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118/118

118.ビー、女子会行きたかったよ~。

ぽつり、ぽつりと更新してます。よろしくおねがいします。

 大地達が姿を消してから2週間後、今、ミネラは大地、ビーに係わった少女達に取り囲まれていた。


 1対1なら言葉巧みに煙に巻いて逃げてしまうことも可能なのだが、刹那お姉ちゃんからの問いかけにも今まではなんとか避けてきていた。


 今、ミネラは刹那お姉ちゃんの膝の上に座らされ、刹那お姉ちゃんの手がお腹の上で組まれている。逃げようが無い状態だった。


 刹那お姉ちゃんはミネラの守護対象だ。前には暮新月帝くれしんずきみかど、ビーをお姉さまと慕う女子中学生。ビー団という組織を纏める女の子だ。右前には如月空きさらぎそら、左手には小草生月海おぐさおいずきうみ、共に大地の同僚で空はどうかわからないが、海はひそかに大地に想いを寄せているようだ。


 ここは大地が住んでいたマンション。皆が集まりやすいと言う訳でここに決まったのだが、勝手知ったるなんとやらで、上がり込んでいる。テーブルの上には皆が持込んだ様々なお菓子やジュースが並んでいる。


 海がお菓子に手を伸ばしながら尋ねた。


「で、どうなの?」


 パリンと子気味良い音を立てながら口の中に煎餅が消える。


「どうとは?」


 ミネラが最後の抵抗を試みる。

 両手でコップを持って注がれたオレンジをこくりと飲んだ。


「決まっているじゃない。大地よ、大地は何処行ったの?」


 ミネラに煎餅を突きつけるようにして話の続きを促す。


「むう」


 明後日の方を向いているミネラ。


「ミネラちゃん、貴方なら知っているわよね」


 空が言葉を掛ける。


「お姉さまは何処にいったのですか?」


 帝は身をのり出してミネラの目を覗き込む。


「ミネラちゃん、皆んな心配なのよ。話してくれないかなあ。まあ、あの兄貴のことだから、どこでもひょうひょうとしてやってるだろうけどね」


 刹那お姉ちゃんが若干ちゃかすように言葉を掛けた。


 刹那お姉ちゃんの言葉は軽いものだったが、心配していることは十分にわかる。ミネラはもう隠すことはできないと思った。観念したのかミネラは今起こっている事をぽつりぽつりと話し始めた。


「大地ちゃん達のことを話す前にわしらの事を話さんと駄目じゃのう」


ミネラは刹那を見上げる。刹那が頷くのを確認してから話を続けた。


「わしとビーは観察者といってのう、所謂、お主達から見て宇宙人じゃ」


 その言葉に帝は思わず刹那を見る。


「え?それって・・・、お姉さまが宇宙人ってことですか?え、え、刹那さんは知ってたんですか?」


 少し気まずそうな刹那。手はミネラの頭を撫でている。


「うん、知ってた。ごめんねえ。えっとこちらの海さんも宇宙人だよね」


 刹那に比べて、少し照れくさそうな海。何故照れているのかは判らない。


「も~ばらさないでよ~、宇宙人って言っても、私は地球生まれの地球育ちだからね。心は地球人なのさ。体の構造がほんの少し違うだけなの」


 帝は今度は空に向かって、上目使いにちらちらと見ながら恐る恐る聞いた。


「空さんも宇宙人、ですか?」


 空は安心させるように頷く。


「私は地球人ですよ」


 その言葉に、少しほっとした表情の帝。


「空は宇宙人に解剖されたかったんだよね~」


 海が混ぜっ返す。手は盛んに煎餅を探っている。


「も~海ちゃん、会いたかっただけなの。まあ、海ちゃんと会えて夢が叶ったけど」


 帝は少し混乱しているのか、ただの想像なのか、宇宙人と言う言葉でなにかを連想しているようだ。


「えっと、ミネラさんは体の中がぐちゃぐちゃの強酸が詰まった凶悪エイリアンなのですか?頭がぱかっと割れたり、触手うにょうにょの?」


 ミネラは少し呆れている。


「それはど~いうイメージなのじゃ?わしの体は細胞一個に至るまで地球人と同じじゃ。そこの海ちゃんより地球人らしいわい」


 確かにミネラの言葉は正しい。地上探索用(ビー宅訪問用)として用意した体だが、地上の気に入った者の肉体を細胞一辺まで同じに再現したものである。唯、サポートする各種装置郡と亜空間にて接続されているが。


「あ~、それって失礼な、ちょ~とミトコンドリアゲノムが違うだけじゃない、略同じよ~、核ゲノムも少し短いけど」


「海ちゃん、それってもう別物じゃあ・・・」


 帝は少し違う世界に行ってしまってるようだ。その言動が怪しくなっている。


「うにょうにょのお姉さま、うにょうにょのお姉さま・・・だ、大丈夫です。受け入れます。だって、お姉さまなんですもの。お姉さまの触手・・・いいかも」


「観察者っていうのはね、神様なのね~、私らの仲間でも崇めている人も多いんだから~」

 

 少し目が虚ろな帝。


「ふふふ、お姉さまの触手がそ~っと裾から入って、きゃ~」


 何を想像したのか、帝は真っ赤になりながら両手で顔を隠している。


 怪訝そうな顔のミネラ。


「何を騒いでおるのじゃ?」


 カーボナーのことはあまり良く知らない刹那が尋ねる。


「私らって、えっと、海さんのお仲間さん?」


 自分のことなのに、実はあまり良く知らない海。


「ああ、カーボナー達ってこと。カーボナーって・・・えっと、なんだっけ?」


「海ちゃん。貴方のことでしょう?カーボナーってこの銀河を二分する共同体のひとつじゃないの?海ちゃんが教えてくれたんじゃない」


 呆れた顔の空。


「もうひとつが、えっと・・・、コケ・・・タン?そう、コケタン!」


「違う違うよ、コケトン!そんな可愛い名前じゃないって、コケトンだよ」


「そうそうそんな名前。鉱物系の生物だっけ?」


 最初の重苦しい雰囲気がいつの間にか霧散していた。さしずめ小さな女子会となっている。


「でね、私も良く知らないんだけどね、ミネラちゃんやビーちゃんは神なんだって。あ、そのお菓子取ってくれる、そう、そのなが~いの」


「そうなんですか?これですか、これ美味しいですよね。私もメンタイ味が好きなんです。これってワッかのやつもありますよね」


 帝がそう言いながら海にパープルパッケージの棒状のお菓子を差し出す。


「ネットなんかで絵師に向かって神かって言う感じなの?」


「違う違う。本当の神、リアル神なんだって。ね、ミネラちゃん。ん、ありがと」


「うむ、まあ、そう呼ばれる事もあった」


「へ~、そうなんだ~、偉いねえ」


 ミネラの頭を撫でている空。意味が判っているのか?


「それで、触手の太さと、本数は・・・」


「なんじゃ?何を言っておるのじゃ」


「いえ、なんでも・・・、そうだわ、お姉さまのだから何本でも・・・いい」


 謎の女子会は続く。


お読みいただきありがとうございます。

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