28話:トカゲ人再び
新しいスキルの【魅了1】を試してみることにしました。
ニンフェアに使うのは怖いのでプルーニャにしましょう。
「・・・プルーニャいいかしら?」
「あいニャ」
「なぜです!!?」
ちょこんと床に座っているプルーニャの前に座り、手のひらをプルーニャにむけ、
「【魅了1】」
手の平が淡いピンク色に光りプルーニャを照らします。しばらく待ちますが特に変わったことはありません。
「何か変化はありますか?」
「ん~特ににゃにも感じにゃいニャ?」
「失敗ですか・・・ん~もう一回!【魅了1】」
3回試しましたが効果がありません。スキルレベルが低いせいでしょうか?
「やはりボクに試してみてよ!」
「・・・も一回だけ・・・【魅了1】!!」
「ニャ!?」
プルーニャの身体がビクンッとしました。あ、魅了できたのを感じました。
「にゃ~ん」
「プ、プルーニャ!?」
魅了されたプルーニャがわたしに抱きついてきてほっぺをペロペロしてきます。訂正します、ザリザリして痛いです・・・
「な!?プルーニャなんてうらやま・・・じゃない、ソフィー様から離れろ!」
ニンフェアがプルーニャを引き離そうとしますがびくともしません。
ペロッ
「!!」
プルーニャに唇を舐められました!!
「プルーニャ!!【電撃】弱!」
「ニャニャニャニャニャニャ!!!!!」
「あばばばばば・・・」
ニンフェアが電撃を放ちプルーニャがビリビリしています。当然抱きつかれているわたしも・・・
手加減されているとはいえ危険な止め方ですね・・・助かりましたけど・・・
「・・・あにゃ?わたしどーしてたのニャ?」
プルーニャが元に戻りました。ニンフェアがプンプン怒っています。それはいいのですけど、わたしの身体がしびれて動きません。
「あ、ソフィー様!!?」
わたしには電撃が強すぎたようです・・・
しばらくしてしびれも無くなり、スキルの検証も終わったので出発することになりました。
「ソフィー様の”付与魔術”は効果時間約20分です。念のため15分おきにお願いします」
「わかりました」
「戦闘は1匹までで2匹以上の場合は撤退します。いいねプルーニャ」
「りょーかいニャ」
「あとはさきほどの説明通りで」
「「はい」ニャ」
部屋を出ると左右に通路が伸びています。ここが地下何階なのか上への階段がどこにあるのか、何も情報はありません。
「とりあえず行くしかないね。右に行こう」
部屋を出て扉を閉める寸前遠くで声が聞こえた気がしましたが、気のせいですかね?
先頭をプルーニャ次にわたしで後ろがニンフェアです。定番のわたし護衛隊列で進みます。ニンフェアはできれば小さな小部屋で今の戦力を試したい、と言っていましたが地図もない階層では闇雲に扉を開けるわけにもいきません。
「どうやら魔物は扉を開けられないらしいからね」
「どうしてわかるのですか?」
「考えてもみてよ。まず空きっぱなしの扉がない。魔物がわざわざ閉めると思うかい?」
「たしかに・・・」
迷宮に入って1週間以上経ちますが、開いている扉はみたことないですね。部屋にいる時に魔物が入ってきたこともないです。
「ただし扉が開いていると魔物は部屋に入ることができる。さっきのトカゲがそうだったね」
「ふむふむ。そういえば扉を閉めた後は2匹目のトカゲは入ってこれませんでしたね」
入ってこられたらアウトでしたけど・・・
「それにゃら扉を開けて中を見て、魔物が襲ってくる前に閉めるとかはどーニャ?」
「扉の前にいたらどーするのさ。扉は全部部屋の中に開く作りだよ。中から閉める時は扉を押せばいいけど、廊下側から閉めるにはノブを引かないといけない」
開ける人がかなり無防備になってしまいますね・・・しかし廊下ですと挟み撃ちされる危険もあります。
そんなことを話していると。
「にゃ・・・数匹きそうだニャ・・・」
プルーニャが警戒して止まります。10mほど先で道が左に曲がっています。
「3匹以上かい?」
「たぶん・・・」
長い廊下のちょうど中間地点辺りで、後ろに戻っても脇道がありません。
「ここならいけるかも・・・ソフィー様、最初の計画と違いますがここならボクの”スキル”で一掃できるかもしれません」
「判断はニンフェアにまかせます・・・」
ニンフェアは頷いてプルーニャと位置を交換します。
ニンフェアは先ほどのガーゴイル部屋で見つけた【風の杖(20回)】を構え、スキルを放つタイミングを待ちます。
やがて曲がり角から直立するトカゲが3匹現れました。先頭は錆びた剣を持っていて残りの2匹は剣と盾を持っています。さきほど戦ったトカゲと同じです・・・殺されかけた魔物が3匹もいます・・・足が震えます。
