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(23)想い出

 想い出にはあまい想い出、からい想い出がある。甘くいい想い出は、もちろんいいものだが、遠く過ぎ去った辛い想い出も、歳月の流れによって辛くなくなり、なつかしいものになるのは不思議と言えば不思議だ。これが、時のいややし効果なのかも知れない。ははは…あの頃は片思いでよくフラれたなぁ…などというたぐいだ。^^

 どこにでもいるような二人の老人が行きつけの喫茶店で話をしている。

「ははは…あの頃はよかったですなっ! 便利な物には事欠いておりましたが、その分、生活の実感がありましたっ! なにせ、自分らでやらんと誰もやってくれませんでしたからなぁ~!」

「便利な物・・というのは電気、電話、電池、電波、電子とかの電化製品のことのことですかなっ?」

「ええ、そうですっ! まあ、不便といっちゃ不便でしたが…」

「確かに…。しかし、その分、やらんといけませんから、いい想い出もたくさん残っとります」

たとえばっ!」

「今はポイポイポイポイ! 捨てとりますが、私ら、腹ペコで拾いまくっとりましたからなっ! 赤とかですが…」

「そうそう! 確か…銅のくずものを赤、と呼んどりましたっ! まあ、赤に限らず、鉄屑とかも拾っとりましたが…」

棹秤さおばかりで10円とこ、もらいましたっ!」

「ははは…さよ、でしたかっ!」

「はあ…。なんか、やった! 感がありました…」

「達成感ですな。確かに、いい子供時代でした…。今の世知辛い時代は、10円など見向きもしませんっ!」

「ですなっ! まっ! 私らの辛い空腹時代の、いい想い出ですかなっ!」

「さようで…」

 二人はいつまでも甘く辛い過去の想い出に話を咲かせた。

 想い出は、甘い辛いを超越し、希少体験がものを言うようである。^^


                  完

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