64.ビー、グラナスの盾
ちょっとだけ更新させて頂きました。
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「1撃目はね、昔のソ連だったかな?その時代のものなのね、崩壊の時にうやむやになっていたものをロシアの統合情報局の雑多ファイルの中から見つけたの。大きいんだけど、姿勢制御のノズルが小さいの。だから結構制御が難しいんだけどね」
管制官から緊張した声が響く。
「接触、10秒前、・・・5、4、3、2、1、インパクト!」
一堂、緊張してモニターを見守る。モニターにはプラントの現在位置を示すマーカーと光学装置により大写しになったプラントの映像が映っている。
「変化ありません。速度変わらず。そのまま進んでいます。インパクトの瞬間、若干の重力揺らぎを検知」
幽が少し声のトーンを落としてひとりごとの様に言葉を発する。
「インパクトの時、少し青い光が見えた気がしたのですが、あれは?」
ミネラが少し感心したように声 を上げる。
「ほう、この人口衛星はなかなかじゃな、グラナスの盾か、シールドを展開するとは、面白いのう」
「グラナスの盾?そんなバカな、シールドなど、今の地球にそのような技術はありません」
「現に今、グラナスの盾と呼ばれるシールドが展開しておったではないか、青い光が見えたであろう、あれは斥力シールドの一種、グラナスの盾じゃ」
幽が少し焦りながらミネラに問いかける。
「ミネラさん、その、グラナスの盾とはどのような物なのですか?」
「グラナスの盾とはな、この銀河の反対側に住んでおる植物系生命体のヌッホランタンが崇めとる生命の木が自衛手段として持っておるシールドの一種じゃ、そういえば数カ月前に、この地球にその惑星の者が来ておったな」
「ちょっと待って下さい。その惑星の方が来ていたと、あの人口衛星とは無関係とは言えないですよね」
「ふむ、そうかもしれんのう、案外この人口衛星の件で来ておったのかもしれんのう。カーボナーに聞いてみればいいのではないかの?カーボナーの高官、バンサーと言う名じゃった。グラナスの盾が出ると言う事は、あの人口衛星には生命の木の分枝でもあるのかもしれんのう、ちょっと待っておれ、今、視てみるでの・・・」
ミネラは軽く目を瞑り、何処かと交信でもしている様子であった。時計の秒針がちょうど2回転するころ、皆が固唾をのんで見守る中、ミネラの目が開いた。いつもなら、すぐに結果がでるのだが詳細なスキャンをしたのか、時間が掛っている。ミネラの口が開いた。
「おお、あの人口衛星には、その生命の木の若木があるようじゃの、中央部に設けられた生産ゾーンの様な処に設置してある。この木からなにか造っておったのか、若木から管が伸びとる、この若木はプラントのエネルギーを吸って急成長しておる様じゃな、じゃから爆発もせずプラントの形状を保てとるわけじゃな」
「しかし、なぜ、そんなものが、あのプラントに?ミネラさんはなにか理由が判りませんか?」
「ふむ、そんなもの決まっておるよ、延命薬じゃろ。若返り薬と言った方がよいかのう」
「彼の国らしいと言うか・・・、しかし、そんなもの何処から?」
「あの若木を手に入れる事は非常に難しいじゃろう、なにしろ、生命の木じゃからな、警備も厳重じゃ。あの惑星の者たちも惑星外には出さんじゃろうのう、わしなら採ってくる事は可能じゃがの」
「ミネラさんなら出来ると、観察者に並ぶ存在でないと採集は不可能ということですね」
「そうじゃ」
「2撃カウントダウン入ります」
「何度やっても、無駄じゃと思うがの。あの木の盾は、木自体が宇宙まで伸びるでの、大気による盾が無いのでの、隕石などに直接晒されるのじゃ、その為、自衛の為、進化して獲得したものじゃ、進化とは面白いものじゃのう」
「・・・5、4、3、2、1、インパクト!・・・駄目です。変化ありません」
その後、3撃目も効果は無かった。
制御室内に重苦しい空気が流れる中、ミネラが提案する。
「あの木はわしが回収してやるとしようかの、イレギュラーじゃからのう、今回だけじゃぞ、じゃが、その後の回避は自分たちでする様にせにゃ駄目じゃからな、わしも甘甘じゃな。それじゃあ、ちょいと行ってくるとしようかの」
「ミネラさん、よろしくお願いします」
「お姉ちゃん、危険はないの?」
「無いとは言わんが、わしを害しようと思ってもそれは無理と言うものじゃ。外見は小夜子と同じじゃがな、一応、観察者じゃからな」
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お読みいただきありがとうございます。
あと少しで正月です。
仕事に身が入りません。




