23話「ホラーハウス」藤宮蛍。
んじゃ私も遊園地のお話ね。これも人に・・・じゃない。本で読んだんだっけ?まあ良いか。
その遊園地には、本物のお化け屋敷がある。そんな噂だったと思うんだ。確か。
で。噂を聞いた私は好奇心を起こして、遊びに行ったんだ。1人で。寂しく。今度はここに居る誰かでも良いから一緒に行こうねえ。
実際に入ったお化け屋敷は、別に何も変な点はなかったよ。現実はあんまり面白い答えばっかりじゃあないね。
それでもお化けは凝っててね。ナイフを持った殺人鬼、お皿を数える幽霊、ホッケーマスクの巨漢、林の中で藁人形に釘を打つ女。古今東西のお化けがにぎやかにやってた。
で、これが体験型ホラーハウスだったんだ。
私が入った時には、床は前の入場者の血でべっとり。つるつる滑ってたよ。・・・もちろん実際には赤い塗料だよ?本物の血なら固まっちゃって、滑るなんてないからね。
でもまあその状態で、ナイフを躱したり、ナタを躱すのは楽しかったな。ついでに釘を打つカナヅチを奪って、お皿を壊しちゃったのは、ちょっと、後で怒られるかな、と心配になったけど。
そんなこんなすごい楽しいお化け屋敷だったなあ。
なぜか、次の年には遊園地ごとなくなってたけど。
またあんな雰囲気の施設が出来てほしいよ、私は。
じゃ次。