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螺旋の輪廻  作者:
14/22

-02

おはようございます。

今日の天気をお伝えします。

今日は晴れ時々曇、所によっては小雨が降るでしょう。外出する際は折り畳み傘を持っていくと良いでしょう。

最高気温は13℃、最低気温は4℃となります。

お出掛けの際は、上着を忘れないようにしましょう。


今日も仕事だ。

何が悲しくて日曜日に出勤しなくてはならないのか。

何故上司の尻拭いで休日出勤しなくてはならないのか。

理解出来ないし、したくもない。

しかも、今日は雨が降るかも知れないという。憂鬱な気分になる。


嫌々ながらもスーツを着る。

仕事着だ。どうせなら日曜日という事でカジュアル着で出勤したいがそうもいかない。

思わずため息が出る。



「おはようございます」


庭で植木の世話をしていた隣人の林田さんに挨拶をする。


「おはよう。あら?高崎さんは今日も仕事?」

「ええ。ちょっとした野暮用で」

「まぁ、大変ねぇ。斜向かいの海沢さんの息子さんは先週やっと就職先が見つかったーってスーツ着て喜んでいたのよ」

「そうなんですか。でも、暫くするとスーツなんて着たくないとか思うようになりますよきっと…」

「経験者は語るとか言うやつね。ま、お仕事頑張ってね」


林田さんと別れ会社への道をゆるゆると歩く。

ヤバイ。何か雲ってきた気がする。

雨は嫌いだ。靴がややヘタってきているので、雨で浸水する事があるのだ。


雨雲のような厚い曇ではなく、太陽が僅かに覗く薄い曇り空だが、油断は出来ない。


ん?何か光ったような………あ?




******




目の前に現れた発光する物体。

何だろう…SF映画でよく見る宇宙船なんだろうか。何となくUFOっぽい。


「…はぁ…変な物降ってきたな…………ん?」


自然と溜め息が出る。

ガチャリと何かが外れる音がすると、UFOっぽい物体に丁度ヒト一人分程の大きな穴が開く。

そこから現れたるは自ら発光する…………ヒト…?


『ワレワレはぁチキュウジンだぁ』


………よく分からない。

UFOっぽい物から宇宙人っぽい者が出てきて未知との遭遇かと思ったら、地球人だと自称するよく分からないナニか。

理解出来る範疇を越えていた。


『Hey!そこな地球人Yo!!ワターシの名前は怜詩(レイシ)。高高度に浮かぶ揺り篭(タワー)から異文化交流のために個人用大気圏突入騎(テキゲキサンクラ)を駆って地上に降り立った空人だYo!!』

「…はぁ?」

『Yo!!ノリが悪いYo!!重力圏の人は自由意思を地球磁場に囚われているのかNa!?』

「………はぁ」


正直付いて行けないテンションだった。

宇宙人の文化はよく分からない。

とりあえず、こういう時は…


「もしもしポリスメン?」

『いきなり警察機関に通報するのは酷いとお姉さんは思うYo!!少しは異文化交流を楽しもうという発想は無のかNa!?』

「いや、俺、これから仕事なので詳しい事は公的機関にでも宜しくお願いします…」

『釣れない事を言うなYo!!お兄さんとワターシの仲じゃないka!!』


いや、そういうの…いいんで…理解出来ないのは上司だけで間に合ってるんで…

嫌で嫌で仕方なかった休日出勤も訳の分からない物体を見ると、休日出勤の方がよっぽどマシだと思う不思議。無性に会社に行きたい。


『仕方ないYo…チャンスだと思ったけど、お兄さんにノリ気が無いなら此方にも考えがあるYo…手荒な方法は取りたくなかったけど…逃がす訳には行かないんだよね』


「…………は?」


身体に痛みが走り、意識がブラックアウトした。




******




『…えぇ。はい。回収しました。これより帰還します。大丈夫です。監視の目を絶った上で空間を切り離しました。恐らく■■はまだ気付いてはいないでしょう。……はい。陽動隊の皆さんの働きがあってこそです。………では、code:0000は(タワー)に帰還します』


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