「大丈夫、さっきのトカゲで”レベル”が上がっているし、ソフィー様の”付与魔術”もある」
トカゲ達はわたし達を見つけると咆哮を上げて襲い掛かってきました。
「【雷撃2】!」
稲妻がほとばしり一直線にトカゲに向かっていき、3匹共貫通して奥の壁にぶつかり消えました。先頭のトカゲが片膝をつき動けなくなり、後ろの2匹はなんとか立っていましたがしびれているようです。わずかですが魔法の威力が上がっているようですね。
ニンフェアは転移魔法で一番後ろのトカゲの背後に回り、プルーニャが飛び出します。風のような速さで一瞬でトカゲのところまで辿り着き、膝をついているトカゲの首に斬りつけます。トカゲが剣で防ごうとしますが、剣をすり抜けたかのように首を左右から切り裂きました。鮮血が噴き出しゆっくりとトカゲが倒れます。
「いけるニャ!」
すかさず2匹目のトカゲに襲い掛かりますが早くも立ち直ったのか、盾で防がれてしまいました。
首を狙ったようですがアレクと同じくらいの身長のあるトカゲは、立っているとプルーニャの攻撃が届きません。プルーニャはジャンプして首を狙ったのですが空中では身動き取れません。
「あぶない!」
「んニャ!」
盾で受け止めたトカゲが剣を振り上げプルーニャに攻撃を仕掛けました。しかしプルーニャはトカゲの盾を足場にしてキレイに空中で一回転して攻撃をかわします。
「”風よ”!」
ニンフェアがトカゲの背後から風の杖の強風を使いトカゲのバランスを崩しました。その隙を見逃さず、着地する寸前のプルーニャがトカゲの両足を切り裂きました。
着地と同時にプルーニャの姿が掻き消え3匹目のトカゲが崩れ落ちました。倒れた3匹目のトカゲのわき腹から心臓方向にダガーが突き立っているのが見えました。トカゲは何が起こったのか理解できなかったようです。
先ほどは1匹のトカゲにあれだけ苦戦していたのに今回はほぼ瞬殺です。
プルーニャが牽制しニンフェアの魔法で倒そうとした最初の時と違い、今回はニンフェアの雷撃と風で動きを止めプルーニャが倒しました。戦い方一つでこうも結果が違うのですね。
「ふぃ~にゃんとかにゃったニャ。ソフィー様の”加速1”は気持ちい~ニャ~♪」
「すごかったですわプルーニャ」
「二人とも油断しないでまだ1匹生きてるよ」
2匹のトカゲが光の粒になりましたが、両足を切られて立ち上がれないトカゲは生きています。いつの間にか剣を握っていた右手はプルーニャのダガーで貫かれています。
「やっぱり・・・わたしがやるの?・・・」
「そのために生かしておいたニャ」
わたしは両手でナイフを握っています。必中のナイフ(強力)です。
「投げればいいのでソフィー様でも倒せますよ」
ゴクリと唾を飲み込み言われた通りにナイフを投げます。
「えいっ!」
ヒョロヒョロっと明後日の方向に投げられたナイフは、地面に落ちる寸前猛スピードで空中を走り、トカゲの眉間を貫きました。トカゲは瞬時に光の粒に変わり、消えました。
その瞬間身体に力がみなぎる感覚がありました。レベルアップしたようです。
「ああ・・・」
「ソフィー様?」
わたし自身に鑑定をかけてみます。
【ジプソフィーラ・ディ・ナターレ】
人族:女
年齢:12
レベル:22↑up(SP11)↑up
身長:145cm
体重:秘匿情報
B:秘匿情報
W:秘匿情報
H:秘匿情報
力 :F
体力:F
俊敏:F
器用:F
英知:B
脳力:D
魔力:D ↑up
スキル:時間遡行2(体力E消費)(3)
魅了1(1)
鑑定1(1)
付与魔術:加速1(2)
(計7)
習得可能スキル:付与魔術:力1、付与魔術:体力1、付与魔術:俊敏1、付与魔術:器用1、付与魔術:英知1、付与魔術:魔力1、付与魔術:吸収1、付与魔術:情報操作1
装備:革の鎧(防御力微増)、体力の指輪(体力微増)、身代わりのアミュレット(即死回避1回)、魅惑のペンダント(魅了2回)、「必中のナイフ(強力)」
レベルが2つもあがっていますね。魔力もDになっています。
このトカゲ、よほど強力な魔物のようです・・・
「レベルが2つ上がって22になりました」
「おお!やったニャ♪」
「おめでとうソフィー様」
2人共喜んでくれました。
「魔力もEからDになりました」
「おお!やったニャ♪」
「おめでとうソフィー様」
2人共喜んでくれました。
「スキルポイントも1増えてスキルを何か覚えられますね」
「「・・・はい?」ニャ?」




