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ダル・セーニョ(D.C.)

計り知れない苦しみと薄れゆく意識の中でオジサンと雅を強く恨んだ。やっぱり毒ボールだったじゃないか!ひと玉で致死量だったんだよ!



『あら、貴方今日死んだの?』



つい昨日の夢で見たフード女がまたスポットライトの当たる椅子に座っている。俺はというと死体のように横たわっていて頭以外は動かすことができない。



『てっきり昨日か今日の昼頃死ぬんじゃないかと思ってたのにまさかこのタイミングで死んじゃうなんてね。やっぱりヒビキ、貴方変わってるわよ。』



ふふふと小さく笑うフード女に話しかけようとするものの声が出ない。そんなヒビキを横目に女は淡々と語る。



『貴方の能力it's my dream(夢オチ)、見当はついてるだろうけど、定義付けるなら【死ぬと前回寝て起きた瞬間と同じ時間と場所まで時間が遡る能力】よ。死んで生き返ってそのまま死ねば、さらにその前に目が覚めた瞬間まで時間が遡るわ。』



やっぱりか、そうなると現実世界で目が覚めたあと一睡もせずに死んで前日の夕方(居眠り後)まで時間が遡ったのも納得がいくし、一見死ぬだけで時間が遡るんだから便利なようにも思える。だが、



『たしかに便利。だけど一定の条件が満たされると復活不能になってしまうわ。』



ここも予想どおりだ。ここは異世界、これまではすんなり復活してこれたが、復活妨害や時間停止系が来ると俺のアビリティは死に枠又は足でまとい枠になると予想される。何回死んでも生き返る強力なアビリティを今の自分の力で気軽にオンオフできないということは阻害されない限り必ず発動する【確実性】と共に必ず生き返らなくてはいけない【必然性】も含んでいる。まぁ具体的にどうされたら復活不能とかは教えてくれそうにないか。



『あら、よく分かってるわね。私も貴方ほどではないけど過度なネタバレは嫌いなの。【場合によっては不可】、ゲームのスパイスにはぴったりの要素でしょう?』



思いっきり心が読まれたが、なんせこの世界、魔法だの現代人より並外れた身体能力だのでかなり【何でもあり感】が強いということが薄々分かってきたので無粋に焦ったりはしない。



『そろそろ復活タイムみたいよ。次は死なないようにね♪』



夢の中での別れ際のように辺りが明るくなり、フード女は宙に溶け込んでいった___



「...はっ!」



「あらヒビキ、起こそうとした所なのに」



大きな紙袋を掴んでいる雅はイタズラに失敗した子供のように悔しそうな顔をしている。



「(とりあえず毒ボールを食べる未来を回避しなくては...ん?毒ボールは雅が20個食べても平気だった。まさか...?)」


冷静に考えて自分の愚かさに冷や汗が出てきた。



「(俺の死因()()()かよっ!)」



フード女が笑っていたのも納得できる。ただ、なんであれ毒ボールを食べるわけにはいかない。



「どうしたのヒビキ?顔が真っ青で汗びっしょりよ。」



「(そ、そうだ...!必殺技【体調不良】を使えば...これは勝つる!)あ、あぁ実は昨日の吐き気が若干残っているんだ。すまないがペェァンだけにしてもらえないか?」



「あら?私がペェァン以外のものを持っている事がよく分かったわね。」



「(しまった!怪しまれるかもしれないぞ)うん。少し袋が大きいと思ったからね。」



そもそもバレても味方なので問題は無いのだが、壁に耳あり障子に目ありというように、どこから情報が漏れるか分からないので注意しなくては。



「じゃこれヒビキの分も食べていいかしら!?」



例の毒ボールが2個入った紙袋をのぞき込みながら目を輝かせている。



「あぁ、じゃんじゃん食べちゃってくれ。」



次の瞬間、雅はもう「これだけには目がないのよ〜」とでも言うような顔で毒ボールを頬張っていた。



かくしてヒビキは窒息死&トイレ警備員を免れたのであった。



これは我ながら最高の選択か出来たのではないかと超ドヤ顔のヒビキを静かにソレは見つめていた___


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