのかもしれない。


「ほら二人とも、次の出し物が始まりますよ。ちゃんと見ましょうよ」


「やっと今の人が終わってくれたのか」


「長々と一人でやるんだもんなぁ、あのおじさん」


「まあまあ、祭りですから楽しみましょうよ……」


 苦笑しつつ二人をなだめていると、次の演者がステージに上がった。

 若い二枚目の男性だ。ここは期待しておくことにしよう。


「では、私の魔法をごらんいただきましょう」


 広場に造られた舞台の中央で観客に向かって深く一礼した彼は、その顔を上げた瞬間、伸ばした両腕を頭上へと掲げる。


「さーて、それでは行きますよ?」


 そう言って観客の顔を見渡すと、彼は掲げた両手をパチンと鳴らす。

 それを魔法発動の合図にして、彼の手のひらからは勢いよく水が、まるで噴水のように飛び出した。

 右手と左手から出る水流は高々と頭上へ向かって放出されると、そこを頂点に弧を描いて地面へ落ちていく。そして飛び散る水沫が霧のように彼の周囲を取り囲むと、そこには七色に輝く綺麗な虹が生じるのだった。


「どうです。きらきら七色に輝いているでしょう?」


「すごい、すごい!」


 確かにすごい。ちょっと規模は小さいが、その輝く虹は美しい。

 観客からはにぎやかな歓声が沸きあがった。


「ふむ。彼の魔法はいい魔法だね、見た感じ綺麗だし祭りにはぴったりだ」


「ああ、まさに夢を見させてくれるぜ」


 感心したのかサツキさんとニックもべた褒めだ。

 もちろん俺だって彼を褒めることに異論はない。

 虹を見せてくれた彼の魔法に限らず、先ほどから色々な魔法を目にすることができた俺は本当に感動することが出来たのだ。

 ステージ上で次々と披露されいていく数々の魔法は摩訶不思議な奇跡の具象化とでも言えばいいのか。

 幼子のように目を輝かせて見ていた俺は、思わず感嘆する。


「それにしても、みんなすごいですね。俺には何一つまねできないことばかりで、憧れるなぁ……」


 エフランチェ共和国の片田舎で、ちっとも魔法が使えない父さんと二人きりで生活してきた俺にとって、あくまでも知識として「魔法」という概念が存在していたものの、それを実際に見た経験は少なかった。

 だからこそ、たくさんの魔法を見ることができて感動を隠せない。

 そして、これほど魔法が身近に存在するベアマークの人々がうらやましかった。


「アレスタだって治癒魔法が使えるんだろ?」


「そうだよ、君、憧れるなんてとんでもない。治癒魔法が使えるというのが本当なら、それこそ誰にもまねができないことじゃないか」


「うーん……」


 サツキさんやニックは励ますようにそう言ってくれるが、自分が特別な存在であるかどうかは、そう願うことはあっても、実感することはとても難しい。

 だから俺は曖昧にうなずき返すことしかできなかった。


「それよりほら、次のが始まるぞ」


 考え込んでいると、サツキさんに肩を叩かれた。

 とりあえず今は気分を変えて、次の演目に期待しよう。

 さてさて、次は一体どんな人物が登場して、どのような魔法を披露してくれるのだろう。一時的に悩みを忘れて楽しみに待っていると、壇上に出てきたのは俺よりも若そうな少女だった。

 全身は騎士の服装に礼儀正しく覆われている。


「――って、サラじゃないか!」


 しかもニックの知り合いらしかった。

 サラさん、というのか。覚えておこう。かわいいし。


「まずはペコリと挨拶を。よろしくお願いいたします。……私は生来音楽が大好きですので、ぜひこの場にお集まりの皆様にも私の演奏を聞いていただきたいと一念発起して、こうして恥ずかしながらステージに上がることを決意しました。楽しんでいただけると幸いです」


 そして彼女は恭しい手つきで、何度となく練習を繰り返して使い慣れているのであろう年代もののヴァイオリンを構える。

 ところで、ちゃんと名前を呼んだ声は聞こえていただろうに、ものの見事にニックの存在は無視されていた。相手にしないほうがいいと知っているところから察するに、どうやら本当に二人は知り合いらしい。

