02
私は今クラスの中で誰に話しかけようか迷っていた。
あ〜あ、まったく知らない人に話しかけるのは苦手なんだよな〜。翔馬には話しかけた後の決まり文句をアドバイスしたけど、教えた私がもたもたしてるし…これじゃあボッチだよ。ボッチ。ヤバイヤバイ、なんとかしなきゃ。
なんて思っていたその時、
「あの、私佐藤奏っていいます。よろしくね」
って後ろの席のカワイイ娘が話しかけてくれたのだ。
私はビックリして、思わず
「あ、ありがとう」
なんて答えになってない言葉を口に出した。
「フフフッなにそれ」
なんて笑われちゃった。
それはもう恥ずかしくて、顔を真っ赤にしながら
「笑わないでよぉ、緊張してただけだからぁ」
なんて恥ずかしい声を出してしまった。
「フフフッカワイイのお、明日輝ちゃんは」
「んもぉー」
「まあ、これからよろしくね」
「うん。奏ちゃんだよね?よろしく」
よかった〜。なんとかボッチは回避できたかな。
なんて思ってたらクラスの女子達がこっちを見て騒ぎ出した。
「あれ、読モの奏じゃない?」
「うわ、まじじゃん。やば、同じクラスだし」
「うそっ、ヤバイヤバイ。ちょっと確かめてみよっか」
「あの〜、もしかして読モの奏ですか?」
「うん。そ〜だよ〜。もしかして知ってた?」
「きゃ〜、本物だし。もちろん知ってますよそりゃ。ちょっとお話しましょ」
「いいよ〜」
そう言うと奏ちゃんは席を離れ女子達のグループに合流した。
ってヤバ、早速話し相手がいなくなってしまった。あ〜あ、私も奏ちゃんみたいに気楽に女子グループに入れるようなコミュ力があればいいのにな…なんて思ってたら
「何やってるの明日輝ちゃん。こっちおいでよ。一緒におしゃべりしようよ」
と奏ちゃんが話しかけてくれた。
それはもう嬉しくって、ものすごい勢いで席を立った。そして、その勢いでイスが後ろに倒れ、ものすごい音を立てた。
クラス中の視線が集まって、恥ずかしくて恥ずかしくて、思わず
「ごめんちゃい」
と大声で叫んだ。すると、クラスの人達はその言葉を聞いて一斉に笑い出して、恥ずかしさで溶けるかと思った。
顔を真っ赤にして女子グループの方に歩いていくと、
「やだぁ、明日輝って意外とドジなの?」
「気合入りすぎだよ〜」
「ごめんちゃいって子供みたいでおもしろいね〜」
「あらあら、顔真っ赤にしちゃって」
と明るく迎えてくれた。
「ちょっと最初だから緊張しちゃった。ごめんね」
「ごめんちゃいじゃないの?笑」
「もぉ〜、からかわないでよぉ//」
「フフッ顔真っ赤だし。かわいいのお」
「奏でまでからかわないでよ〜」
まあ、なんとかクラスの女子達と友達になれました。
〜〜〜〜〜〜
「ところで、みんなは彼氏いるの?」
と七海ちゃんがみんなに聞いた。
「私はいないよ〜」
と桜ちゃんが言った。
「私もよ」
これは奏ちゃんだ。
「え〜、桜ちゃんも奏ちゃんもこんなにカワイイのに彼氏いないんだ」
「まあね。今までもいたことないんだ」
「へぇ〜、意外だな。モデルだし進んでるのかと思ってたわ」
「そんなことないよ。それより、明日輝ちゃんに聞くべきよ。だって、今日あそこにいるイケメン君と手繋いで入学式に来てたし」
「えっ!本当に?うそだ〜。だって、こんなにおとなしくて、これぞ大和撫子って感じで、いかにも『私、生まれてから一度も男性に触れたことがありません』とか言ってそうなお嬢様みたいな見た目してるのに〜」
七海ちゃん、そんな風に思ってたの?過大評価しすぎだよ。
「だよね〜、なんか、男の子と話すとき顔真っ赤にしてそうだし」
桜ちゃん、そ、そんなことないもん。…多分。
「で?実際のとこどうなの?あそこにいるイケメン君と付き合ってるの?」
ひゃぁぁぁ、恥ずかしいなこれ。
「……うん///」
「そ、そんな〜。私の中の大和撫子が〜」
「いいな〜、あんなイケメンとなんて」
「へ〜、ちょっと気になってたのにな〜、あのイケメン君。ところで、イケメン君とはどこで知り合ったの?」
「子供の頃からの幼馴染で//」
「ふぇぇぇ、付き合い長いってことは…」
「つまり……」
七海も桜も何言ってるの?
「明日輝ちゃんはあのイケメン君に処女を捧げたのね」
「んなっ///」
「ははは、照れてる。顔真っ赤だね〜、わかりやす〜い」
「そんなわけないでしょ//まだ処女よ。みんなからかわないでよっ//」
「で?実際はどこまでいったの?」
「いやいや、付き合いは長いけど、彼氏彼女の関係になったのは中学卒業のときだし。だから…その〜、キスもまだっていうか、手繋いだのも今日が初めてというか…」
「あらま〜。純情ね。キスぐらいすればいいのに」
桜がいたずらっぽく聞いてきた。
「桜ちゃん。だって、その、どうやってそういう感じになるか分からないし」
「まあ、これからも恋愛ごとで悩んだらこの私に聞きなさい」
「ありがとう。桜ちゃん」
「私も」
「私ももちろん」
「七海ちゃんも奏ちゃんもありがとう」
「ところで、言いだしってぺの七海ちゃんの近況は?」
「奏ちゃん、それ聞いちゃうか…まあ、その、私は片思い中かな」
あれ、意外だな。カワイイのにな…
「どのくらいなの?」
思わず聞いちゃった。
「中1から」
「「「え〜〜」」」
「それで、誰なの?」
「えっと…そこの明日輝の彼氏と鼻し話てる人。赤崎くんって言うの」
「「「へ〜」」」
「みんなそんなに見ないでよ〜」
「いや、なんか意外だなと思ってさ。あんな髪の毛だけど?」
桜ちゃんが心配そうに聞いた。
「大丈夫だって。根はいい人だから」
「へ〜」
「もしかして絵の仲間?」
奏ちゃんが赤崎くんを見ながら聞いた。
「うん。中学の時作品展とかで合ったりしてたらさ…」
「じゃあ、同じクラスでびっくりしたんじゃない?」
これは私だ。
「まあね。これまではアピールできなかったけど、これからはガンガン行くつもりよ」
「「「がんばってね〜」」」
なるほど…七海ちゃんには想い人がいたんだな…




