タイトル未定2026/07/22 10:54
自失感に囚われの身となっている今、俺ができることは何だ。そうやって反芻している内に、常夜灯を目指した。あったかもしれない未来とか考えながら、行った先で何も起こるはずないのに、県道6号線を走る車の前で信号待ちを繰り返す。何回目の青か分からない信号を渡り、比較的広い道から狭い路地へ逃げていく。警戒灯でカーブミラーが妖しく光る道を通り、常夜灯が正面に見えてきた。
階段を上り、川が一望できる遊歩道にでる。水平のような、立体的なような、それでいて平べったいような景色が広がる。川を渡った先から、どう見えるだろうか、そんなどうでもいいことを考えながら、川を隔てて、向こう側に織姫でもいるかのように、来るはずもない運命の人を待つ。この川があってもなくても、変わらないか、川だけに。
月灯りに照らされ、希望を捨てないでと言っているような妄言が脳に伝って、正気になる。
「何やってんだろ、俺、見たこともない運命の人に会えるかもしれないと願って、馬鹿みたいだな。」
きっと、幻想だったと言い聞かせるしかなかった。息継ぎとため息を繰り返しながら、帰路につく。
繰り返されていく日々が終わる兆しが良いものだと信じよう、猫背ふっくら体型のしかめっ面のおっさんにはなりたくないからな。




