雨の日のご馳走
しばらく雨が続いている。
市は相変わらず立っているが、行き交う商人は少ないのか、数が減って来た。
道はぬかるんでいるし、何もなくてもこういう時は危険だ。
商人が動かないと俺も仕事が無い。
だが池に行くとカエルがたくさんいたので、腹の足しに袋いっぱい捕まえた。
フランに少し分けてやろうと宿を訪ねたら、彼は袋の中を見るなり悲鳴を上げた。
人間でもカエルを食べる奴はいるが、普通は食べないそうだ。
鳥を食うならこれだって似たようなもんだぞ、と言うと余計に涙目になった。
いじめたつもりは無いが、フランには見るのも嫌なものらしい。
なら料理してやるから、と皮を剥いていると、フランは買い物に出かけた。
戻って来た時はパンと、瓶に入った何かの粉や草の葉を持っていた。
スパイスやハーブと呼ぶもので、料理を美味くしたり体の調子を整えるものらしい。
皮を剥き終えたカエルにそれらを振りかけると、共用の台所でこんがり焼いた。
半泣きだったフランは、焼き上がって来ると少し落ち着いた。
部屋に戻って、パンと昼の残りのスープを用意し、一緒に食べた。
最初は恐る恐る口を付けたフランは、食べ始めると驚いたようだ。
腹が減っていたのか、次々焼いたカエルを口にした。
そして食べ終わる頃には「美味しかった」と満足そうに頷いた。
だが「また今度取って来てやるよ」と言うと、「それは遠慮しておく」と即座に言われた。
なんでだ。