 もっとも、同じベアマークの騎士なので互いを知っていても不思議ではない。


「まさかあの女性騎士、音楽隊の一員なのか?」


「じゃあひょっとして、騎士団のヴァイオリン行進曲が聞けるのか?」


 などと、周りの観客は突然の女性騎士登場に沸き立つ。

 おそらく、みんな彼女のまだ幼いながらも整った顔立ちに気品や気高さを感じ取ったからであろう。期待を乗せるにふさわしい演者だ。


「今日は折角の祭りですのに、そこに音楽がないのではあまりにも寂しいですからね。では、ぜひお聞きください」


 彼女はヴァイオリンを構えたまま軽く一礼すると、颯爽と演奏を始めた。

 優雅なる曲の始まりは、落ち着いた旋律を前菜として。

 まるでその穏やかな曲調の前奏に合わせるかのように、祭りの熱気に騒ぎ立てていた聴衆は落ち着きを取り戻す。耳を澄ませた聴衆のおかげか、そう狭くもない会場は瞬く間に静粛に満ちた。

 人の集まった広場には、ただ彼女の演奏だけが息づく。

 瑞々しく生命を帯びたかのように、遠く高らかに響き渡る。

 俺を含めた誰もが賞賛としての言葉を忘れて口を閉ざし、その楽器が奏でる絶妙なる音の高低をもった響き、はるかなる物語を想像させる雄大な華麗なる旋律に、じっくりと耳を傾けて聴き入っていた。

 やがて曲も中盤の盛り上がりに差し掛かかってくると、リズミカルかつ上品で、ストレスのない軽快な旋律が始まる。

 舞台上に存在する楽器は彼女が弾いているヴァイオリンだけのはずなのに、不思議と壮大さを感じさせる堂々たる演奏。

 まるで彼女を支える一団のオーケストラが見えるようだ。


「――ん、よっと」


 滑らかにヴァイオリンを演奏しながらリズムを取るように頭を軽やかに上下に動かすと、彼女は美しく舞い踊るように、細くしなやかな足をステージ上で前後左右へとステップを踏むように動かした。

 あたかも踊るようにヴァイオリンを演奏する。

 それは魔法の力だろうか、やがて彼女は幻想的に、ゆらゆら飛び交う火の粉のような光の粒子をその身にまとう。

 きらきらと、彼女の周りは黄金色に輝き出したのだ。


「美しい」


「まるで女神のようだ……」


 その手でヴァイオリンを弾くたびに、演奏に合わせて足を踏み込むたびに、歌うような息遣いに合わせるように、小さな彼女の体から鮮やかな光が放たれる。

 演奏の終わりに彼女がその手を止めるまで、歓声は鳴り止まなかった。


「ありがとうございました。私のつたない演奏が少しでも祭りに華を添えられたのならば、騎士の一人として、これに勝る喜びはありません」


 そして彼女は恭しく頭を下げる。


「最高だったぜ!」


 そのとおりだったのだろう、ひときわ大きな拍手が巻き起こされた。


「ちょっと待ちたまえよ、サラ! どうして君がステージなんかに?」


 出番を終えて潔くステージを立ち去ろうとした彼女。

 それをニックは慌てて呼び止めたのだが、


「お互い、ここでは会わなかったことにしましょう」


 と、ニックにはそれだけを言い残して彼女は舞台を降りていく。


「今のは誰? サラとか呼んでいたみたいだけど、ニックの知り合い?」


「えっと、なんのことかな?」


「ほんとに会わなかったことにしている!」


 ニックやばいな、彼女に対して従順すぎる。誰だか知らないが、うまくニックの手綱を握ってくれそうな彼女が仲間に欲しい。

 まったく、これからは俺たちに対してもこれくらい従順になってくれれば扱いやすいのだけど、ニックにそれを期待するのは無理な話かもしれない。

 今度サラさんに会えたら秘訣を聞いてみよう。


「あれ? なんだか向こうのほうがにぎやかになってきたみたいだよ。きっと何か面白いことがあるんじゃないかな?」


「向こうのほうだって?」


 ニックにつられて俺は視線を向こうの大通りへと向けた。

 すると、そこには奇想天外な光景が広がっていた。なんと宙を舞ってこちらに向かってくる豪華な神輿の姿が見えたのだ。

 爆竹のような火花を四方八方に撒き散らしながら、それはさながら行軍だった。


「あれは魔法で飾り付けられたパレードだな」


「すごいですね……」


 サツキさんでさえ珍しそうに眺めているので、おそらく町の人達も相当に気合を入れているに違いない。神輿の担ぎ手らしい人間の姿は見当たらないが、おそらく誰かが魔法を使用して動かしているのだろう。

