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目が覚めた。
腹が空いた。
近くに何かが居るようだ。
匂いを探る。
居た。
旨そうな肉だ。
涎が溢れる。
気配を殺して奴に近付く。
肉が気付いたようだ。
もう遅い。
牙を立てる。
肉だ。
肉だ。
肉だ。
血が溢れる。
奴を殺せ。
肉が暴れる。
振り払われた。
渾身の力で噛みついていたが、死に損ないの馬鹿力が働いたようだ。
どうするか。
放っておいても死ぬだろう。
もう一度やるか。
肉が動く。
死に損ないとは思えない俊敏な動き。
逃げる気か。
逃げても死ぬだけだというのに。
追うか。
歩みは遅い。
待て。
何か。
居る。
目を取られた。
瞬間的な嫌悪…いや、恐怖だった。
アレは何だ。
アレは何だ。
アレは
腹に痛みを感じた。
肉が振り向き腹に角を突き立てている。
どうでもいい。
アレは…?
居ない。
目が見えない。




