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蜜蜂を飼う人

最新エピソード掲載日:2026/04/11
三部構成。第一部の語り手は志水洸太郎、四十七歳。「田舎に移住して妻は変わった」の一文で始まるが、変わったのは妻の内面ではない。彼は妻の咲良を殺害して移住先の床下に遺棄し、その替玉に最新型AI搭載のヒューマノイドを購入、「サチ」と名付けて暮らしている。しかしサチ内蔵の法を守るシステムが作動し水面下で調査が始まる。SFであることも含め語り手の犯罪とサチの調査は第一部で語られないが、読者が注意深く読めば物語が二一〇〇年だと特定できる。隣に移住してきた梶本とサチの接近に嫉妬した彼は、サチを抱くことで優越感を得るが、梶本が殺した妻の名を知っていたため殺害。熊による失踪に見せかけるため、深夜に彼のバイクを山奥に放置しにいく。最終場面で読者はサチが人間でないこと、現代劇でなかったことを知る。
 第二部の語り手は調査会社の鍛治賢人。彼は資産家の婚約者をイケメンの恩田に奪われ、その恩田がヒューマノイドであると知る。同時期に咲良の不倫相手から調査依頼を受ける。調査を進め志水夫妻が田舎で無事に暮らしている情報を得て、調査は一旦終了する。しかしサチのシステムにより、恩田を介して田舎で暮らすのは替玉であり、咲良遺棄の証拠を得るための協力を求められる。鍛治は梶本と名乗り、田舎に居を移す。サチの手引きで敷地内を捜索するが見つからず、彼はしだいにサチに惹かれていく。サチが隠された床下から咲良遺棄の物証を得るが、鍛治は受け渡しの夜に消息を絶つ。
 第三部の語り手は警察官の挽地。彼は鍛治の消息が途絶えたため捜査を始める。志水が鍛治のバイクを放置するため外出した夜、サチの手引きで床下を捜索し咲良の骨を発見、さらに納屋で鍛治の死体も発見する。納屋に入る際、サチは窓ガラスで衣服が切れる。帰宅した志水はサチが乱暴されたと思い、憤怒し挽地を襲う。間一髪サチが助けに入り、志水は彼女に投げ倒される。志水は逮捕されたが、挽地はある疑念を抱く。それはサチが己の維持費が不十分という理由から、志水が長期刑に処されるよう、鍛治殺害をあえて防がなかったのではないか、という考えだった。
 物語には二つの暗喩が含まれる。①都会の生活をリセットして移住した志水と鍛治の行動はニホンミツバチの「逃去」という習性に、②自らが購入したヒューマノイドによって犯罪を暴かれ、投げ倒される筋立てはイソップ童話の「蜜蜂を飼う人」になぞらえられる。
桜と蜜蜂の家
2026/04/11 15:48
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