 魔法の力によって上下に揺れつつ空中を前進している神輿の姿は、とても不思議で目を奪われた。


「だ、だけどあの火花はやりすぎじゃないかな? 僕は恐怖を覚えるよ」


 ところが感動する俺達とは違って隣のニックはすっかり及び腰だ。町を守る騎士があんなものに怖がっていてどうする。


「大丈夫だろう。町のみんなも楽しんでいるみたいだし」


「そうだよ、ニック。折角だから祭りを楽しまないと」


「それにほら見ろよ、あの神輿の後ろには踊っている奴もいっぱいいるぜ」


「うわぁ見事なパレードだねぇ。……じゃなくて、怖くないのかな? 次々に舞い散る火花のすぐ近くで踊ってるよ、彼らは」


「祭りの気分に浮かれているっていうのもあるだろうが、度胸試しって部分もあるんだろ。それに、ああやって踊っている奴は間違いなく祭りを楽しんでいる。冷めているような奴より格好いいじゃないか」


「うーん、僕にはまねできないけど、だからこそうらやましいな」


 そんな風にサツキさんとニックが語り合っている側で、俺はちょっと安心して神輿やそれに続く踊りを眺めていた。みんなが心から祭りを楽しんでいるようで、他人事ながら本当に嬉しかったのだ。

