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俺はどうやら、死ぬらしい

俺は橘 伊織、25歳、男、会社員。


そこそこの大学を出た後そこそこの企業に就職したつもりだったが

そこはいわゆるブラック企業だった。


有給は勝手に使えず、出勤したその日が有給だったり。

希望休はよほどの理由がなければとれない。

残業で日を跨ぐのなんてざらだし。

休日出勤だってよくある。

今だってその道中だ。


昨日はついに人間の尊厳を失った。

上司の失敗が丸ごとふりかかり、誠意を見せろと言われて土下座したら足りねぇって言われて、脱いだ。

んでおっさんがおっさんに対して脱げなきゃなんねえんだよ、何の罰ゲームだよ。あぁ、俺がミスしたことになってんだっけ?クソが。


時刻は朝4時半になる頃

周りには同志達がくたびれた顔をして一様に並んで電車が来るのを待っている。


虚しさが風と共に吹いてその冷たさに目を細めた。

その視界の端をなにかが舞う


蝶だ。


冬が近いこんな時期に珍しい、あまりにも美しい蝶だった。


 『まもなく


蝶は俺の目の前をひらりひらりと妖艶に舞う。


 3番線に


手を差し出すと誘惑的にそれを避けて舞う。


 電車が参ります。


俺は、あの蝶がどうしても欲しくて、

           手にしたくて、

            手を伸ばして、

               伸ばして、



ホームに

    足

      を

        滑

         ら

          せ

           て


  落


 ち





   た


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