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16話 幽霊ではなくユメ

「あっ、メリア様発見しましたー!!」


エレナの声に、俺はそちらを向いた。


メリアは部屋の隅にある棚の後ろに隠れていたそうだ。


探したときは確実にいなかったため、移動したのだろうと思ったのだが…


「メリア様は絶対そんなずるいまねしません!あなたが見つけられなかっただけでしょう!」


エレナはどうしても認めたくないようだった。


ユメはいつの間にか俺の後ろにいて、これで全員見つけたといえるだろう。


ふと外を見ると、もう真っ暗だった。


「早く寝よう。 俺は部屋に戻るから、じゃあな」


「…待って」


俺は自室に入ろうとしたのだが、メリアに呼び止められた。


「あの人、誰なの?」


「「あの人?」」


エレナと声が重なる。


「私見ちゃったの。銀色の髪と紫の瞳を持った美女を」


「…それって、どこに…」


「幽霊じゃないんですか!?」


俺の言葉を遮って、 エレナが興奮気味にそう言った。


「私、幽霊とか大好きなんですよ!」


「そう、 だったのかな…。 消えちゃったし…」


消えた、か。 ユメで間違いなさそうだ。


「きゃーっ!絶対幽霊ですよ!実はここ、 幽霊屋敷だったりして…!」


「…とりあえず寝よう」


俺はなだめるようにそう言って、なんとか2人を帰した。


俺は3階の自室5に入る。


「ユメ」


「…」


「言いたくないならいい。 だけど、なんでメリアがいるのにすぐに姿を隠さなかったんだ?」


「…自暴自棄になったんですよ」


「…そうか」


おおかた琥珀色の魔物 (※※※※※)のことを思い出したんだろう。


今日はいろいろあったから…。


「まぁ詳しくは聞かない。 だけど、 ユメは悪くないと思う。 いや、悪いこともあったかもしれないが…それでも、※※※※※が死んだ時、俺よりマシだったじゃないか。 あのときの俺は、 本当に…」


「慰めのつもりですか?」


ユメの容赦ない言葉に、俺は、ふ、 と笑った。


「まあそう思ってくれてもいい」


「…」


「『浄化』」


俺とユメの体が清められる。


「そろそろ寝よう」


俺はそう言って、ベッドに入った。

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