 だからこそ、この祭りがこのまま大成功に終わってくれればいいのだが――。


「きゃあああああ!」


 しかしながら願いは届かず、群集のどこかから突然悲鳴があがった。

 記念祭の喧騒の中でもはっきり響き渡るような大きい叫び声に驚いて、その発生源を見つけるべく俺はぐるりと視線をめぐらせる。


「おいあれ、もしかして飾り馬か?」


 豪華絢爛な浮遊神輿を中心としたパレードに引き続いて登場したのは、けばけばしく派手な衣装に全身を飾り付けられた巨大な一頭の馬だった。


「きゃああああ!」


 しかし、それを見る町の人々の様子がおかしい。

 楽しんでいる歓声というよりも、むしろ狂乱や悲鳴に近い。


「みんな逃げろ! こいつは魔物だぞ!」


「ま、魔物?」


 その聞きなれない名前に、俺は驚いて聞き返した。

 町の人々は逃げることに必死で俺の問いかけには答えてくれなかったが、代わりにサツキさんが俺のために説明してくれる。


「周囲の魔力に敏感なまでに反応し、それを取り込んで魔力的に突然変異した魔性動物のことだ!」


「普通の動物とは全くもって別物で、凶暴性が増しているから厄介なんだ」


 サツキさんの言葉に続いたニックもどこか不安げだ。

 凶暴性が増しているというのだから、最悪の場合には町の人々にも襲い掛かってしまうのだろう。

 そうなれば無論、記念祭どころではない。


「もしかして、じゃあ魔物って殺すしかないんですか?」


「いいやアレスタ、殺すのは最終手段でいい。こういうときこそ魔法の力だぜ! 暴れているあいつをおとなしくして捕獲するんだよ!」


「そうだね、幸いにもちょうど祭りでたくさんの人が集まっているんだ。みんなの力を借りよう!」


 ニックも同意すると、サツキさんは逃げ惑う周囲の群衆に向かって声高に叫ぶ。


「あの暴れている魔物を眠らせるとか、体を痺れさせるとか、とにかくなんでもいい。ここにあれと戦える魔法使いはいないかっ!」


 その呼びかけに反応したのか、どよめく群集の中から男性が一人飛び出した。

 どうやら彼は魔法使いらしく、その顔は自信に満ちていた。


「こういうときこそ俺様の出番だな?」


 格好付けるように髪をかき上げた彼は魔物に向かって立ちはだかると、右手を突き出しながら勇ましく叫ぶ。


「魔物よ、こいつを食らえ! 我が魔法、オンアルコール!」


「ヒヒーン!」


 彼が繰り出したのは、オンアルコールという名の魔法らしい。

 前方に向けた彼の右手の指先から、小麦色をした大量の水がほとんど一直線に放出された。

 その魔法攻撃を真正面から全身に受け、何らかの効果が現れたのか、魔馬が身震いをしながらいなないた。目はうつろで歯はむき出しとなり、鼻息も荒くなる。


「おお、なんだか魔物が苦しんでいるぞ! 成功か?」


「して、お前の魔法にはどういう効果が?」


「良くぞ聞いてくれた! 俺様の魔法であるオンアルコールはなぁ、……使った相手を酒に酔わせてしまう魔法さ!」


「ブヒヒーン!」


 彼の得意げな説明が終わると同時、馬の魔物は荒々しく前足を持ち上げながら、声高らかにいなないた。

 先ほどよりも威勢がいい。どうやら効果覿面だ。

 ただし、どちかかといえば悪い方向に。


「おい、魔物のテンションがあがっているじゃないか!」


「バカ野郎! 暴れ馬をより激しく暴れさせてどうするつもりだ!」


「いやしかし待ってくれ、かつてはデビルスネークという八本頭の蛇の怪物を酒に酔わせて退治したという逸話があってだな……」


「怪物が出てくる昔話なんて都合のいい作り話だろ! そんなもん信じて参考にすんな!」


「ええい! 他に、他に魔法使いはいないか!」


 誰かが発した呼びかけに、今度は女性が飛び出した。

 自信を表したような胸の張りと、町の無能な男どもを見下す冷たい目つきが目立つ。そして出番を待ちかねていたと言わんばかりに鳴らす指が注目を集める。

 どうやら彼女も魔法使いらしい。

 彼女も勇敢に魔物に向かって立ちはだかり、背筋を伸ばした美しい仁王立ちの姿のまま叫ぶ。


「おひょひょひょ、それではいよいよ、この私の出番ですわね?」


「ああ、もう誰でもいい! とにかくあいつをなだめてくれ!」


「言われなくても、おひょひょひょ、私はやらせていただきますわぁ!」


 そう嬉しそうに言って、彼女はさらに魔物に向かって一歩飛び出す。

 目を見開いた馬が彼女の動きに反応して顔を向けると、彼女は意識を集中させてこう叫んだ。


「おっひょっひょ、さぁ食らいなさい! 私的野菜生産魔法、ニンジン!」


 勢いよく開いた両手を前に突き出すと、その手を中心にして、辺りが不思議なオレンジ色の光に包まれる。

 その夕暮れのような光が輝きを増しながら先端の一箇所に収束していくと、それは段々とオレンジ色をした実体を帯びていき、彼女の目の前へと、ある形を伴って具現した。


「これを食らいなさい!」


 見間違えるはずもない。それは立派なニンジンである。


「ブルブル……」


 彼女が魔法で生産した一般的なものより一回りほど大きなニンジンを目の前にすると、魔馬は警戒心をむき出しなまま近づけた鼻をひくひくさせて、まるで品定めするかのようにニンジンのにおいを嗅ぐ。

 それからわずかに舌を出して、味見のつもりか表面をなめる。


「かぷっ」


 固唾を呑んで見守る俺たちと同様に、しばらく魔法で作り出されたニンジンの様子見をしていた魔馬ではあったが、魔物とはいえ己の食欲には抗えなかったのであろう、最後には遠慮なくニンジンにかぶりついた。

 その姿を遠巻きに見ていた人々からは次々と喜びの声が沸きあがる。


「やった、ついに魔物がニンジンを食ったぞ! さすが馬の魔物だ!」


「よかった! それで、あのニンジンにはどんな効果が?」


 尋ねられた彼女は高らかに笑い、堂々と胸を張って答える。


「おひょひょ、栄養価たっぷり、抜群の歯ごたえ、文句なしの濃密な味! ……そう、あれは完璧なニンジンよ!」


「ヒッヒーン!」


 提供されたニンジンをすっかり食べ終えた魔馬は、それが何よりの好物だったのか、再び前足を高々と持ち上げて威勢よくいなないた。

 心なしか顔色がいい。


「うわぁ! ますます馬が元気になった!」


「おひょひょひょ、さすがは私のニンジンねっ!」


「いいからお前は下がっていろ!」


 どうやら今度も魔物をおとなしくさせることには失敗したようだ。

 というより俺は心配になった。

 ひょっとするとこの町にはまともな魔法使いがいないのだろうか?


