フランの帰国
ハラドには着いたが、フランが探している防寒着はなかなか見つからなかった。
到着してから三日になるが、目的の物がないという。
俺に至っては、そもそも着られる大きさのものが揃わない。
オークは他種族に比べて体が大きいせいだろう。
やはり来年まで予定を伸ばそうか、とフランは言い出した。
だがここまで来て、今さら引き返すのは気が乗らない。
組合に行ってみると、北への護衛の仕事は余るくらいあるという。
何とかならないか、と毎日のように街を回った。
だが今日の昼になって、一羽の鳥がフランの所にやって来た。
手紙を運ぶ鳥で、足に細い筒があり、中に丸めた手紙が入っていた。
学者たちは大陸中を旅して研究するため、「翼と爪」と呼ばれる組合と同じような組織があるらしい。
だが基本はどこかの国に属していて、資金はそこから出るそうだ。
その国から呼び出されたので、戻らなければならないという。
頭を抱えるフランに、「俺は俺でどうにかするから戻れ」と言った。
金を絶たれると困るのは彼だ。俺は護衛で稼げる。
フランの探しているものは見つからないようだが、防寒着そのものはあるのだ。
それにまだ暑い今の内なら、行ってすぐ戻ればいいだろう。
「これ以上はあまり北に行かないようにね。すぐ戻るから」
と言ってフランは南東へと戻って行った。
一応頷いて別れたが、そのまま北へ向かう仕事を受けた。




