魔法の存在
「俺達人間には魔法が使える者と使えない者がいる。別に魔法が絶対必要というわけではないが、中には使えるからといって施設に預けたりする人間も出てくる」
「・・・」
「赤ん坊の頃は無意識に魔法を使ったりしちまうから、最初の頃は施設で。ある程度成長したら家に戻すっていう方法を使うのもあるらしいよ」
「魔法にもランクがある。一番上がS。あとはA・B・Cと一番下はEとある」
「上になるほど強いんだ。それは魔法だけじゃなくて本人の魔法力とかも関係してくる」
「魔法力?」
「魔法を使用する際の源だ。それによって戦闘が有利になる」
「ゲームでいうと自分のレベルが1として敵のモンスターが自分よりレベルが上だったらあっという間に倒されちゃうって感じだよ」
「なるほど・・・」
「ゲームで例えるな」
「でも、なんとなくはわかるでしょ?」
「まぁ・・はい。わかります」
「ごほんっ。話を戻すぞ。それで、今現在の俺達の身体で魔法を使うことはできない。いや・・・禁止されているんだ」
「なんでですか?」
「この国は魔法という存在は認めたけど、それと同時に犯罪に使われる可能性を考えてむやみに魔法を使うなって言われてるんだよ。それを破ったら犯罪者とみなして年齢問わず刑務所行きになっちまう」
「そんな・・」
「だが、もし災害やテロなどが起きたらそんなことも言ってられない。そこで、国は魔法研究所を作ったんだ。正しい魔法を正しいことに使えるようにと」
「結構難しい問題だと思いますけどねぇ~」
夜見さんは背伸びをした。
「俺は魔法を犯罪に染めたりはしない。そんなやからは俺の手で阻止する」
「工藤さん、マジかっこいいっす!」
目がきらきらに輝く夜見さんをじーっと見る私。
「だが・・」
「?」
「俺が出来ることにも限りがある。自分の周りでしか気づけない、今の俺では・・まだ」
悔しそうな顔・・・いつもより顔が怖いというか、なんというか
「工藤さんが言ってることはなんとなく想像ついた。けど、あれは仕方ないと思う。それだったらここにいる研究所のやつらもそうだよ。工藤さんだけじゃない」
「夜見・・・」
「?」
何を言ってるんだろう?
その時の私は、彼らが何を言っているのかが、理解できなかった。




