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猿騒動

とりあえず石ころ1つを選択してみる。



縛られた袋の口から勢いよく石ころが1つ飛び出してきて、石ころを再び袋の口元まで持っていくとまた袋にしまわれるようだ。



『あっ!しかもこれ音声認識できるんじゃない!?』



確かに魔法の道具なので十分にありうる。

試しにマンゴーが「ラビットネイル出して」と話しかけると何とも可愛らしいサイズの鉤爪が自動で出てきた。



「(G████eアシスタントみたいだな...)」



『わーい!ボクの武器だー!』



「魔法小袋1つに回復草2つ詰めて。」



お願い通りにポンと袋から小さな袋が飛び出してくる。



『おったまげー!』



さてはマンゴー暇して現世のテレビ覗いてたな...



何気なくヒビキがマンゴーのポシェットに小袋を括りつけていると、手紙さんが思い出したように飛び出してきてスラスラ何か書き始めた。



『なんだか「手紙さん」って呼ばれるの落がち着かないわ!』



まぁ確かに職場でもあるまいしパーティーメンバーにさん付で呼ばれたくはないのはヒビキもわかる。



「んーじゃぁ英語で手紙のレターを文字ってレタちゃんで。」



『い...いいね!気に入った!あとね、私道具袋に入ってみたいの!』



楽しみなのか、かなりそわそわしている。



「レタもレタで出会ったばかりと比べて変化が凄いよな...」



*****


どうやらまぜーるくんは錬金道具らしい。また今度使ってみよう。



マニュアルにいくつかレシピが書かれていた。



マニュアルには

・火の起し方

・まぜーるくん使用方法

・空中液晶ディスプレイについて



取り敢えず必要そうなのはこれぐらいだ。



マニュアルから少し目を離すとレタは袋から飛び込んだり引っ込んだりしている。



「(レタは道具なんだ...まぁ道具か、)」



後方でボン!と音がして振り向くとマンゴーがテントをキューブに戻している。



「(それ再使用できるのね。あの女知ってたからテント系入れなかったのか?)」



なんだか多方面で情報が入り乱れて混乱し始めた。チュートリアルのあと出来ることが一気に増えて混乱するやつね。あるある。



まぁ勇者が思考停止させるわけにはいかないなと思って武器のホイッスルを吹こうとした瞬間、不意に茂みで物音がした。



「きゃっ!何よコイツら!」



農民の娘と思しき女が飛び出して来た。

ヒビキ達はギョッとして茂みへと目をやると、

たくさんの黄色い猿が現れた。女はヒビキ達に助けを求めるようにすがり付いてきて、



「この地方に住む猿で、普段は大人しくて何もしないのに今日は目が合った瞬間群れで襲ってきたのよ!」



と訴え掛けてきた。



「た、倒すしかないのか...?」



目を赤く光らせている猿との交渉なんて出来そうにないしできればしたくもない。だが興奮した様子の猿は今にも襲いかかってきそうだ。



ゆうに10匹はいるので下手に追い払おうと手を出するわけにはいかない。



『ミッション!猿退治!』



サラサラと平常運転のレタは書いたのに対してヒビキは叫ぶ。



「呑気に書いてる場合かーい!」



最初の戦闘はツッコミから始まった___



じりじりと近づいてくる猿たちに最近に飛びかかったのはラビットネイルを付けたマンゴーだ。



『おらおらどけクソ禿げ猿共ぉ!』



あっ、武器持ったら性格変わるタイプですか。



「レタちゃん、写真。」



もっふの躍動感溢れる戦闘シーンは見逃せなかったので思わず真剣な表情になったが、それどころではないという本能の警鐘に意識は戻される。



「私も戦うしかないのかしら?ここまで来れば逃げる訳にはいかないわね!」



かなり運動神経がいい方らしく、女は身軽に飛び出し、小さな果物ナイフで1体を切りつけた。



猿たちは少し怯んだように見えた。のだが___



「コイツら...すごく力が強い!押し返されるわ!」



マンゴーも押されつつあるようだ。まだ2体しか倒せていない。ヒビキも慌てて袋からホイッスルを取り出し、一心不乱に吹いてみた。



不思議な光がヒビキを包み、服装や髪型が変化する_____



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