ウーコンVSトリオン
「おい、ウーコン、ジェミニとのクエストはいつだったっけ」
「後五日だよ。お前、毎日聞いてるぞ」
「ああ、待ち遠しくて仕方ない。出かけて行って辻斬りしたいくらいだ」
「馬鹿な事言わないでよ。それじゃあ、試し斬りにどこかクエストに行く?」
「そうだな、ウーコンはでかけるんだよな」
「そうだ、ノラとデートだ」
「ですです」
この二人も楽しそうだな。
「シロウは未だ帰って来ないんだな」
「そうね、リードの剣にかかりっきりだったから、ほかの仕事が溜まっているみたいよ。こないだみたいな徹夜はしないでしょうけど」
「そうか、じゃあ、イザベラと出かけるか」
「じゃあはご挨拶ね」
「ああ、すまない。そういう意味じゃないんだが」
「わかってるわよ、冗談よ」
俺はイザベラとクエストに出かけた。
一応、防具もしっかりと装備していく。攻防ともに完璧だな。
飛行術で二人で山に向かって進む。
ウーコンのキントウンと違って、飛行術は魔力を使うので、あまり急ぐと魔力切れの可能性があるため、それなりの速度で進む。まあ、馬よりは早いが。
それなりに深い山林に降りる。この辺はオーガなどが生息しているはずだ。オーガは皮が固いので、試し斬りにはもってこいだろう。
「イザベラ、索敵してくれ」
「割と近くに居るわね、この先100メートルくらいかな」
俺が前を進む。100メートルくらい進むと、木々の向こうから音が聞こえてきた。
進んで、木の向こうを見ると、3メートル近いオーガが、今狩ったばかりなんだろう、口の周りを血だらけにして野兎を喰っていた。
「でかいな」
「大物ね」
スラっと剣を抜く。
体に気迫が充実し、それでいて心は澄んでくる。
オーガがこちらに気付いて、振り向くのとほぼ同時に地を蹴った。
舞空術でオーガの頭部くらいに上昇し、剣を振り下ろす。
スパっと言う感じで、ほとんど手ごたえも感じずに剣を振り切った。
俺が着地すると同時に、左肩から袈裟懸けに二つ身になったオーガが倒れる。
斬られたのにも気づいていないのかもしれない。
「凄いわね」
「ああ、まさしくバターを斬るみたいだぜ」
魔石と素材を回収し、次の獲物を探す。
オーガはそれほど群れないが、この辺りには多く居るようだ。
次の奴も3メートルくらいあり、大型種が棲息しているのかもしれない。
続けて3匹狩った。
「次はイザベラ斬ってみるか」
「いいの、大事な剣なんでしょ」
「そりゃあ大事だが、イザベラも使ってみたいだろ」
「ありがと、使わせてもらうわ」
腰から抜いて、鞘ごと渡す。
「あら、意外と軽いわね」
「ああ、オリハルコン自体もそれほど比重は高くないし、軽くする魔法を掛けてくれている様だ」
次のオーガも直ぐ見つかった。
「えいっ」
掛け声と共にオーガの首が落ちる。
「ほんとに凄い斬れ味ね」
「そうだろ、イザベラも作ったらどうだ」
「うーん、どうしようかな。シロウ達に続けて苦労させるのも気の毒だしね」
「魔法は付与しなくても作るだけ作ったらどうだ。オリハルコンの剣は扱いやすいと思うぞ。名人もいるしな」
「ああ、そうね。じゃあ、そうしようかな」
ウーコンとノラは闘技場に来ていた。
数試合観て、外に出る。
「今日もトリオンはギリギリだったです」
「ああ、あんな感じで観客をはらはらさせるんだな」
「そうですか、ちっともわからないです」
「あんまりわかったらつまらないんじゃないのか」
「それもそうですね」
観客席から階段を降りて、特に意識もなく、地下の広場に降りた。
「こないだは、ここでヴァレンティーナと腕相撲をやったんだ」
「引き分けだったですよね」
「ああ、そうだ。机が壊れちまってな」
その時の机は壊れたまま、隅に寄せられてある。
「ヴァレンティーナもウーコンと引き分けなんて凄いですね」
「そうだな、俺の世界に兄弟分のニウ魔王ってのが居たが、俺と互角の力はそいつ以来だな」
「魔王の兄弟分が居るですか、それは凄いです・・・」
二人が話していると、階段を降りてくる音がした。
「なんだ、猿と猫じゃねえか。こんなところで逢引きか」
トリオンがニヤニヤしながら降りてきた。
「こないだは、その女に守ってもらったが、また、俺のそばをうろうろしてやがるとはな」
ウーコンが険しい表情になる。赤い顔が益々赤くなる。
「その時はウーコンがあなたにけがをさせないように止めたです。この前はリードに睨まれて逃げ帰ったくせに。それに今日はお供の女に逃げられたですか」
「なんだと。ふざけたこと言ってやがるとてめえから叩きのめすぞ」
ウーコンがすっと前に出る。
「相手をするなら俺だろう」
「ふん、残念だったな。トライデントを持った俺の前に立てると思うなよ」
トリオンが三叉槍トライデントを構えた。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!




