表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/63

第33話『模倣者の呼び声』

 拠点から数キロ離れた荒野。

 ゴルドフ商会の一行は、意気揚々と帝都へ向かっていた――はずだった。


「おい、どうした! もっと速く走らんか!」


 後部座席でゴルドフが怒鳴り声を上げる。

 だが、運転席の部下は青ざめた顔で計器盤を叩いていた。


「だ、ダメです! アクセルが反応しません!

 エンジンの温度計が……ありえません、レッドゾーンを振り切っています!」


「なんだと!? 故障か!?」


「いえ、冷却水が沸騰して……うわっ、黒煙が!」


 プススン……ボシュゥゥッ!!


 ボンネットからどす黒い煙が噴き出した。

 それだけではない。

 ガタガタと激しく振動していた車体が、唐突に悲鳴を上げた。


 バキィッ!!


 凄まじい金属音が響き、車体がガクリと傾く。

 タイヤがフェンダーにめり込み、そのまま砂地へと沈んでいく。


「ひぃっ!?」

「な、何が起きた!?」


 ゴルドフたちは慌てて車外へ飛び出した。

 そこで彼らが見たのは、無惨な姿になった『ギガ・フロスト・ドラグーンカスタム』だった。

 自らの重さに耐えきれず、強化サスペンションと車軸がへし折れ、腹を地面に擦り付けている。

 まさに「座礁した鯨」だ。


「な、なぜだ……!

 さっきまで、あんなに軽快に走っていたのに!」


 ゴルドフは呆然と立ち尽くし、熱を帯びたボンネットに手を伸ばした――が、「アチッ!」と叫んで引っ込めた。

 目玉焼きが焼けそうなほどの高温だ。


「くそっ、あのガキ共め!

 不良品をつかませおったな! こんな鉄屑に何の価値があるというのだ!」


 彼は地団駄を踏み、動かなくなった鉄の箱を蹴り飛ばした。

 だが、鉄屑はピクリとも動かない。

 魔法(運用者)を失った最新技術は、ただの重たくて熱いゴミでしかなかった。


 ◇


 一方その頃。


『――やあケント君!

 どうしたの? 面白い話って?』


 画面の向こうで、フィアンが目を輝かせていた。

 どうやら、俺からの連絡を心待ちにしていたらしい。


「お前、前に『トラックの構造を知りたい』『分解したい』って言ってたよな?」


『うん! 言ったよ!

 もしかして、触らせてくれるの!? 分解していいの!?』


 フィアンが身を乗り出し、画面いっぱいに顔が近づく。

 食いつきは上々だ。


「もっといい提案がある。

 『共同開発』だ」


『きょうどう……かいはつ?』


「ああ。俺のトラックは今、悪い奴に奪われちまってな。

 だから、新しいのを作る必要がある。

 ……お前の持ってる『帝国最高の技術』と『素材』。それを俺の『理論』と組み合わせれば、前のトラックを超える最高傑作が作れると思わないか?」


 俺の誘い文句に、フィアンの動きが止まった。

 数秒の沈黙。

 そして。


『――最高だね』


 フィアンの顔が、無邪気な子供の笑顔から、マッドサイエンティストのそれに変わった。


『行く! すぐ行くよ! 待ってて!

 あ、素材だね? 研究室にあるやつ、とりあえず全部持っていくよ!』


 ブツンッ。

 通信が切れた。


 ◇


 直後だった。


 ズドォォォォォォォォンッ……!!


 遥か彼方、帝都のある北の方角から、何かが爆発したような轟音が響いた。

 空気がビリビリと震える。

 空を見上げると、雲を引き裂いて迫ってくる「何か」の軌跡が見えた。


「……早えよ」


 俺は苦笑いして空を仰いだ。

 気が早い野郎だ。

 まだ「来てくれ」と言ってから十秒も経っていないぞ。


「マスター……。あれ、転移魔法の連続使用による衝撃波です。

 災害が、自ら飛んできます」


 シエラが遠い目をして空を指差す。


 ゴルドフたちが立ち往生している場所のさらに向こうから。

 法律も常識も通用しない、規格外の「協力者」が迫っていた。


 ざまぁ(報復)の準備は整った。

 次は、こちらのターンだ。




次回は

【 日曜日の 18:10 】に更新します!


──────────

【 応援のお願い】


今回の話を読んでワクワクしていただけましたら、


↓広告の下にある【☆☆☆☆☆】から、評価ポイントを入れていただけると嬉しいです!


(皆様の★が、今後の作品の燃料になります! 何卒応援をよろしくお願いいたします!)


明日も更新します!


──────────

※本作品は、執筆の補助・推敲にAIツールを活用しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