「くそ、他にはいないのかっ!」


 焦った様子でサツキさんは周囲を見渡すように視線をめぐらせるものの、彼らの他には暴れる魔物に対抗できるような魔法を使える人もいないらしい。

 次に名乗り出る者は一人もいなかった。

 とはいえ、このままでは馬の魔物が暴れまわって町を滅茶苦茶に破壊してしまうかもしれない。

 俺は助けを求めるように、横にいる二人を見比べながら叫んだ。


「ニック!」


「駄目だごめん! 僕は魔法なんて使えない、ただの一般騎士なんだ。だから僕にはあの魔物となった馬を剣で切り殺すことしか出来ないよ!」


 殺すも何も、たぶんニックだと返り討ちにあいそうだが。


「それじゃあ、サツキさん!」


「すまないがアレスタ、今の俺は魔法を使うことができない」


「で、ですが……。いや、もうこうなったら俺がみんなの盾になります! どうか俺がくたばる前に誰か何とかしてくださいねっ! ……では!」


 そうやって、半ばやけくそ気味な口調で周囲に言い残すと、俺は今にも町の人々に襲い掛かろうと構えていた馬のもとへ駆け出した。

 そこにためらいはない。自分でも驚いた。

 毎度のことながら後先なんて何も考えていないけど、何とかしてみせるしかない。


「ブルルッ!」


 うごめく群集から飛び出して目の前へ立ちふさがった俺の姿を、いよいよ凶暴な魔物と化した馬が鼻息荒く見据える。

 その目は血走り、獰猛さがうかがえる。

 こうして正面からその巨大な姿を見てしまうと、さすが本物の魔物、迫力満点だ。八本腕のデッシュとはまた違う恐怖を感じてしまう。


「でも、だからこそ俺がみんなを守らなきゃ」


 かといって俺は戦闘経験があまりに少ない。自分の力を信じるには判断材料が少なすぎた。魔馬を前にして恐れがないわけではない。ためらいがないわけではない。もちろん今すぐにでも逃げ出したい気持ちだっていっぱいだ。

 しかし俺の決意はすでに終わっている。

 それが今の自分にできる唯一のことなら、ここでためらう必要はない。

 戦って勝つことなど望み薄であろう俺が考えるべきことは、ひとまず時間を稼ぐことだった。


「ヒヒヒーン!」


 魔馬は前足を高く掲げると、俺に向かって勢いよく振り下ろす。

 その動作を冷静に見極め、とっさに横へ向かって飛び退け事なきを得た俺だが、慣れない動きのせいでバランスを崩し不恰好に倒れこんでしまう。

 そこに、容赦ない魔馬の追撃が加わる。

 低く落とした鼻先が近づいてきて、地面に倒れた俺を目掛けて大きく振り上げられる。


「ぐわぁ!」


 すると俺の体は魔馬による体当たりの強い衝撃によって、まるで地面を転がるように吹き飛ばされる。

 空中を浮いていたのは一秒にも満たない。しかし飛距離は成人男性およそ三人分ほどで、低い弾道で勢いよく弾き飛ばされた俺の体は着地とともに地面をこすり、生じた摩擦熱がむき出しの肌を襲う。

 かろうじて反応が間に合った両腕で庇って頭に衝撃が伝わるのだけは防いだが、防護壁となった両腕は擦り切れたらしく真っ赤な血にまみれ、感覚を失った指先は上手く曲がらず、おそらく腕のどこかを骨折したのだろう、わずかに遅れて鈍く激しい痛みが襲ってきた。

 さらには魔物から吹き飛ばされたことにより、俺の体は空中でどちらかの方向へぐるりと回転したらしく、痛みと動揺に混乱してしまった頭では、すぐに上と下がわからない。ゆえに地面を支えに足を踏ん張ることさえ満足に出来なかった俺は、そのまま地面に倒れたまま這いつくばる。

 周囲からは悲鳴が上がる。逃げ惑う人々の雑踏が縦横無尽に広がり、急速に立ちこめたのは不穏な空気だ。

 普通に考えれば九死に一生の窮地にあった俺は、しかしどこか確信めいた安心感があったのかもしれない。

 ――治癒魔法。

 ズキズキする両腕の痛みに意識を乱されることなく、ゆっくりと精神を己の右手に集中させる。頭の中でイメージするのは、初めて治癒魔法を使ったあの瞬間だ。

 死にたくない。生きていたい。生きてみんなを守りたい。


「よし!」


 瞬く間にとはいかないものの、全身を覆っていた傷や痛みは、右手をかざしていると次第に引いていく。

 全身で感じるのは強い魔力であり、胸に抱くのは希望。

 そして心で信じるは、自分が持つ不思議な力だ。


「これ、やっぱり治癒魔法かな?」


 全身の傷が完全に回復して命の無事を確認すると、改めて自分が使った治癒魔法に対して一人感慨に浸っていた俺だったが、


「――ぐわあっ!」


 現実は都合よく待ってはくれない。

 すっかり治癒魔法に執着するあまり、うっかり意識の外に追いやって忘れていた魔物からの追撃が直撃して、運悪く俺のわき腹に炸裂した。呼吸が止まり、言葉を失い、治癒魔法で回復したばかりの体が悲鳴を上げる。

