第11-1話 『病気再び』
救援物資を配り終えた後の数日間で――フラン共和国に、再び不穏な空気が流れ始めた。
「息が……できない……!」「体が……かゆい……!」「顔が……腫れて……!」
国民たちが次々と倒れ始めた。
それは、かつてマーガレットを不幸にした“あの病気”だった。
コトルー王国の食材が原因なのか――国民は怯え、次々と聖女様のもとへ運ばれてきた。
しかし今回は違う。
治癒のオーブがある。
マーガレットはオーブを患者に近づけた。
赤い光が患者の体内で不気味に光る。これが患部である。
そして――
パイロの声が頭の中に響いた。
「医学的な治療ですか?それとも、魔法治癒ですか?」
「魔法治癒よ。」
「それでは、魔法治癒のためのイメージで説明します。人の体の中には、悪いものが侵入してきた時に戦う小さな騎士たちがいます。しかし、ときどきその騎士たちは食べ物を“敵”と勘違いして過剰に反応して大騒ぎを起こします。その時に、人を苦しめてしまうのです。これを”荒れる騎士”と呼びます。」
マーガレットは息を呑んだ。
「……荒れる騎士」
パイロは続けた。
「症状がひどくなると“荒ぶる騎士”となり、命にかかわることもあります。とても危険です。」
患者の体で光っていた赤い光は、青い光になっていた。この状態になれば治癒魔法で治せるのだ。
その場にはパトリック、ゴードン、モーガンもいた。
「原因が分かったわ……これで治せる!」
マーガレットは皆に病気の原因を説明した。
治癒魔法で原因を消して、元気を取り戻す治癒イメージが魔法使いたちの頭の中に組み立てられた。
治癒魔法使いはそれぞれ4人の患者に治癒魔法を唱えた。
「患者に元気を取り戻す力を!リカバリー!」
光が患者たちを包み、苦しみが少しずつ消えていく。
「……息ができる……!」「かゆみが……消えた……!」
国民は涙を流して感謝した。
「皆さま、元気を取り戻すまで、数日、安静にしてください。それから、病気になった時に食べていた料理を食べないようにしてくださいね。」
全ての患者の治療が完了した。しかし――
問題はここからだった。




