「第14話」水泳
美雪も彩菜も帰宅した5日後の週末、待ちに待ったプールに出かけることになった。
彩菜はあまりにも美人な美雪を心配して、柔道部の2人の有段者を連れてやってきた。
佳代「あら。男の子なんて珍しいわね。」
彩菜「2人とも、美雪に振られた男なの。なのに、今は彼女いるのよね。今回は護衛で雇いました。1日1000円です。彼らは美雪を全力で守りますから。」
佳代「彼女は大丈夫なの?」
男「はい。1000円で食事に行くから許可もらいました。」
美雪「1000円じゃ足りないわよ。私も1000円ずつ払うからよろしくね。あとね。彩菜だってかなり綺麗だから危ないわよ。」
佳代「じゃあ、プール代4人分は私が。」と2000円渡す。
美雪「お母さん。じゃあ、行ってくるね。」
佳代「気をつけてねー。。。あの子、彩菜だってって。自分が綺麗なこと自覚してるんだ。。当たり前か。チヤホヤされてるんだろうな。。」
4人で歩いてプールに行く。
美雪「やっぱりさー。プール代も私が出すわ。だから、このお金は報酬よ。彼女を幸せにしてあげて。」
水着姿の美雪は、更に輝いて見える。
彩菜「いや〜。あなた普通じゃないわ。。」
男「いやいや、彩菜さんだって相当綺麗だよ。」
チャラい男が彩菜に近づくと「お嬢さん綺麗だね。遊びにいかない?」と。
美雪「彼女13歳よ。青少年育成条例に触れる覚悟があるなら、いいけど。」
彩菜「あと、柔道3段と2段の2人を倒したらの話だけど。」
チャラい男「さすがにやめとくわ〜。しかし、13歳には見えないな。。モデルになったら人気になるんじゃないか?」
チャラい男は去っていった。
男達は職務を果たすために、警戒して全くプールは楽しんでいない。2人が楽しむための護衛だったが、周囲の視線の熱さが想像以上なことを考えると、案外やり過ぎでもなかったようだ。
美雪「彩菜。いいな。おっぱい大きい。」
彩菜「あなたは、生理始まったばかりだから、これからよ。」
美雪「泳ぎましょう。」
彩菜「ちょっと。はっや!男ども。追いかけなさい。」
男「はい!。。いや、無理無理。追いつけない。」
美雪はあっという間に戻ってきた。
彩菜「ちょっと。あなた、すごいわね。水泳選手になれるんじゃない?」
美雪「そう?タイム競って何が楽しいのかな?仲間と游ぶほうが楽しいわ。あなた達も、彼女連れて遊びに来てよ。私は今は彼氏より友達ね。」
彩菜「2時間も経ってる!そろそろあがろうか。」
帰りにプール定番のアイスクリームを美雪が4人分買ってご馳走する。
歩きながら食べ、2人を無事美雪の家に送り届けると、男達はダブルデートに向かっていった。
美雪「ただいま。」
佳代「どうだった。」
彩菜「男の視線がものすごかったの。1人危ないヤツが声かけてきた。男を雇って正解だったわね。」
佳代「やっぱり。あなた達は綺麗過ぎるから危ないわね。。」
美雪「声かけられたのは彩菜。私じゃない。身体は負けてるからね。彩菜、部屋行こう。」
彩菜「うん。」
佳代「あっ!そうだ。彩菜さーん。来週土曜日、田舎の友人来るから遊びに来ない?良かったらご両親も。豪華な夕食用意するわよ。」
彩菜「お母さんに聞いて返事しますけど。。とりあえず私は来る!」
佳代「じゃあ、また教えてよ。」
部屋に入ると彩菜が質問する。
彩菜「ねえ美雪。今日いっぱい使ったわよね。あのさー、家がお金持ちなのは知ってるけど。。あなたお小遣いはいくらなの?」
美雪「たまにもらうけど、基本は無しよ。」
彩菜「えっ!どうしてるの?今日5000円も使ったわよね。」
美雪「2000円はお母さんが出したよ。ねえ来て。来週来る、お父さんのお友達に教えてもらった。ほら。」とベランダに出る。
彩菜「えっ?何よ。」
美雪「畑よ。」
彩菜「畑?あれお父さんの趣味じゃないの?」
美雪「違うわよ。毎日仕事で忙しい人が出来るわけないでしょう?私が育ててるのよ。農薬一切使わないから、フリマで高く売れるんだ。そうそう!来週メロンの作り方教わるんだ。あれ、すっごい美味しかったから高く売れるよ。すっごいのよ。あんなメロン初めて食べた。」
彩菜「えっ!いつから?」