 そういえば今は魔馬との戦闘中だった。相手は本能的に俺の命を狙っている。のんびり落ち着いて治癒魔法など使っている余裕など存在しない。

 俺は危機感に焦った。


「ちょ、ちょっと待ってくれ! せめて俺が治癒魔法を使うまで!」


 と、俺は激痛を訴える脇腹を右手で押さえつつ後ずさりする。

 治癒魔法を使うにも、並々ならぬ集中力を必要とする。危険極まりない敵のそばで使っている余裕などなかった。

 そのため、敵の攻撃からパターンを読んでうまく逃げ回りつつ、攻撃の届かない安全圏でちょっとずつ治癒魔法を使用し続ける羽目になる。

 しばらくはそれでなんとかなっていたが、さすがに俺は確実に追い詰められてしまう。魔力にも体力にも限界があるのだ。

 もちろん相手が俺に気を遣って攻撃の手を緩めてくれるわけもない。もしもそんな気心が魔物に存在するのなら、そもそも人を襲うこともなかっただろう。

 本当に思う。言葉が通じるなら対話で解決を図りたいところだった。


「くはぁ! ギリギリだ! 俺が負傷するのと治癒魔法を使って回復するのが、ギリギリのバランスで保たれているっ!」


 そのおかげで俺は魔物から逃げ回りながら苦痛だけが長続きする。

 負傷しては治癒、治癒しては負傷する。もう最悪だ。

 この地獄的な状況から早く助けて欲しい、俺がそう願ったときだった。


「大丈夫ですか!」


「そ、その声は!」


 俺と巨大な魔馬での一対一となっていた戦場に響いた声。さては救世主かと、その人物に期待して俺は頼り切った顔を向ける。

 俺の記憶が正しければ見覚えがある。その勇敢な女性はニックがサラと呼んでいたヴァイオリンを弾く騎士だった。

 しかし彼女が本物の騎士という確証はない。もしかしたら騎士の格好をしただけのヴァイオリン弾きかもしれぬ。

 だが今は些事に構っている場合じゃない。突如として颯爽と目の前に現れた彼女は、まるで魔物の攻撃から俺をかばうように前に出ると、そこで腰を低く落とし、荒れ狂う魔馬に対して何かの構えをとった。

 一瞬にして引き締められる空気。弦のようにピンと張り詰める。


「皆さん目を閉じてください! 今から私が強烈な光を放ちます!」


 彼女がそう叫んだ瞬間のことだ。きつく目を閉じていても伝わってくるほどの強い光がまばゆき、彼女の構える剣先から放たれた光の波は、まっすぐ魔馬に襲い掛かった。

 あまりに強く激しい閃光に、言いつけどおり目を閉じていたはずの俺すらも視界が真っ白な光景に包まれ、そのまま目がくらんでしまう。

 一方、目を閉じることもできずに彼女の魔法による光が顔へと直撃した魔物は不快な声で鳴き喚いた。

 どうやら閃光にさらされて一時的に視界のすべてを奪われたらしく、戦意を失ったのか、倒れるようにその場にへたり込んだ。


「さあ、私の魔法が効いたようです! 後は誰か、あの馬を抑えてください!」


「大丈夫だ、向こうから騎士の増援が来たみたいだぞ!」


「えっ?」


 いつの間にか俺たちの周囲に復活していた野次馬の向こうから、騎士の増援がやって来たらしいとの声が飛び込んでくると、魔物に対してすっかり勝ち誇っていたサラさんは急にうろたえだした。


「まさか、イリアス隊長でしょうか? まずいですね、見つかる前に立ち去りましょう!」


 彼女は一人で納得してうなずくと、一目散に走り去る。

 そのあまりに見事な走りっぷりは、彼女が使用した光り輝く魔法に負けず劣らず、光のような速さだった。


「みなさん、大丈夫ですか!」


 続いて不安そうな声を上げながらこの場に駆けつけてきたのは、イリアスを先頭とする三人の騎士である。

 どうやら、この大通りの騒ぎを聞きつけてやって来たらしい。


「魔物がそこに、今は脱力しておとなしくなっていますが……」


「わかりました。後は我々騎士にお任せください」


 てきぱきと手馴れた動きでおとなしくなった馬を魔法製らしい特殊な縄で縛りつけると、その魔物を引っ張るように、彼女の背後に控えていた二人の騎士が協力しながら大通りから連れ出していった。


