3
こんどはへびが
「いたっ、いたっ」
とさけびました。
かわいそうになったララ姫はいいました。
「もう、あのかえるをたべるなんていわなければ、たたいたりしないわ」
「わかりました。もうぜったいしません」
へびはそういと、そそくさとにげだしました。
たすかったかえるは、ララ姫にいいました。
「ララ姫。ありがとう」
「あっ、いたい」
ララ姫はむちゅうで、へびとたたかっていたので、かまれた足のことをすっかりわすれていたのです。足はまっかにはれあがっています。
どうやらへびのどくが、ララ姫の足にまわってしまったようです。あるけなくなったララ姫は、すわりこんで、うんうんうなっています。
「いたいよ~」
と、そこに通りがかった魔法使いがララ姫のようすをみて、いいました。
「どうやらへびのどくがまわっているようだね。うちのいえに、くれば、どくをけせる紅茶があるよ」
ララ姫は、魔法使いといっしょに魔法使いのいえに、いくことにしました。
「紅茶なのに、ほんとにどくが、けせるの」
「そうさ。紅茶にもいろんなものがあってね、どくをけす紅茶もちゃんとあるんだよ」
そういって、魔法使いは自分のいえへと、ララ姫をつれていきました。
魔法使いのいえにつくと、魔法使いはさっそくどくをけす紅茶をいれてくれました。
つーんとするような、ふしぎなにおいが、いえの中にたちこめました。ララ姫はだされた紅茶を、そっとかぐと目がいたいようなきがしました。ほんとにこれをのんでへいきなの? と、ちょっと考えました。でも魔法使いはいいました。
「さっ、さめないうちにぐいっとのむんだよ。でないと紅茶のききめがなくなっちゃうよ」
それでララ姫はいわれたとおりに、はなをつまみながら、ぐいっとのみました。
するとたちまちのうちに、足のいたみがとまりました。
それからはれあがっていたのが、うそのように、ララ姫はいつものほそい足へともどりました。
「すごーい! 魔法使いさん、ありがとう」
ララ姫はとびはねて、よろこびました。
「なあに、たんにうまい紅茶をごちそうしただけさ」
いわれると、においはともかく、紅茶の味はいちご味でした。
そこでララ姫はお茶会のことを思いだしました。
「ねえねえ、魔法使いさん。こんどお茶会をするんだけど、そのときの紅茶にこの紅茶の葉をつかいたいんだけど、ゆずってもらえませんか」
「ほう! お茶会かい。それなら、この紅茶の葉じゃなくて、もっと、とびきりすてきな紅茶の葉をあげよう」
「とびきりすてきな紅茶の葉ってどんな葉?」
「魔法の紅茶の葉さ。自分にとって大切なことばを呪文としてとなえると、とってもおいしい紅茶になるのさ」
「たいせつなことばって、どんなことば?」
「呪文のことばは、自分で考えないといけないんだよ」
「もし、ちがった呪文をとなえたらどうなるの」
「そしたらこのお茶は、とってもまずい紅茶になるだけさ」
ララ姫はなやみましたが、お客さまにはとびきりおいしいお茶をだしたいと思いました。
それなら、この魔法の紅茶の葉をもらっていこうと思いました。
「わかったわ。それなら、その魔法のお茶の葉をゆずってください」
「呪文をポットにお茶の葉とお湯をいれた時にとなえるんだよ。わすれるんじゃないよ」
魔法使いは、そういいながら、魔法の紅茶の葉をララ姫にわたしました。
こうしてララ姫のお茶会のじゅんびが、ととのいました。
さあ、いよいよお茶会のひらかれる日になりました。
テーブルにはまっしろなテーブルクロスがかけられ、そら色のポットとカップがおいてあります。
まん中には野原でつんできたピンク色のお花が、かびんにかざられています。そしてお客さまのすわる、いすのまえには、あの野いちごと、しろくておおきなまるいパンが、おさらにのせられています。
おてんきも、とてもよく、きもちのいいお茶会になりそうです。
ララ姫は、外にでかけていく時のふだんぎのドレスをきました。そのほうがうごきやすかったからです。
ララ姫はお客さまのために、いすのうえには、きもちのよさそうなクッションをひとつずつおきました。
そのあいだにも、ララ姫はいっしょうけんめい考えていました。なにを考えていたかというと、それはあの呪文です。魔法の紅茶をとびきりおいしい紅茶にするという呪文です。
魔法使いは、自分にとって、たいせつなことばが、呪文になるといっていました。ララ姫にとって、たいせつなことばって、いったいなんでしょう?
ララ姫は、まゆをよせながら、まじめに考えました。そうこうしているうちに、お客さまがきました。




