第25話『竜装改造(ドラグーン・カスタム)と、南の海の不通』
帝都から持ち帰った「戦利品」と、サラが稼ぎ出した「軍資金」。
この二つがあれば、俺の長年の夢だった「最強の物流車両」が完成する。
拠点『フローズン・ステーション』のガレージにて、俺はトラックのボンネットを開け、大改造に着手していた。
「ミナ、ルル、そのパーツを渡してくれ。ベアトリスは溶接の固定を頼む!」
「はーい! 赤いキラキラだー!」
「マスター、この素材……硬すぎます。ドリルが悲鳴を上げていますよ」
俺たちが加工しているのは、伝説の『炎竜の鱗』だ。
数千度の熱暴走にも耐え抜いたこの鱗は、この世界における最高の「断熱材」であり「装甲」だ。
俺はこれを加工し、エンジンルームの隔壁と、ボディのインナーフレームに組み込んでいく。
さらに、竜骨の粉末を混ぜ込んだ特殊塗料で、シャーシ全体をコーティングする。
「塩害対策、完了。
耐熱限界、測定不能。
これで、砂漠でフルスロットルかましてもエンジンは焼き付かない」
数時間の作業の末、新生『ギガ・フロスト号』が産声を上げた。
ベースの銀色はそのままに、炎竜の鱗を加工した紅蓮のラインがサイドを走り、攻撃的なフォルムへと進化している。
断熱性能と耐久性は、以前の三倍以上。
「名付けて、『ギガ・フロスト・ドラグーンカスタム』だ」
「おおぉ……! かっこいいー!」
「強そうです! これならどんな魔物も轢き逃げできますね!」
ミナとルルが歓声を上げ、ベアトリスが物騒な感心を寄せる。
俺は満足げにウエスで油汚れを拭った。
◇
「へえ。いい金の使い方をするじゃないか、社長」
作業を見守っていたサラが、冷えた缶コーヒーを差し出してきた。
彼女は新しくなったトラックを見上げ、ふと真面目な顔になった。
「で、次はどこへ行くんだい? これだけの装備を整えて」
「南だ。海を見に行こうと思ってな」
俺が答えると、サラの表情が曇った。
「……南の海か。悪いことは言わない、今はやめておきな」
「なぜだ?」
「船が出ていないんだよ」
サラは腕組みをして、ため息をついた。
「一ヶ月前からだ。南の海に『何か』が現れてね。魔物なのか、異常気象なのかは分からないが……とにかく海が大荒れで、船を出せば沈む。
おかげで物流は完全にストップ。南の諸島へ向かう定期便も途絶えてる」
「物流停止、か」
「ああ。島には薬も塩も届かない。私の知り合いの商人も、何人も破産しかけてるよ」
サラはそこまで言って、チラリと俺を見た。
「……実はね、私のアテ(取引先)も困ってるんだ。
南の孤島にある『特効薬』を仕入れたいんだが、船が出なくてお手上げ状態でね」
彼女は懐から、一枚の羊皮紙を取り出した。
取引先への紹介状だ。
「普通の商人なら諦める状況だ。
……でも、あんたならどうだい? この『インポッシブル・ミッション』、運べるかい?」
試すような視線。
俺はニヤリと笑い、コーヒーを一気に飲み干した。
「愚問だな、サラ」
俺は新しくなったトラックのボディをバンと叩いた。
「船が出ないなら、トラックで走るまでだ。
道がないなら、冷やして作ればいい。
俺たち『ケント運送』に、配送不可エリア(NGゾーン)はない」
俺の言葉に、サラは呆れたように――しかし嬉しそうに笑った。
「ははっ、言うねぇ! 気に入ったよ。
じゃあ、この商談はあんたに預ける。成功したら、紹介料は弾んでもらうよ?」
「がめつい支店長だな。……交渉成立だ」
俺は紹介状を受け取り、ポケットにねじ込んだ。
◇
出発の時。
拠点は引き続き、サラに任せることになった。
「稼いでおくから、安心して行ってきな。
帰ってくる頃には、倉庫をもう一つ増やしておいてやるよ」
サラが手を振る。
「サラお姉ちゃんまたねー!」
「お土産買ってくるからねー!」
ミナとルルはもうすっかりサラの虜だ。
俺はギアを入れた。
強化されたエンジンが、猛獣のような咆哮を上げる。
「総員、乗車完了! 次は海だ!
水着の準備はいいか!?」
「はーい! 浮き輪持ったー!」
「水着……ですか。騎士として恥ずかしくないものを選びましたが……」
「……海。あの音が、喜びの音に変わるのを……聞くのが楽しみです」
それぞれの期待を乗せて、最強にアップデートされた『ドラグーン・カスタム』が発進する。
目指すは南。
海を隔てた孤島への、道なき道を征く旅が始まる。
「ギガ・フロスト・ドラグーンカスタム」。
名前も見た目も強そうです。
炎竜の鱗でコーティングされたボディは、塩害も熱波も寄せ付けません。
「船が出ないなら、走ればいい」
無理難題こそが、物流屋の好物。
次なる舞台は、物流が途絶えた「南の海」です。
次回、いよいよ海へ!
しかし、そこで待っていたのは「物理の壁(凝固点降下)」でした。
ケントの冷却魔法が通用しない!?
次回、第26話は
【 明日の 18:10 】に更新します!
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【海へ! 応援のお願い】
「ドラグーンカスタムかっこいい!」
「道がないなら作る、このスタンスが好き!」
「水着回くるか!?」
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明日も更新します!
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※本作品は、執筆の補助・推敲にAIツールを活用しています。