美雪「小学校4年から。販売は5年から始めたかな。。家で食べ切れなくなって、彩菜の家にもあげてたけど。それでも余るようになったから仕方なく。でも、最近は売れるから、あげてないな。」
彩菜「美雪がそんなことやってるの知らなかった。。手伝いで水まいてると思ってた。」
美雪「手間がかかる時期と暇な時があるから、それに彩菜、水まいてる時、興味なさそうだったから。」
彩菜「ただのお手伝いと思ってたから。。いちから美雪が育ててるんだ。すごい。トマトときゅうり。。他何だろう。」
美雪「あれがナス。時期が違うけど、玉ねぎとか大根とか。。いろいろ。」
彩菜「すごいなー。。ねえ、いくらあるの?」
美雪「どうだろ。。今日現在で46万円だね。あっ!トマト売れてる。12個取らないと。」
彩菜「私、手伝うわ。」
庭に出て収穫する2人。
美雪「これくらい赤いの取って。ハサミでこうやって切るの。分かった?あと11個お願いね。私は腐りそうなの取って、夜食べる。」
彩菜「ねえ、取ったよ。」
美雪「この段ボールにクッション材敷くから、1個ずつ入れて。」
彩菜「洗わなくていいの?」
美雪「大丈夫よ。買った人が洗うわ。あまりに砂がついてる場合は取るけどね。」
彩菜「入れたわ。これでいい?」
美雪「大丈夫。フタする。紐で縛って。。出来た!じゃあ、このまま目の前の宅急便屋に行きましょう!」
発送して、発送通知する。
美雪「時間のタイミングが良かったわ。明日着く。ん?どしたの?」
彩菜「いや。あまりにも凄すぎて。。まさか自分の小遣いを自分で稼いでいるとは。」
美雪「良かったら彩菜もやる?場所貸してあげるし教えてあげるよ。私、お父さんに月2万円で借りてるの。あなたは払わなくていいから。そうね。。土地代払って肥料とか買って残りが46万円だから、小遣いとしてなら。。五年生からなら、月に2万円かな?最初の年は少なかったからもっと多いのかな?そもそも、お小遣いで使ったの考えたらもっとなのかな?まあとにかく2万円使って6万円稼いで4万円利益って感じね。私、あんまりお金使わないし、もともとは育てるのが好きなだけで稼ぐつもりはなかったのよ。でも、メロンだけはちょっとお金目的かも。」
彩菜「面白い!やってみたい。」
美雪「すごく大変よ?」
彩菜「やりたい。」
美雪「分かった。教えてあげる。でも最初10万円くらい必要かも。」
彩菜「お年玉貯金がある。やる!失敗してもいい。畑がやりたいの。」
美雪「考え方が同じならいいわ。儲けたいのが一番なら苦労した分ほどは儲からないから続かないわ。ねえ、何を作りたい?」
彩菜「きゅうり!」
美雪「悪くないけど、いっぱい出来るから、売れないと、食卓が毎日きゅうりよ。玉ねぎとか長く保存出来る。」
彩菜「私もメロンやってみたいな。。」
美雪「上手くいくか分からないから、私が実験してからのほうがいいわ。」
彩菜「ねえねえ、スイカは?」
美雪「重くて安いから、輸送費考えると必ず赤字になるわ。だからスイカは自分が食べるためにしか作れない。それにスイカは申し訳ないけど。。わざわざ作ってまで食べたいとは。。」
彩菜「ねえ、モモは?」
美雪「いや〜。モモは木になるからなー。。ここでは無理でしょうね。あっ!大根とかいいかも。来週、お父さんのお友達に聞きましょう。」
彩菜「売り方も教えてもらったの?」
美雪「いや、それは自分で。先生が楽しそうにやってたから。。もともとは食べるためだったから、売ったのは余って困った挙げ句なの。ただ、今は売るためになっちゃったわ。あのね。食べ物はリピーターが多いの。信用出来ると同じ方が買うから。だんだん増えて、最近は取り合いよ。おっつかないのよ。」
彩菜「やっぱり天才だわ。。」
美雪「やめてよ。友人。平等にしてよ。あなたの存在には救われてるんだから。」
彩菜「いけない。そろそろ帰らないと。ねえ。明日も来ていいかな?もっと畑のこと知りたい。」
美雪「いいわよ。特に用事ないから。」
彩菜は大興奮で両親に話し、両親は畑には大賛成した。もちろん。翌週土曜日の夜は家族で美雪の家に行くことになった。
予想以上に執筆活動が進みましたので、お盆休み(8/10〜8/16まで)は毎日投稿します。盆明けからは再び週2回を目安の投稿に戻ります。よろしくお願い致します。