「さて……」


 ただ一人、責任者としてこの場に残ったイリアスが、ため息混じりに俺たちを振り返った。


「これは一体なんの騒ぎですか?」


 その顔は呆れているようにも、怒りに震えているようにも見える。


「見ての通り、ま、魔物騒ぎだよ」


 ブルブルと足を震わせながら、言い訳をつぶやくのはニックだ。イリアスを前にして怖がっている様子を見ると、何か思い当たる節があるらしい。


「ニック、あなたは確か午後から祭りの警備担当でしたよね? そして彼の監視役でもある」


「そうだね、午前の任務は武器庫の掃除だったけれど」


「それで、今は何を?」


「実は、ちょっと、ごにょごにょ……」


 とはニックの口ごもった声なき声で、言葉に困って誤魔化そうと努力しているのだけが伝わってくる。


「……え?」


 イリアスは腕を組んだまま、威圧感たっぷりにニックの目を睨み続ける。

 そんな彼女を前にして浅知恵による抵抗は無意味だ。

 ついに観念したらしいニックは、俺とサツキさんを横目でちらちらと見ながら、申し訳なさそうに白状した。


「ちょっとね、さっきまでみんなと一緒になって遊んでいたのさ」


 少しだけ悪びれた風なニックの口調が癇に障ったのか、イリアスは割と本気で怒り始めた。


「本来なら! 騎士として! 事態を収拾するべき立場の人間が! こともあろうに! こんな騒動の! 原因になってどうするんですかっ!」


「落ち着いてよ、イリアス。偶然騒動の現場に居合わせたから原因のように思われるかもしれないけれど、実際のところ僕は何もしていない」


 それはそれで問題だ。騎士だろう、お前。


「いいから黙って! ちょっとニック、そこに座りなさい! 当然ながら! 地面に正座ですよ!」


 言葉通りの指示に従って、冷たい石畳の上に小さくなったニックは正座させられると、腰に手を当てたイリアスにこっぴどく叱られた。

 ところが出来損ない騎士は無駄にずる賢い。ニックはこの期に及んでも彼女の説教から言い逃れようと、ふと思い出したようにつぶやく。


「あれ、そういえば騎士っていうならさ、さっきまでサラもこの場にいたんじゃないかな?」


「サラだって? ああ、彼女ならイリアスの名を聞いた途端、“やばい”って顔をして一目散に逃げ出して行ったぞ」


「サ、サラの奴……! 怒られると思って逃げたんだ、警備をサボってヴァイオリンの演奏なんかしてたことが知られると思って!」


 サツキさんから逃げ出したという事実を教えられ、ニックはサラの名を恨めしそうにつぶやくが、


「人が! 話をしているときに! きょろきょろ余所見をするとは何事ですか!」


 もちろんイリアスに激怒されてしまう。


「いや、だってさぁ!」


「騎士たる男が“だって”とはなんですか! 言い訳など見苦しい!」


「す、すみません」


 ニックはイリアスにまるで頭が上がらない。すっかり萎縮してかしこまった。

 そんなニックを苛立たしげに見下していたイリアスは、大きく深呼吸するとこう言った。


「……この際ですから徹底的に言わせてもらいましょうか。そうですね、私はひとまず同じ騎士としてニックを説教しますから、あなたたちはもういいですよ」


「あ、ありがとう。それじゃよろしく」


「え? 残されるのって僕だけ?」


「当たり前です! こら、勝手に立たない、そこに跪きなさい!」


 そうしてイリアスから無事に許しが出され解放された俺たちは、今も一人だけ残されて地面に正座を続けるニックを見捨てて、逃げるようにその場を離れた。

 とにかくイリアスは騎士の立場として厳しくニックを追及したのだろう。

 周囲を気にせず語気を荒げた彼女に対して、意外にも町の人々は寛容だったらしく、こんな騒ぎがあってもなお、記念祭の雰囲気を楽しんでいた。

 感慨に浸っていた俺の肩を、サツキさんが控えめに叩いてくる。


「それよりアレスタ、お前は治癒魔法が使えるんだよな? さっきも魔物との戦いで……いや違うな、お前ちゃんと戦えてなかったもんな。逃げていたと言ったほうが正確か。……とにかく、ずっと魔物から逃げ回っていたときも、自分の怪我を治癒魔法で治していたみたいだし」


「はい、たぶんそうですね。もしこれが厳密には治癒魔法でなかったとしても、限りなくそれに近い魔法だとは思います」


「だったらちょうどよかった。ほら見ろよ、そこら中に怪我人がいるだろ? だからアレスタ、お前の治癒魔法で彼らを助けてやれよ。不幸中の幸いなことに、あんまり深手を負っているような人はいないみたいだが、それでも今すぐ治癒魔法で治せるのならそれにこしたことはないだろう」


