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第10-1話 『転勤辞令』
フラン共和国へマーガレット皇女たちが旅立ってから、約一か月。
コトルー王国に、ついに救援物資の要請が届いた。
「とりあえず、馬車三十台分の物資を送る必要がある。」
アルフォンス王は静かに言った。
「そして――その護衛騎士たちのリーダーは、ゴードンとモーガン。二人に頼みたい。」
ゴードンは驚いた。
「俺たちが……?」
「ああ。しばらくの間、マーガレットとエリオットたちの国の再建を騎士たちとともに手伝ってあげてほしい。」
アルフォンス王は、ゴードンの胸の奥にしまわれた“シャルロットへの想い”を知っていた。
だからこそ――
「新しい土地で、新しい出会いをして……幸せになってほしいんだ。」
ゴードンは苦笑した。
「もし俺が嫌だって言ったら?」
アルフォンス王は肩をすくめた。
「エリザベス皇女を封印した咎で、フラン共和国へ追放しちゃうよー。」
「ひどいな!」
二人は笑い合い、抱きしめ合った。
翌日――ゴードンとモーガンは救援物資とともにフラン共和国へ旅立った。
旅の途中で、魚介類の鮮度を保つために氷魔法を何度かかけなおした。
二人の新しい人生が、静かに始まった。




