1話 起承転結の始まり
暗い所に俺はいた。
けれどとても暖かいここは何にも脅かされない世界だった。
嫌いだった大人もいない。
鼓動のように幸せな何かが体を巡っている。
いつからこうしていただろう。
もうずっと前からここにいる気もする。
時折くぐもった何かが聞こえる
「-------------」
何を話しているのかは分からないが声のような響きだ。
それは敵愾心のような刺はない。
心のどこかに染みこむこの声は心地よかった。
けれど、また長い間 心地よさに身を委ねていると布団を引き剥がされたかのように
心地よさを何かに奪われてしまった。
光が差し込む目を焼くような強い光なのだろう、目を開けれないのに光が網膜を突き刺してくる。
きっといい加減目を覚まさなければいけないのだろう。
目をゆっくりこじ開ける。
ぼんやりとした視界をじっと見つめているとだんだんともやがとれていく。
白い何かが見える、赤い何かが見える。
でもまだぼんやりとしすぎて何なのかはわからない。
目を凝らして見つめてみる。
白い髪が見える
白い肌が見えた。
赤い、何かが見えた。
目だった。
そこには白い女性がいた。
大きな彼女はこちらへと手を伸ばす。
こちらへとそっと手を伸ばす。
とても大きな手は俺の頬に添えられた。
「---------------------」
何かを話しかけている。
何を意味するのかはわからなかったが、不思議と心が暖かくなるような気がした。
彼女が俺を抱きしめる、その腕の中でブレーカーが落ちたように俺は意識を失った。
一話目です、異世界に生まれ落ちました。




