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ララ姫のよんだお客さまって、だれなんでしょうね。
いちばんさいしょにきたのは、このひとでした。
「ララ姫、きょうはおまねきいただき、ありがとうございます」
まっかなよそいきのふくをきた、パンをつくってくれたあの女の子でした。
「こちらこそ、たくさんのパンをつくってくれてありがとう!」
ララ姫は、うれしくなって、女の子をテーブルへと、あんないしました。
つぎにきたのは、あのかえるでした。
「ララ姫。このあいだは、ありがとう。きょうはお茶会によんでいただけて、うれしいです」
「こちらこそ、いつもいたずらに、つきあってくれてありがとう」
そのあとからも、ぞくぞくと、ララ姫のしりあいがきました。
「ワンワンワン、きょうはよんでくれてありがとうワン」
いつもララ姫とあそんでくれる犬がきました。
「ちゅんちゅんちゅん、きょうはよんでくれてありがとうございます」
こんどは、まいにち、まいにち、あさ、きれいなうたごえで、おこしてくれることりがきました。
それから、おしろで、はたらいてるひとたちもきました。
わいの、わいの、がやがや。
いろんなひとがきて、たのしそうです。テーブルにはたくさんのひとが、ついています。
そして、いよいよ、お茶会で、いちばんだいじなもの。そう、紅茶です。
ララ姫は、いろんなひとたちを、でむかえながら、自分のとなえるべき呪文がわかってきました。
ララ姫はそら色のポットに魔法の紅茶の葉と、お湯をそそぎました。そうして、となえました。
「いつもありがとう、みんな!」
ララ姫がとなえると、きゅうにポットがひかりはじめました。
しゅんしゅん、しゅんしゅん。
ポットは、みなえない、火の上にかけられたように、ふっとうしだしました。ふたは、ゆげで、ぷかぷか、上にういたりさがったりします。それがおわったかとおもうと、
ぴー! と、ひときわたかい音がなりひびきました。
そのとたん、とてもかぐわしいあまいにおいが、あたりにたちこめました。みんなそのかおりをかぐと、こころがうきたつような、うれしいきもちになりました。
それからそら色だったポットは、ひかりかがやく、きんいろのポットへと色が、かわりました。
ララ姫は、そのごうかなポットで、みんなのティーカップに、紅茶をそそぎにいきました。
テーブルはいろんな人たちで、うまってます。ララ姫はとちゅうで、紅茶がなくなるかと思いましたが、ふしぎなことに、いくらそそいでも、そそいでも、紅茶がなくなることは、ありませんでした。
ララ姫がそのふしぎな紅茶を、みんなにそそぎおわると、みんなはいっせいに、その紅茶をのみはじめました。
ララ姫も自分の紅茶をのみますと、目をまるくしました。あの魔法使いのいうように、とびきりおいしい紅茶の味がしたのです。それは、はちみつ味の、とってもあまいふしぎな紅茶でした。
のんでいくと、ララ姫は、いろんなことを思いだしました。女の子のしんせつや、かえるとのいつものたのしいおしゃべり、犬といっしょに、あなほりのきょうそうをしたことや、ことりのうれしそうなさえずり、おしろの大臣や、めしつかいたちが、いろんなことをよういしてくれたこと、ララ姫のこころに、ほんわりとしたあたたかいきもちが、やってきました。
ほかのみんなも、ララ姫とおなじように、ふしぎな感じがしました。
そうして紅茶をのみますと、なぜかララ姫から
『ありがとう』
ということばをいわれているようなきがして、みんなのこころは、ぽかぽかに、あったかくなったのでした。
みんなは、そんなきもちになったので、はなすことも、ララ姫のことばかりでした。みんなでララ姫のおてんばについてはなし、それでいてララ姫のやさしさについてもかたるのでした。
そしてとびきりおいしい野いちごとパンを食べながら、またやっぱり、野山をあるくララ姫にはなしがのぼり、農家の女の子もおなかをすかせたララ姫のはなしをして、にっこりわらうのでした。
こうして、ララ姫のひらいたお茶会はだいせいこうでした。
お妃さまはいいました。
「ララ姫。よくできました。お茶会でたいせつなのは、いつもありがとうという、こころです。そのこころをしっていれば、ララ姫はもうりっぱな姫ですよ」
「ほんとですか、お妃さま?!」
ララ姫は目をまるくして、お妃さまにききました。
「ええ、ほんとですよ」
お妃さまは、そういって、うれしそうにほほえみました。
今回のお茶会は、国じゅうでのうわさになりました。ララ姫は紅茶をいれるのがとてもじょうずだと、おもてなしも、かくべつだといわれました。
こうしてララ姫は、これよりさき、紅茶の姫ララ姫といわれるようになりました。
よかったですね、ララ姫。




