第20ー1話 『古代都市バルパト 』
王城の会議室に、コトルー王国の11人の魔法使いが集まっていた。
マーガレットだけは聖女としての責務があるため、フラン共和国に残った。
アルフォンス王が静かに口を開いた。
「姉さま。古代文明がなぜ滅びたのか――ぜひ、お教えください。」
エリザベスはゆっくりと頷いた。
「そうだねえ。長くなるが、話しておかねばならぬな。これは、パイロから聞いた話さ。
古代文明の国の名はバルパトといった。今の“100の島”の位置にあったのだよ。
入江は湖だった。国民の飲み水を支える貴重な水源。
そして――今のコトルー王城の中庭にある魔力岩石を中心に、国土全体に魔力格子が張り巡らされていた。
国土が卵型なのは、魔力格子の形そのものだった。
魔力が供給された土地は肥沃で、6種類の穀物が年に2度も収穫できる優良農地だった。
フラン共和国の国土も農場にするため、議場のあたりに魔力岩石を埋めたが、魔力格子を施工する前にバルパトが滅びたのだよ。」
「古代でも魔法が使える者と使えない者がいた。
しかし――魔力を魔法に変換する道具が多数発明され、文明は魔法に依存していった。
魔力岩石は“魔力島”から切り出された。
100の島の向こうに、昔から入ってはならぬ海域があるだろう。あそこが魔力島の跡地なのじゃ。
天龍や地龍の被害は古代でも深刻だった。
そこで科学者たちが作ったのがオーブ。
・ドラゴンのオーブ
・封印のオーブ
・戦車のオーブ
・治癒のオーブ
・空間移転のオーブ
・浮遊のオーブ
・繰返しのオーブ
・伝達のオーブ
・炎のオーブ
・氷のオーブ
・修復のオーブ
・天変地異のオーブ
これら12のオーブは国民に公開された。
しかし――もう一つ、禁断のオーブがあった。
それが破壊のオーブじゃ。
バルパトは議会制国家だった。
代表議員アーノルドは、13の試作品のうち12を流通させてよいとした。
しかし――
破壊のオーブだけは、“争いを生む”として禁止した。
破壊のオーブは超電磁砲を発する。攻撃以外の用途がない。
アーノルドは13個のオーブの試作品を自宅地下の宝物庫に隠した。」
アルフォンス王とゴードンが目を合わせてうなずいた。




