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妖女 美雪  作者: ぴい
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「第12話」友達

 美雪は大きな病気もせず順調に育ち、4歳になり保育園に通うようになった。

 保育園で同じ歳で近所に住む『彩菜』ちゃんという友達が出来た。



 両親とも仲良くなった。彩菜の両親は、飾らない人で、とても気が合ったのだ。


 彩菜は内向的な性格で、両親は非常に心配していたが、美雪という初めてのお友達が出来て安堵した。大輝達もそれは感じ取り、彩菜の家族をとても大切にした。

 幸い家も近く、家族ぐるみの付き合いとなっていった。



 やがて美雪と彩菜は同じ小学校に通うようになり、毎日一緒に登校し、週末にはお互いの家に泊まったりして、2人の結び付きは強かった。


 美雪にとっても彩菜は大切な友達だった。美雪は極めて頭が良かったので彩菜に勉強を教えた。



大輝「美雪。中学校は私立中学はどうだ?」


美雪「いやだ。彩菜と同じ学校がいい。」


佳代「お父さん。美雪の行きたい学校でいいんじゃない?」


大輝「そうか。私立中学のほうが安全だと思ったけど。美雪が行きたいならいいか。」



※※※


 美雪達は中学生になり、夏休みのある日、美雪の家で彩菜と夏休みの宿題をしていた。



彩菜「あっ!美雪。大変!お母さん呼んでくる。」



美雪「えっ。。どうしよう。」



彩菜「お母さん!」


佳代「どうしたの?」


彩菜「美雪が。。生理が。」



 佳代は血の気が引いた。急いで部屋に入る。


佳代「美雪。おめでとう。。お風呂行こう。きれいにしたら、これつけるの。」



 シャワーで洗い流し、着替える。


佳代「美雪。調子悪くない?身体に変わったことない?美雪大丈夫?」


彩菜「お母さん。心配し過ぎだよ。ケガじゃないし。。良かった。私より遅いから心配してた。美雪も女になったんだ。おめでとう。」


美雪は「うん。」と嬉しそうにモジモジしている。


彩菜「あと少しで夏休みの宿題全部終わるから頑張りましょう。生理終わったらプール行こうよ。」


美雪「うん。」



佳代「えっ!あなた達。夏休み始まって、まだ1週間経ってないじゃないの。もう宿題終わるの?」


彩菜「お母さん。美雪が天才なの知ってるわよね。」


佳代「まあ、成績は知ってるけど。。天才なの?」


彩菜「そうだとしか思えないけどな。。」



佳代「美雪。調子悪かったら言いなさいね。」


美雪「分かった。彩菜。勉強しよ。」



 部屋に戻る2人を見届けると佳代は床にしゃがみ込んだ。

 ついに。。ついに。。この日が来てしまった。

 動揺を隠せない佳代は、大輝に連絡したかったが、大輝は会社が仕事のピークだったため連絡するのをやめ、急いで純一の友人の医師に連絡する。



 医師には、様子を観察しながら近いうちに来なさいと言われた。


 

 夕食を食べ、美雪が寝る。



大輝「ん?どうした。なんかあったか?」


佳代「私、どうしたら。。血の気が引いて。。あのね。美雪が生理になった。」


大輝「えっ。。そうか。。それは確かに様子がおかしくなるわけだ。。ん~~。。。どうする。」


佳代「分からないの。明後日は休みになるの?休みなら、純一さんの友人の医師に来いって言われたから、美雪を連れていきたい。」


大輝「そうだな。彼を頼るしかない。美雪に何か変化は?」


佳代「聞いたけど、特にないみたい。」



 夜の2人だけのリビングのテーブルは重い空気が支配する。



大輝「しかし。実際この日が来ると悩むな。。思春期だし、まだ幼い。今は全ては言えないな。」


佳代「何かあってからでは遅い。けど、今はまだ。。様子見るしかないわよね。。でも、美雪が高校卒業までには言いましょう。」


大輝「そうだな。そのほうがいいな。。純一さんの家が佳代の実家と言うのも無理があるしな。。病院は佳代が連れて行ってくれ。男には分からない部分もあるし、自分はその間に純一さんの家の写真とかを隠すよ。あの子、急激に雪さんに似てきてるから。」


佳代「雪さん以上に綺麗になりそうね。あまりにも美しくて怖くなるの。」


大輝「マスコミとかで目立つのは怖いからな。。偉大な雪さんの娘を不幸には出来ない。なんかすごく精神的に疲労したな。。寝ようか。」



※※※ 翌朝 ※※※


美雪「おはよう。」


大輝「おお、美雪。おはよう。体調はどうだ?」


美雪「お母さんに聞いたんだ。昨日から2人とも心配し過ぎだよ。大丈夫よ。私もお母さん達に孫見せれる身体になったんだ。ちょっと嬉しいな。」


大輝「いや、孫は。。今作るなよ。」


佳代「ちゃんと結婚してからよ。」


美雪「作るわけないでしょう。お父さん達みたいに愛し合える人としか。。ねえ、そういえばさー。昨日ね、彩菜が疲れたって言ったから、やったら元気にになったの。お父さんも疲れてるみたいね。やってあげる。」



 美雪が背中の中心を押さえると、大輝に何かが入る感覚があり、気力がいっぱいになった。


大輝「ああ、美雪の愛情もらったら元気になったよ。」


美雪「なんか、これすごく疲れるのよね。眠くなるの。私、もう少し寝る。」



佳代「ちょっと、ごはんどうするのよ。」


美雪「残しておいて。後で食べるわ。」


佳代「今日は彩菜さんと遊ばないの?」


美雪「ああ、昨日夜に連絡あって、おじいちゃんが亡くなったから日曜まで、お父さんの実家に行くって。」


大輝「だったら美雪。明日、久しぶりに母さんの実家に行こうと思うんだが、1日泊まるか?」


美雪「のんびりしていいかもね。」



 美雪は眠りに行った。



大輝「か、母さん。まずいぞ!何ださっきのは。。身体に何か入ってきて、疲労が全く無くなってしまったぞ。。」


佳代「えっ!。。どうしよう。どうしよう。。やっぱり妖力が。封印が。。そういうことよね。どうしよう。。」


大輝「まずは、先生に相談しよう。仕事行ってくるから様子見るの頼むよ。一気に疲れ取れたよ。凄まじい力だ。」



 不安が抑えられない佳代だった。


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