「本当ですね。わかりました、やってみます」


 大通りや広場の片隅には、先ほどの魔物騒ぎで怪我を負ったのか、痛みを我慢するようにうずくまっているような人の姿をちらほらと確認することができた。

 彼らの役に立てるかどうかはわからないけど、この際だから試してみよう。

 そう思って俺は遠慮がちに彼らへ声を掛ける。


「あの、すみません。ひょっとして怪我でもしているんですか?」


「え? ああ。ちょっとしたすり傷だがね」


「ちょっと見せてください。……確かに怪我をしていますね。あの、いきなりで申し訳ないですが、よかったらちょっと俺の治癒魔法を試してみてもいいですか?」


「はぁ、治癒魔法だって?」


「はいそうです。残念ながら、まだ本物の治癒魔法だという確証はないんですが、俺は自分の怪我を魔法で治せたんですよ。だからもっといろんな人で魔法の力を確認したくて」


「へえ。それはちょっと興味深いな。いいよ、試してくれて」


「ありがとうございます」


 俺は彼に向かって頭を下げると、そっと自分の右手を彼の傷口にかざしてみた。

 浅く、深く、緩やかに呼吸を繰り返し、目を閉じて集中する。


「あれ? おかしいですね……」


 だがおかしい。その後いくら治癒魔法の反応を待ってみても、彼の怪我が治っていくような気配が全く感じられなかった。

 俺の右手には確かにいつものように魔力が流れる感覚があるのに、それが相手にはうまく伝わっていないようなのである。


「無理しなくてもいいぞ? 治癒魔法なんてもの、普通は使えなくて当たり前なんだ。君の気持ちだけで十分ありがたい。あはは、感謝しているよ」


「はい……。お役に立てず、すみません……」


 その後も何人か怪我人のところへ駆け寄って確かめたものの、やはり俺はそのうちの誰一人として治癒魔法で治療することができなかった。

 浅い擦り傷でさえ、俺の治癒魔法に対して反応することはなかった。


「アレスタ、どうだった?」


 結局試みた治癒魔法はすべて不成功に終わり、何もできずに落胆してもとの場所に戻ってきた俺をサツキさんは明るい顔で迎えてくれたのだが、きっと答えなくても結果がわかっているのだろう。

 励ますような声。優しい人だ。


「すみません、駄目でした。俺の治癒魔法、なぜか他人には使えないみたいです」


「そうだったか。しかしまぁ誰だって最初は魔法の力が弱くて当たり前なんだ。みんな何度も練習していくうちに魔法の能力が高まっていくんだからな。きっと、お前の治癒魔法もそのうち効果が高まっていくのかもしれないぜ」


「そうですね、期待することにします」


 それなら、いつか俺にも誰かのために治癒魔法が使えるのだろうか?

 今はまだ夢半ばに期待することしかできない。その期待をいち早く実現するためにも、やはり魔法の練習もしくは修行を重ねる必要があるだろう。

 そんなことを真剣に考えていると、ニックが疲れたような顔で俺たちのところへ戻ってくる。


「君たちはいいよねぇ、イリアスから怒られる必要がなくてさ……」


「ニック、相当きつく言われたみたいだね……」


「それはもう、ひどかった」


 イリアスの説教を思い出したらしいニックがどんよりと肩を落としていると、


「いやぁ、あんたら。騎士の姉ちゃんにこってりしぼられていたみたいだな」


 などと言いながら、やっとのことでイリアスの説教から解放されたニックと合流した俺たちのもとへ、ひげ面のおじさんが愉快そうな笑顔を携えてやって来た。


「本当にひどい災難だったよ……。まさかイリアスが来るなんてさ」


「がっはっは! しかし祭りのおかげでこの辺りも大盛り上がりだったし、魔物騒ぎも解決してもらったみたいだし、すごく助かったぜ!」


「へぇ、お役に立てたようで何よりだ」


 なんでそんなに胸を張るんだ。ニックは何もしてなかっただろ。


「それでお礼といっちゃなんだが、大通りの商業組合がさ、お前たちをこのまま祭りの打ち上げに誘うって言うんだが、どうだ? 参加しないか?」


「打ち上げって、さっきまでの祭りであれだけ騒いだっていうのに、まだ騒ぐつもりか?」


 サツキさんは呆れたように肩をすくめたが、おじさんは肩を揺らして誇らしげに笑う。


「楽しめるときには盛大に楽しむ。夜通しだろうがお構いなしだ!」


「うへぇ、僕にはきつそうだね、それは」


 元気なおじさんとは対照的に、ニックはすでに疲労困憊に見えた。


「ま、いいからお前らも参加しろ。一緒に盛り上がろうぜ!」


「……って、ああ! 僕の手を引かないでくれたまえ!」


 暴れるニックは抵抗もむなしく、ひげのおじさんに手を引かれていく。


「サツキさん、俺たちはどうします?」


「おごってくれるんだろ? とりあえず食わせてもらおうぜ」


「そうですね、そうしますか」


 とりあえず俺たちも打ち上げに参加させてもらうことにした。

 騒ぎながらどこかへと去って行くおじさんとニックを、俺とサツキさんは笑いながら追いかけた。

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